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【Tree of Savior M】クレリックのスキル選びについて―②(1) 汎用セット一例と計算

3/19追記:「切開」が「スロット2」も選択可能である、ということが何故か頭からすぽーんと抜けていました💧 なので対ボス戦では「破魔矢」を「切開」に変える(そして1枠で切開にしていた所は他のにする)というのも有力な選択肢です!
4/4追記:優位属性で攻撃した時のダメージ1.5倍化が、持続ダメージには発生しないことが分かりました( ̄▽ ̄;)! でも、それが大きな影響を持ちそうなところについて慌てて再計算してみたところ、本記事の各結果に大きな変化はないことが分かりました。それについて最後に「補遺」を付けました。



1.はじめに

 本記事は、オンラインRPG「Tree of Savior M」の攻略記事です。そこにおける「クラス系列」(一般的なRPGで言う「職業」に相当するもの)のひとつである「クレリック」のスキル選びについて、調べた内容や計算をご紹介したいと思います。

 私が以前書いた記事、
【Tree of Savior M】クレリックのスキル選びについて―①スキルカタログ|EK (note.com)
の続きという位置づけです。というか、当初は一つの記事にまとめる予定だったのですが、長くなってしまいそうだったので、2つに分けたのでした。

 ・・・のみならず、こちらのほうもまた長くなってしまったので、こちらもさらに4つに分けることにしました💧
 本記事では「ー②(1)」として、相手の種族を問わない一般的な状況におけるスキル構成例を示します。各スキル構成例は表の形で示します。そして別立てにした「ー②(2)」では相手が悪魔型/変異型である場合を想定したスキル構成例を示し、「ー②(3)」では支援スキルの「おみくじ」「ヒール」「ディバインプロテクト」を重視したスキル構成例を示します。そして「ー④(4)」では番外編として、マスタークラスでなく初期4クラスの性能はどうだったのかを、これらと同じ指標のもとで見てみます。

 このゲームをまだあまり知らない方や、昔やっていたけど忘れてしまったという方は、「スキル選びとは何ぞや」と思われるかもしれません。簡単に言うと、このゲームではレベル70になると「マスタークラス」というシステムが開放され、各「クラス系列」(以後、一般的なRPGでの呼称にならい「職業」という呼び名も適宜用います)ごとに約30数種?におよぶアクティブスキルの中から8つのスキルを厳選して戦闘中に使用することになるのです。それのことです。

 完全に自由に組み放題というわけではなく、一定の制限があるのですが、「どんな構成がいいだろう」と色々考えたり試行錯誤するのが楽しく、このゲームの醍醐味のひとつです✨

 上掲した前記事の 【Tree of Savior M】クレリックのスキル選びについて―①スキルカタログ|EK (note.com) では、「マスタークラス」の仕組みについて説明するとともに、クレリックが使用できる約30種のアクティブスキルについて、「スペックカタログ」的な表と、私が調べて分かった範囲での補足説明文を載せました。

 そして本記事では、冒頭で述べたように、実際にどんなスキル構成があるのか、そのいくつかの例を示したいと思います。そしてそれらを使用したときのDPS(Damage per Second;1秒あたりにどれだけのダメージが出るか)や、秒間消費SPなどの計算を示します。
 超厳密な計算というわけではないのですが、大雑把な目安として参考にしていただけるのではないかと思います。

 最終的にどんなスキル構成にするのかは、やはり人それぞれだと思います。私は結構頭でっかちな人間なので、わりと理論計算のまま行っちゃったりしますが(笑)、実際にそのスキル構成を使ってみて、生で感じたことや、実測してみたこと、あるいは直感や好みに従って、人それぞれにスキルを入れ替えてみたり、微調整したりしていくのだと思います。そして各自が自分なりに比較的納得できるような、とりあえずの暫定的構成に持っていくのだろうと思います。それで良いと思います。
 また、装備状況の変化や、ゲーム内の様々な状況の変化に応じて、その都度調整を繰り返していくのだと思います。それは個人的にはなかなか楽しいことだと思います♪

 本記事がそのご参考になれば幸いです。


 なお、前回の記事と同様、本記事でも特に「結論」的なものはありません。私自身がこの記事の準備を機にひとつのスキル構成例から出発して次々に行っていった試行錯誤の記述を通して、色々なスキル構成例や考察をご紹介していく、という感じです。

 お忙しい方は、太字のところだけを目で追っていく、というだけでもある程度の内容を把握していただけるように書いてみたつもりです。そうしていって、気になるところがあったらその前後の文章も読んでみる、というのでも良いかと思います。

 また、さらにお忙しい方のために、最後に「まとめ」を付けてみました。お忙しい方は、まずそこを見てみて、気になった項目があったら目次に戻ってそれに関するところを見てみる、というのでも良いかと思います。

 本記事の計算で用いた特殊な計算は以下の2つのPDFファイル(Buff.pdfとASPD.pdf)にまとめました。必要に応じてご参照ください。

なお、ASPD.pdfのほうは前回の記事「攻撃速度について」で添付したものと同じです。


2.本記事で用いる用語と設定について

 本記事では、基本的には色々なスキル構成例を表の形で示します。ですがnoteの仕様で、画像は表でも何でも一定の大きさに縮小されてしまうので、表の横幅が長くなってしまうとそれがぎゅっと縮小されて文字がとんでもなく小さくなってしまいます💧

 なので、表の横幅を短くするために、表のいくつかの項目については略称を用いました。それらを以下に示します。
 上掲した以前の記事 【Tree of Savior M】クレリックのスキル選びについて―①スキルカタログ|EK (note.com) にも載せたリストの再掲です(分かりやすさの向上を目指してちょっと文面を変えたところもあります)。より詳しい説明はそちらを参照してください_(._.)_

  • 与ダメ期待倍率・・・クリティカルや相手の回避等を考慮に入れると、最終的な与ダメージ期待値は基本ダメージの何倍になるか、を示した数値。スキルダメージおよび通常攻撃にこの数値をかけたものが、下記の「E-SDMG」になる。ただし「持続ダメージ」(下記の「DOT」)にはかからない。

  • CD・・・スキルのクールタイム。(英語名Cool Downの略)

  • SP・・・スキルの消費SP。各種「特性」も考慮に入れたもの。

  • SDMG・・・通常攻撃を100とした場合のスキルダメージ。各種「特性」も考慮に入れたもの。

  • E-SDMG・・・実効スキルダメージ。上記の「SDMG」に「与ダメ期待値倍率」をかけたもの。最終的なスキルダメージの期待値。

  • DOT・・・通常攻撃を100とした場合の「持続ダメージ」(「毒」や「出血」によるダメージ)。各種「特性」も考慮に入れたもの。

  • DPS・・・戦闘時間1秒当たりのダメージ。「E-SDMG」÷「CD」。

残りの用語は、表を見れば大体分かると思います。分かりにくそうなところはその都度説明します。

 なお、「与ダメ期待倍率」はプレイヤーのステータス状況によって変化しますが、本記事ではひとつの標準的なモデルケースとして、「2024年3月上旬現在における、平均的なプレイヤーの数値と思われるもの」を用いました。

 具体的には、「命中発生率0.5、貫通発生率0.5、実クリティカル発生率0.3」および、「命中攻撃発生時のダメージ増加倍率1.25、貫通状態発生時のダメージ増加倍率1.157、クリティカル攻撃発生時のダメージ増加倍率1.2」、そして「攻撃速度1.48」とした場合の数値です。
 各パラメータの詳しい意味や計算方法については、私が以前書いた記事 【Tree of Savior M】命中・貫通・クリティカルの計算|EK (note.com) 等を参照してください。でも、無理に調べなくても大丈夫です。上でも述べたように、一言で言えば「平均的なプレイヤーのものと思われる数値」です🌷

 また、対象は「回避率」も「ブロック率」もゼロであるようなモンスターとしました。現状、ほとんどのモンスターが、ボスモンスターも含め、回避もブロックもしないモンスターたちであり、それらを相手にした状況というのが最も標準的な状況であると思ったからです。

(一部のボスモンスターでは時々「miss」というものが出ますが、これは回避やブロックのことではないようです。回避なら「dodge」、ブロックなら「block」と出ます。「miss」というのは、そのボスモンスターが特殊なギミック等によって無敵状態になっているときに出るもののようです。)

 これらの、「標準的な状況と思われる状況」のもとでの与ダメ期待倍率は

$$
(0.3\times1.2+0.7)\times1.277=1.35362
$$

となります。

 それ以外の状況ではどうなるでしょうか。各種パラメータが上記よりも高いというプレイヤーの場合、この数値がもっと高くなります。他方、相手の回避やブロックが高いと、この数値はもっと低くなります。いずれにせよ、大体 1 から 1.6 ぐらいの間の値をとるんじゃないかな??と思います。理論上の最高値は多分、約 2 です。

 そして、与ダメ期待倍率が上の数値よりも高い場合、総ダメージに占める「通常攻撃」および「スキルダメージ」の割合が大きくなり、「持続ダメージ」の割合が小さくなります。低い場合はその逆です。

 すると例えば、スキル「ペストスチーム」を採用するか否か、の判断に関わってきます。これは「持続ダメージ」への依存度が非常に高いスキルだからです。与ダメ期待倍率が低いプレイヤーほど、このスキルを採用したほうがDPSは上がりやすくなります。逆に高いプレイヤーになると、もしかしたら他のスキルに変えたほうがDPSが上がるかもしれない、という可能性が出てきます。

 最後にもう一点、「スキルクールタイムダウン」はひとまず0%としました。これは、装備品等の効果で全スキルのクールタイムが〇〇%減少するというものです。平均的なプレイヤーでも10~20%は行っていると思われますが、ひとまず0%としました。
 その%の数字が上がれば、当然各スキル構成例ごとの総DPSの絶対的な値は上がります。でも、多分、各スキル構成例間で比較を行うときの「相対的なDPS比」にはあまり大きな変化はないと思います。ここで「相対的なDPS比」と言ったのは、例えば「スキルセットA」は「スキルセットB」の「1.08」倍、といった数字のことです。本記事で重要なのはスキル構成例間の比較なので、現在のところはひとまずスキルクールタイムダウンは考えないことにします。

 さて、あまり抽象的な話ばかり続いても困惑されるかもしれないので、あとは実際にスキルセット一例を示しながら見ていきたいと思います!


3.汎用セット一例

 ここで「汎用」と呼んだのは、「相手の種族を問わない一般的な状況」という意味です。

 クレリックの場合、悪魔型/変異型モンスターに対してだけ人が変わったように強くなる🌷というゆがんだ性癖 特殊な性格を持ったスキルたちがあります。なので、「対悪魔変異型」か「それ以外」かによって、最適なスキル構成というものも変わってきます。

 そこで、この第3節では、まず後者の、より一般的な状況におけるスキル構成を考えてみよう、ということです。「対悪魔変異型」については、次回の記事「クレリックのスキル選びについて―②(2)」で考察します。

3-1.まずは適当に組んだセット

 さて、まずは、スキル同士の相性とか度外視して、とにかくがさつにDPSの多そうなスキルをかき集めてみました🌟

一般的な戦闘場面において、適当にDPS高そうなのを詰め込んでみた例

 なお、各スキルごとの「特性」は、特別な場合を除き全て取得してあるものとしています。「特性」とは、そのスキルの効果を向上させてくれる、いわばそのスキル専属の「パッシブスキル」のようなものです。詳細は上掲の記事「クレリックのスキル選びについて―①」等を参照してください。

 「枠」と書いたのは、ゲーム内では「スロット」と呼ばれているものです。例えば「1」と表示されているスロットは3つあり、3つのスキルをセットできるのですが、上の表では「1」の枠が3つあるという形でそれを表現しています。そしてそれらに「コンビクション」、「御幣」、「デモリッション1」の3つをセットした、ということです。ただし、本記事では、「1」と「2」の各枠の中でのスキルの順番は適当です。ゲーム内では左側のスロットから順番にセットしていくことになりますが、そのセットの順番は各自好きなようにセットすればよいと思います。一般論としては、CD(クールタイム)の短いものほど左にセットするのがよさそうな気がします。

 なお、「デモリッション1」の「1」の意味については、やはり上掲の「クレリックのスキル選びについて―①」を参照してください。でも無理に参照しなくても、ここではとにかく上の表に書いてあるようなCD、SP、SDMG等のパラメータを持っているスキルなんだ、という理解でも十分です。他の、変な名前になっているスキルたちについても同様です。

 さて、赤文字で示した数字は、いわゆる「シナジー効果」によって数値が変化した部分です。たとえば「与ダメ期待倍率」が赤文字の「1.456」なっていますが、これはスキル「御幣」の効果によるものです。このスキルが無ければ、ここの数値は前節で示したように1.354です。しかしこのスキルが持つ「このスキルの使用後4秒間、クリティカル発生率とクリティカルダメージが1.2倍になる」というバフ効果によって、それが1.456に変化したということです。同様に、攻撃速度が「1.776」となっているのは、スキル「デモリッション」の「使用後10秒間、攻撃速度を20%アップする」というバフ効果によるものです。そして「ペスト2」と「インシネ」のDOTすなわち持続ダメージ部分が赤文字になっているのは、クラス特性「疾病の研究」をセットしたことにより、「ヒーリングファクターの効果持続中、それらが45%の確率で100%アップ(つまり2倍)になる」というパッシブ効果が発生しているためです。詳しい計算は、本記事冒頭に添付したPDFファイル(Buff.pdf)を参照してください。

 「動作時間」は、文字通り各スキルや通常攻撃の動作時間です。単位は秒です。これは、まず通常攻撃の場合、「攻撃速度」の逆数として求められます。そして大抵のスキルはどうやらその通常攻撃と同じ動作時間のようです。ただ、ストップウォッチで大雑把に測ってみると「デモリッション」はその約1.5倍、「破魔矢」はその約2倍の時間がかかっているようでしたので、それらのスキルについてはそのようにしました。これらをめぐる考察とデータについては、私が以前書いた記事【Tree of Savior M】攻撃速度について|EK (note.com) 等もご参照ください。

 「秒間回数」は、そのスキルや通常攻撃が戦闘中の1秒あたりに何回行われているか、の回数です。スキルの場合はクールタイム(CD)の逆数です。例えば「コンビクション」ならクールタイムが8秒なので大体8秒に1回のペースで使用されるわけですが、これは統計的には1秒に1/8=0.125回使用されているのと同じです。なのでその値(を四捨五入したもの)が表示されています。

 通常攻撃の秒間回数は、少し特殊な計算をしています。それについては本記事冒頭に添付したPDFファイル(ASPD.pdf)を参照してください。一言で言えば、「全戦闘時間のうち、スキルの使用に使われていない時間すなわち通常攻撃に使える時間を、通常攻撃の動作時間で割ったもの」を1秒あたりのものに換算したもの、です。

 「SP消費/秒」は、そのスキルによって消費されるSPを1秒あたりの数値に換算したものです。「通常攻撃」ではそれがマイナスになっていますが、これは、通常攻撃の場合はSPを消費するよりもむしろ回復する仕様になっているからです。表で通常攻撃の「SP」のところを見ると、「-50」になっています。これは通常攻撃を1回するごとにSPが50回復するということを示しています(初期状態では30ですが、ある標準的な装備アイテムの効果で50になっています)。そして1秒ごとの通常攻撃の回数は0.87回ですから、$${-50\times0.87\fallingdotseq-43.59}$$消費する、つまり43.59回復するということです。

 その上の方の「SP自然回復/秒」というのは、文字通り1秒あたりのSP自然回復量です。このゲームでは5秒ごとに一定値のSPが自然に回復するという仕様があります。その数値を5で割ったものを示しました。表の「59.5」というのは、それなりに標準的なある装備状況における数値です。

 さて、「数字がいっぱいあるのはイヤ!最低限だけ見たい (>_<) 」という方は、右下の「1748.83」と「36.83」だけ見ていただければよいと思います。これらは「DPS」と「消費SP/秒」の合計です。通常攻撃ダメージを100とした場合、このスキル構成では毎秒1748.83のダメージを与え、毎秒36.83のSPを消費するということです。

 この36.83という数字は、通常攻撃の「-43.59」という数字も含めた合計です。なので、通常攻撃によってSPが回復されるという点も考慮に入れた上での総合的なSP消費量です。

 ただし、いずれも理論上の数値です。より具体的には、ゲーム内で説明されている各種攻撃手段の仕様、および、ゲーム内のちょっとした観測から得られた各種パラメータ、を元に計算された数値です。また、モデル化の過程で、スキル同士のCD明けのバッティング(鉢合わせ)は無視しました。計算が複雑になり過ぎてかえって誤差に脆弱になる上、このゲームではそんなに高頻度で起こるものではないと思われたからです。
 まあ、要は、特に致命的な大きい誤差はないと思うのですが、絶対正確なものではない、ということです
 それでも、各種スキルセットの性能を大雑把に推し量ったり、それらの間の大雑把な比較検討をする上では、そこそこ有用な指標であると思います🌸

 では、ここから、「エンブレム」をつけてみたり、色々とスキルを入れ替えてみたり、状況別の振る舞いを見ていったりしてみましょう。個人的にはなかなか楽しい計算でした。(疲れましたが;)


 あ、そうでした、忘れていましたが、通常攻撃および全てのスキルの「DPS」には、赤文字にはしていませんが「コンビクション」の効果が反映されています。それは、「次に受ける攻撃1回を、防御力が50%無視された状態で受ける、というデバフを相手に付与する」というものです。その恩恵にあずかれるのは、コンビクションのクールタイムが8秒の場合、8秒に1回だけ、しかも1つのスキルまたは通常攻撃に対してのみですが、そのことを計算に入れたDPSを表示しています。計算式は本記事冒頭に添付したPDFファイル(Buff.pdf)を参照してください。

 赤文字にしなかった理由は2つあります。1つは、赤くすると、ここの列が真っ赤っかになってしまうから(-_-;)、もう1つは、今回の記事ではすべての構成例に「コンビクション」が入っているから、です。
 スキルによっては、コンビクションと同様に、全ての攻撃のDPSに影響を及ぼすものがあります。そのとき、そのスキルの効果を、全DPSが真っ赤になる、ということで視覚的に見たいですよね。でもコンビクションによってすでに全DPSが真っ赤になっていると、そのインパクトがなくなってしまうのです。なのでコンビクションの効果は、いわば「当たり前の効果」として、わざわざ赤文字にしない、という処置をとりました。
 ていうか、一言で言えば、単に「表を見やすくするため」です(ノ≧ڡ≦)


3-2.エンブレムをつけてみる

 「エンブレム」とは、このゲームにおける装備品カテゴリのひとつです。装備すると、最大3つのスキルに対して、そのスキル効果を向上させてくれる特殊効果を持ちます(以下、適宜「エンブレム効果」と呼びます)。例えば「デモリッションのダメージ40%アップ」(つまり1.4倍)などです。この「40」の数字の部分は、エンブレム入手時等にランダムで決まり、そしてその最高値も40とは限らず何かスキルによって38だったり41だったり色々になっています。でも、面倒くさいので 利便性のために一律「40」としてみます。

 2024年3月現在の仕様では、上のような効果はエンブレムにランダムで最大3つ付くだけでなく、他部位の装備である「インフェルノジャウラ〇〇」(通常「ジャウラ盾」)という装備にも1個だけつきます(「〇〇」のところは「バックラー」とかの名前)。エンブレムに付く3つの効果にはどうやら重複は生じないようですが、ジャウラ盾のほうはそれとは独立に選ばれるようなので、エンブレムについているいずれかの効果と同じ効果がつく可能性があるようです。

 このエンブレムおよび「ジャウラ盾」につく4つの効果が、最高の状態になったとき、どうなるかを見てみましょう。すなわちエンブレムについた3つの効果がDPS上位3つのスキルに対するものであり(!)、かつ、最上位のスキルに対するエンブレム効果がジャウラ盾にもついた(!)、という奇跡の夜にめぐりあったとき、どうなるかを見てみましょう。

最初のスキル構成例で、理想のエンブレム効果4つがついたとき

総DPS(秒間ダメージ総計)が約1.31倍になりました

 肌色(に私のPC画面では見えるのですが、Excel先生は「明るめオレンジ」と言い張ってます。そうなんですかね?)で塗りつぶしたマス(Excel先生は「セル」と呼んでいます)のところが、エンブレムによってダメージを1.4倍にしたところです。「ペスト2」のところがもう一段階濃くなっていますが、これはエンブレムとジャウラ盾で効果が重複したとしたところです。1.4×1.4=1.96倍にしました。
(もしかしたら実際のゲーム内では1+(0.4+0.4)=1.8倍かもしれませんが・・・)

 「あれ、ブレーキング2は?素のDPSは御幣よりもそっちの方が高かったから、御幣じゃなくてそっちを肌色にした方がいいのでは?」と思われるかもしれませんね。でも、この「ブレーキング2」というのはスキル「ブレーキングホイール」のことなのですが、ブレーキングホイールには、そのダメージを〇%アップするというエンブレム効果が用意されていないのです。

 その代わり用意されているのが、「ブレーキングホイールを使用後、5秒間、攻撃力が7%アップする」というエンブレム効果です。(この「7」の部分は入手時にランダムに決まります。多分「7」が最高です)。それも中々よい効果なので、それを第4のエンブレム効果にする、という選択肢もありますね。実際に計算してみました

4番目のエンブレム効果をブレーキングホイール用のものにした場合

上では2290.03でしたから、こちらのほうが約1.7%上がりますね🌟

 ただ、こちらの計算は誤差要因が大きいのです。具体的には「攻撃力7%アップ」の効果が、自分や相手のステータス状況によって変わってくるのです。少し調べた範囲では、攻撃力が7%アップすることによる与ダメージの変化は、大体1.12倍から1.13倍くらい(つまり12~13%アップ)となっているようでした。間を取って「1.25倍」としたのが、上の計算です。

 おおまかな傾向としては、「相手の防御力が高いほど、攻撃力〇%アップの恩恵は高い」、という傾向にあるようです。

 計算式は本記事冒頭に添付したPDFファイル(Buff.pdf)を参照してください。

 いずれにせよ、こちらは状況次第で効果がブレる一方、「特定のスキルのダメージ40%アップ」のほうは、どうやら本当に単純にそのスキルのダメージを40%アップさせるだけのようなので、ブレないです(笑)。そして、両者が最終的に総DPSに与える影響はあまり変わらないようです。上の例だとたった1.7%の差です。
 そういったわけで、本記事では、ブレーキングホイール用のエンブレム効果についてはこれを保留し、「特定のスキルのダメージ40%アップ」のエンブレム効果をつけながら計算していくことにします。特に問題はないと思います。


 さて、本節の主要な内容は以上ですが、余談ながら、やっぱり狙った4つのエンブレム効果を揃えるというのは至難の業だと思います
 正確には把握していないのですが、エンブレム効果って各職業ごとに20種類くらいあって、その中からランダムに選ばれたものがつくんでしたっけ?ジャウラ盾は少し種類が減ってクレリックの場合は12種類の中からのランダムですが、それでも大変です。

 ここでは仮に、上の「20」と「12」という数字を使って計算してみましょう。

 まずジャウラ盾のほうを見ると、狙った効果が付く確率は1/12ということになりますので、それが付くまでに制作しなければならないジャウラ盾の数の期待値は12個となります。普通のプレイヤーだと1~2週間で1個作れるかどうかでしょうか?12個となると、4~5カ月かかりそうですね💧もちろん運がよければもっと早くに狙った効果がつきますが、運が悪ければ倍くらいかかります(!)

 これだけでもえらいことですが、次に、エンブレムのほうも見てみましょう。その狙った3つの効果が見事に揃ってくれる確率は、

$$
\frac{3}{20}\times\frac{2}{19}\times\frac{1}{18}=0.00087719\ldots
$$

つまり約0.088%です(分母の数が1ずつ減っていっているのは、つく効果の重複がないからです)。したがって、これが付くまでに繰り返さなければならない試行数の期待値は、1/0.0008772≒1333回です。各回ごとに必要とされる素材アイテムの数、すなわち3つの効果が付いたエンブレムを1個作るのに必要な素材アイテムの数、の期待値は、

$$
\begin{align}
&80+\frac{9}{0.9}+\frac{13}{0.85}+\frac{17}{0.8}+\frac{21}{0.75}+\frac{25}{0.7}+\frac{30}{0.6}+\frac{35}{0.55}+\frac{40}{0.5}+\frac{45}{0.45}+\frac{50}{0.4}\nonumber\\[10pt]
&=608.8947\ldots\text{個}\nonumber
\end{align}
$$

ですから、それの1333倍で、811,657個の素材が必要に・・・って、あれ、これ無理ゲ?💧

 まあいずれにせよ、やっぱり大抵の人はそんな理想の4つを揃えることはできないと思います。でも、上の「総ダメージ30%アップ」の半分くらいの「総ダメージ15%」アップくらいはいくでしょう✨
 インパクトが薄いように見えるかもしれませんが、このゲームって、キャラクター強化要素が色々あって、そのひとつひとつはこれくらいの効果量でも、それらの積み重ねでいつの間にか強くなってる!っていうデザインになってるみたいです。少しずつ喜んでいきましょう🌷


3-3.スマコン仕様にしてみる

 ここで「スマコン仕様」と呼んだのは、次のような意味のものです。

 上述の「エンブレム効果」の中には、「スマイトとコンビクションのダメージを40%アップする」というものがあります(以下「スマコンエンブレム」と呼びます)。他のものはスキル1個しか強化してくれないのに、これはスマイトとコンビクションという2つのスキルを強化してくれます。何だかお得感がありますね!

 なので、もしかしてスマイトを入れてスマコンエンブレムを付けたほうが、総DPSが上がったりするのではないか?という可能性が浮上してきます。
 そのために、スキル構成の中に無理やりスマイトを入れてみた、ということです。

 でも計算してみると、少なくとも私が今回試したいくつかのスキル構成例では、それほど振るわない結果になりました。

 スマイトは1番の枠にしか装備できないので、御幣かデモリッションをスマイトに交代させることになります。まずデモリッションを交代させた場合が以下です。

デモリッションをスマイトに替え、スマコンエンブレムを入れた場合

DPS総計が2214.81になりました。さっきは2290.03ですから、かえって3.3%ほど弱くなってしまったことになります。ダメージ1.4倍になっているスキルの数はさっきよりも多いのに、でも総合的には弱くなった、ということです。面白いですね。

 考えられる要因は2つです。1つは、スマイトとコンビクションがそもそもあまり強くないということ、もう1つは、デモリッションを外したことにより「攻撃速度20%アップ」バフがなくなって攻撃速度が1.776から1.48に下がったことです。私が以前に書いた記事【Tree of Savior M】攻撃速度について|EK (note.com) でも述べたように、「攻撃速度20%アップ」って結構あなどれない効果を持つのです。

 デモリッションではなく御幣のほうを外してスマイトを入れた場合も、やはり弱くなりました。

 でも、私の計算の誤差によって過小評価されているだけ、という可能性もありますね(ノ≧ڡ≦)


3-4.でもスマコンには「戦闘準備」2種があるじゃないか!

 しかし、スマイトとコンビクションには、それを強化してくれるクラス特性があります。「戦闘準備 - パラディン」と「戦闘準備 - インクイジター」の2つです。これらはどちらも、「通常攻撃1回ごとにスマイトとコンビクションのクールタイムを0.5秒減少させる。最大2.5秒減少させる」というものです。さらに前者ではデモリッション、後者では「ゴッドスマッシュ」のクールタイムも減少します。
 そして、さらに嬉しいことに、この2つのクラス特性は両方同時にセットすることができ、そして効果は重複するようなのです。つまり2つセットすると「通常攻撃1回ごとにスマイトとコンビクションのクールタイムを1秒減少させる。最大5秒減少させる」になるようなのです。一方でデモリッションとゴッドスマッシュに対しては普通に考えて0.5秒ごとの減少と最大2.5秒のままであると思います。

 これらを付ければスマイトとコンビクションの性能が上がります。その結果、逆転するということがあるかもしれません。 

 これまで「特性」枠(「クラス特性」を選んでセットする枠)には「疾病の研究」だけを置いて計算していましたが、特性枠には最大5つのクラス特性をセットできます。今までの例でそこを空けていたのは、自由枠ということにしていたからです。でも、ここではそこに上記の「戦闘準備」2種を入れて、スマイトとコンビクション(とデモリッション)を強化してみましょう。

 まず、最初のセットのままで戦闘準備2種を入れた場合が以下です。

最初のスキルセットに、エンブレム効果と「戦闘準備」2種を入れた場合

 2種の「戦闘準備」を入れる前の総DPSは2290.03でしたので、1.077倍になりました。結構強くなりますね✨

 ちなみに、「戦闘準備」2種を入れた結果、素のDPSは御幣よりもコンビクションの方が高くなりましたので、御幣につけていたエンブレムをコンビクションに移しています。

 次に、「スマコン仕様」に「戦闘準備」2種をつけた場合です。デモリッションを外してスマイトを入れました。

デモリッションをスマイトに替えた場合

 総DPSが2369.21になりました。上と比べると約4%低いです。「戦闘準備」2種を入れた場合でも、やはり無理やりスマイトに替えるとかえって弱くなってしまう、ということになります。

 主要な要因は、やはりデモリッションを外したことで攻撃速度が20%下がったことと、コンビクションのCDの減少が上の場合に比べて少なくなってしまったことです。簡単に言えば、デモリッションのときのほうがコンビクションはより多く「戦闘準備」2種の恩恵を受けられるということです。

 他方、デモリッションでなく御幣をスマイトに代えたという場合でも、やはり総DPSは下がりました。

 まあ、ここでもわずか4%の差ですので、何かちょっとした要因でひっくり返るということはあるかもしれないですね!


 なお、スマイトとコンビクションにはさらに、「神聖なる拷問」というクラス特性もありますが、あまり強くないみたいです。これは、「『拷問系スキル』(ペア―オブアングイッシュ、ブレーキングホイール、アイアンメイデン、ブレストリッパー)を30回使用すると、その後8秒間、スマイトとコンビクションとゴッドスマッシュのクールタイムがゼロになる」というものです。その「8秒間クールタイムゼロ」という部分のインパクトがなかなか強いのですが、実際に計算してみると、総DPSに与える影響はわずかのようでした。

 このクラス特性を加えることで上記の総DPSが何倍になるかを計算すると、「最初のセット」の場合が1.002642倍、「スマコンセット」の場合が1.004559倍でした。それぞれ0.26%および0.46%の増加です。当然ながらスマコンセットのほうが伸びがいいですが、でも逆転には至りませんでした。

 これほど微妙になったのは、このスキルセットでは拷問系スキルがブレーキングホイールひとつしかないからでは?と思う方もいらっしゃるでしょう。私もそう思いました。しかし拷問系スキルを4つ全部セットした場合でも、スマイトたちのクールタイム期待値の減少は、元々の「8秒」から「7.236秒」への減少になります。また、クールタイムがゼロになると言っても、スキル動作時間まではゼロにはなりませんから、その動作時間がいわば「実質クールタイム」になります。攻撃速度が1.48の場合は約1/1.48=0.68秒です(ゴッドスマッシュはさらにその約1.5倍?)。それを考慮して「神聖なる拷問」によるスマイトたちの「実質クールタイム」の減少を計算してみると、それは、拷問スキル4種全部使った場合でも、「8秒」から「7.3002秒」への減少になります。「戦闘準備」によって一気に4秒とか5秒まで縮まったのと比べると寂しいですね。

 しかも、拷問スキルを無理やり4つも入れた場合でそれです。普通は入れるとしてもせいぜい2つぐらいまでではないでしょうか。すると効果は大体「7.65秒」への減少になります。入れて損することはないですが、無理に入れるほどではないんじゃないかな?と個人的には思います。

 本節で用いた計算の詳細は、冒頭に添付したPDFファイル(Buff.pdf)を参照してください。


3-5.でもでもスマコンには対ボス特効があるじゃないか(泣)!

 しかししかし、スマコンには「ボスモンスターに対しダメージが25%アップする」という性質があるのでした。ゲーム内のその説明を素直に受け取れば、ダメージが1.25倍になるということでしょう。(「攻撃力344%のダメージ」と書かれている基本ダメージが344+25=369%になるだけ、という悪夢の可能性もありますが、それは無いとしましょう・・・無いですよね?(泣))

 デモリッションや御幣にはそれはありません。なので、対ボスモンスターでの総DPSなら、スマイトに替えたときのほうが強くなるかもしれません。

 というわけで計算してみました。
 まずは、非スマコンセットでボスと対戦した場合です。

最初のセットで、ボスモンスターを相手にした場合

コンビクションのダメージが1.25倍になったので、そのぶん総DPSが上がり、2558.95になりました。一般モンスターが相手のときは2466.45でしたから、約3.8%のアップです。ボスさん涙目ですね🌷

 さて、ではスマコンセットの場合はどうでしょうか。

スマコンセットにした場合

当然ながら対一般モンスターのときより総DPSが上がっています。しかし上では、つまりデモリッションをスマイトに代える前では2558.95でした。
ここでもやはり、無理やりスマイトに代えるとかえって弱くなる、という計算結果になりました。

 でも、これまでに比べるとだいぶ差が縮まっています。約1%の差です。ほとんど誤差ですね!

 でもまあ、結局、本記事で調べた範囲では、無理やりスマイトを入れても、かえって弱くなる、という結果になりました

 せっかく『スマイトとコンビクションの2つのダメージ40%アップ』というエンブレムがあるのだから、スマイトも入れないと勿体ない!という気もするのですが、必ずしもそんなことはないようです。

 ただ、1~3%程度の差です。ちょっとした要因でひっくり返るかもしれません。

 それこそ、スマイトには「相手の防御力を25%を無視する」という特性があります。なので、めちゃくちゃ防御力の高い相手に対しては、スマイトのほうが有利!ということになるかもしれません。
(ちなみに、前記事「クレリックのスキル選びについて―①」でも述べたように、上の計算ではモンスター相手の観測に基づき、「『防御力を25%無視』した結果与ダメージは1.21倍になった」として計算してあります。コンビクションの「防御力50%無視」のほうは「1.55倍」としてあります。)

 また、スマイトはデモリッションや御幣に比べて動作時間が短いように見えます。なので、ボスモンスターの攻撃を避けやすかったり、各種ギミックに対処しやすかったりするかもしれません。そういった「立ち回り」の面からでも、逆転の可能性はあります。

(ちなみに、低レベル時代で初めてデモリッションを使ったとき、「動作時間長いな」と思ったものでしたが、育成が進んで攻撃速度が上がり、またデモリッションの「攻撃速度アップ」特性も習得してみると、それほど気にならなくなったように個人的には思います。)

 あと、もしかしたら何か「隠し仕様」があって、それによって実際のスマイトはもっと強い、なんてこともあったりするかもしれないですね。

 もちろん、ここのスキル構成例にたまたま上手くマッチしなかっただけ、という可能性もあります。もしかしたら、スマコンエンブレムがもっと輝くようなスキル構成というものもあるかもしれませんね!


4.対ボス(悪魔変異以外)セット一例

4-1.切開を入れてみる

 さて、前節で対ボス性能を見たのを契機に、ここからは対ボス性能で見ていってみましょう。
 ただし悪魔型/変異型以外のボスモンスターに対するものとし、また基本的に1体で出てくる場合のものとします。ボスによってはたまにお供モンスターを召喚してきて、その場合いくつかのスキル特性は特別な効果を発揮したりするのですが、それほど劇的な変化にはならないと思いますし、ひとまずそれらは考えないことにします。

 対単体相手なら強いスキルとして、「切開」があります。これを入れてみましょう。デモリッションを切開に替えてみます。

ボス戦を想定したスキルセット一例

替える前は2558.95でしたから、約1.66%アップしました🌷

 でも微妙ですね💧 切開そのもののダメージは高いので、もっと差が出るかと思ったのですが、誤差レベルの差になりました。主な要因は、デモリッションがもたらすバフ効果「攻撃速度20%アップ」が無くなったことです。これによって通常攻撃が稼いでいたDPSが減るとともに、「戦闘準備」による「コンビクションのクールタイムダウン」の効果も減ってしまったのです。切開そのものによる高DPSはその減少分を一気に挽回して上回りさえしたのですが、結局総DPSの上昇は誤差レベルにとどまったのでした。

 ちょっとした要因でひっくり返りそうですね。なのでもう、どちらもダメージ効率はほぼ同じ、と見なすことにすると、使い心地の違いとか、現在自分が持っているエンブレムとかによって、判断することになりそうです

 使い心地に関して言えば、どちらもちょっとクセのあるスキルかもしれませんね。デモリッションはちょっと動作時間が長いです。他方、切開はダメージの多くを持続ダメージに負っていますし、ペストスチームとの「シナジー」がうまく働きつづけてくれるか、にも依っています(切開のDOTとペストスチームのDOTが重なると前者が1.5倍になるというもの)。
 でも持続ダメージはこちらが何らかの理由で攻撃できなくなったときにも、ずっとダメージを与え続けてくれて便利だったりしますね。例えばボスの理不尽な連続攻撃とかボスの理不尽なギミックとかボスの理不尽な(泣)・・・まあ色々あって、なかなか攻撃させてもらえない、なんていうときに助かったりします。一長一短ですね🌷。

 装備によっても変わってきます。「2. 本記事で用いる用語について」でも述べたように、「命中」、「貫通」、「クリティカル発生」、そして「クリティカルダメージ」の数値が高いプレイヤーの場合は、この表よりも実効スキルダメージ(E-SDMG)が大きくなります。その一方で、持続ダメージ(DOT)の方は変わりません。なので、総ダメージの多くをDOTに依存している切開よりも、総ダメージの全てをE-SDMGに預けているデモリッションのほうが、強くなりやすいかもしれません。

 なお、割愛しますが、デモリッションでなく御幣のほうを切開に代えた場合は、2580.22になりました。やはり代える前より強くなりましたが、0.8%のアップなので、さらに小さい変化です。なのでここでも、使い勝手とか装備状況によって判断することになりそうですね。

 まとめると、1番スロットにセットできる3つのスキルのうち、とりあえずコンビクションはキープしてみるとして、対ボス戦で残り2つを「デモリッション」、「御幣」、「切開」、そして「スマイト」(上述の「スマコンエンブレムを持っている場合)のうちのどれにするかは、単純な総DPSでは決められなさそうだ、ということになります。

 以下では、状況によって適宜選ぶことにします。


4-2.ブレストリッパーを入れてみる

 さて、対ボスと言えばブレストリッパーを思い起こす方も多いのではないでしょうか。初期クラスの「インクイジター」を代表するスキルのひとつでした。マスタークラスでは「ブレストリッパー」と「ブレストリッパー - 不吉な道具」の2種類に分かれており、どちらかひとつを選んでセットすることになります。その大きな特徴のひとつが、「ボス相手ではダメージが2倍になる」というものです。

 そこで、それを入れたスキル構成を色々試してみました。無印リッパーは4番スロットか5番スロット、不吉リッパーは5番スロットにしかセットできないので、ペストスチームかインシネレーションを外すことになります。色々やってみた結果、どうやら次のものが一番総DPSが高いようでした。

対ボスセット一例。メインは「ブレストリッパー不吉な道具」

 総DPSは2363.65と算出されました。前節では、すなわちブレストリッパー仕様に変える前では2601.54でした。つまり、総DPSはペストスチーム&インシネレーションのときより約9%減少しました

 表で「ブレストリッ呪」と略記してあるのが「ブレストリッパー - 不吉な道具」です。見て分かる通り、ブレストリッパーそのもののダメージは高いです。スキル単体のDPSとしてはこれまでで最高です。しかし、通常攻撃や他のスキルたちが色々な点で「犠牲」となり、結局総合的なDPSにおいては伸び悩む結果になったのです。

 また、消費SPもとても重いです。実はそれも総DPSが伸び悩んだ一因です。簡単に言うと、リッパー仕様が課す重いSP消費を緩和し、それが「SP自然回復/秒」を上回らないようにするために、やはり他のスキルたちが犠牲になっているのです。

 もちろん、他の可能性も色々試してみました。例えば「むしろブレストリッパーの連打数のほうを減らして、他のスキルにSPを回してみようか」などです。でも今回私がやってみた中では結局上記のものが最善だったのでした。

 まあ、所詮は理論上の計算ですし、何かの要因でもっと差が縮まる、場合によっては逆転さえする、ということもあるかもしれませんね!

 あるいは、今回はたまたま私のブレストリッパーの組み入れ方が下手なだけだったのであって、もしかしたら何かもっと他にうまいスキル構成があるのかもしれません。リッパー愛好家や拷問愛好家(!)の皆さん、是非がんばってみてください。

4/4付記:優位属性で攻撃した時のダメージ1.5倍化が、持続ダメージ(DOT)には発生しないという重要なことを見落としていることに気づきました。しかし、「そうするとリッパーの方がペストより上になるかな?」と思って計算したところ、DPSはほとんど同じ、となりました(!)。より詳しくは本記事末尾の「補遺」を参照してください。


 本節で用いた計算式については、本記事冒頭に添付したPDFファイル(ASPD.pdf)を参照してください。計算の際、ブレストリッパーの動作時間を見積もる必要がありますが、ここではそれを「0.3×連打数+2(秒)」としました。それが完全に正しい数値かは分かりません。私がストップウォッチで何度か測定してみて、「だいたいそんなもんかな?」と適当に見積もった値です。


4-3.SPクポルを他のクポルに代えてみる

 前節では、それまでまさに「集合写真の右上」だった あまり言及しないでいた「SP自然回復/秒」が、結構強い影響力を持ってきたのでした。でも、もしかたら、それ以前からすでに「消費SPちょっと高くない?」と思われた方もいらっしゃったかもしれませんね。

 実はこれまでの表で示していた「59.5」というSP自然回復の数値は、最大3体まで同行できるクポル(一緒に戦ってくれる妖精みたいなもの)のうち1体を、SP自然回復を支援してくれるクポルにした場合の数値です。「SPクポル」と呼んだのはこのクポルのことです。
(その上で、「SP回復量を30%アップする」という料理アイテムを使った場合です。)

 具体的には、一番レア度の低いクポル達のうち、「45秒間、SP自然回復を150増加させる」というスキルを持っているクポルです。このスキルのクールタイムは60秒です。「SP自然回復」というのは、このゲームにおけるステータス(能力値)のひとつで、5秒ごとにその数値のぶんだけSPが勝手に回復してくれるというものです。戦闘中でも回復します。上述のスキルは、その数値を150増加させてくれるということです。
 したがって、例えばステータス画面上の「SP自然回復」が185の場合、1秒あたりの回復量の期待値は、

$$
\frac{\frac{45}{60}(185+150)+\frac{15}{60}185}{5}=59.5
$$

となります。それが、これまで示してきた「SP自然回復/秒」の数値です。

 このクポルを他のクポルに代えると、「SP自然回復/秒」は185/5=37になります。

 すると、これまで示してきたスキル構成例の中で一番強かった、「戦闘準備2種つき」(3-4節以降)のものは、そのままでは使えません。SP消費がSP回復を上回ってしまうからです。そのため、いくつかのスキルについては「特性」を外すなどして、SP消費を抑えなければなりません。すると火力は下がっていきます。
 でもその代わり、そのクポルが何か強力な攻撃・支援スキルを持っていれば、それによって挽回できる可能性があります。それを計算してみた、というのが本節の内容になります。

 要約すると次のようになります。
 SPクポルを他のクポルに代えると、ここまでで一番強かったスキルセットは使えない。その代わり、交代したクポルの強力な攻撃・支援スキルが使えるようになる。それは前者の火力を超えるか?

 では、早速結果です。ゲーム内でざっと色んな人を見てみると、「ジェミナ(サンタ)」、「ジェスティ」、「ジャウラ」の3体のクポル(2024年3月現在、最も「レア度」が高いクポル達のうちの3体)が人気のようでした。なので、それらのクポルについて計算してみました。各クポルのスキル効果量は最大値と思われるものを用いました(「ランク」が「7」のときの値)。

 その3体のうち、もっとも高いDPSを出したのは「ジェミナ(サンタ)」(以下「Xmasジェミナ」)でした。

SPクポルを「Xmaxジェミナ」に代えた場合

総DPSは2493.74と算出されました。他方、SPクポルを同行していたときの対ボス最高DPSは4-1節のスキルセットの2601.54でした。つまり、SPクポルを同行したときより4%ほど低いという結果になりました。

 主な要因は、消費SPを抑えるためにブレーキングホイールとペストスチームの追加ダメージ特性を外したことです。それによってまず総DPSが2348.91に下がりました。そこへXmasジェミナの「60秒中12秒、色々なステータスを12.25%アップする」というバフがかかって、約1.06倍の2493.74まで盛り返したのですが、初めに下がったぶんを完全に挽回するまでには至らなかった、ということです。

 他には、ジェスティのときが2473.50、ジャウラのときが2449.29でした。いずれも善戦しましたが、SPクポルには及ばないという結果になりました。

 でも、状況によっては最高レア度のクポルより最低レア度のクポルの方が強いという可能性が出てくるなんて、個人的にはなかなか楽しい計算でした🌸

 もちろん、差は3~5%程度ですので、やはり状況によってそれらの差がひっくり返るということはありうるでしょう。
 あまり細かい差は気にせずに、「推しクポル」を連れて歩くというのでも良いと思います✨

 本節で用いた計算式については、本記事冒頭に添付したPDFファイル(Buff.pdf)を参照してください。


4-4.回復を捨てる①クルセイド

 ここまではずっと「5番」の枠(スロット)にヒーリングファクターを入れてきました。

 基本的にこの枠はいわゆる「バフスキル」がセット候補として設けられている枠です。

 その中でヒーリングファクターは、HP持続回復・移動速度アップ・ノックバック(吹き飛ばし)無効と、有用な効果がそろっているだけでなく、クラス特性「疾病の研究」と併用すれば、切開・ペストスチーム・インシネレーションのダメージをアップしてくれる効果をも持つ、なかなか贅沢なバフスキルです。

 しかしこの5番枠には他に、「クルセイド」、「ディバインプロテクト」、「ビークマスク」といったバフスキルもあって、それらも火力支援効果を持ちます。

 ヒーリングファクターはヒールと並ぶ2大回復スキルであり、そして回復スキルはクレリックの代名詞のようなものですが、あえてこれを捨て、その代わりに火力を上げたり、別方面での支援を強化したり、というのも手です。

 そこでここからの3つの節では、上に挙げた3つのバフスキルをヒーリングファクターの代わりに入れた場合について、計算を行ってみました。

 なお、その他に「おみくじ」というバフスキルもあり、多分パーティープレイで最も高い火力支援効果を持つのはこのスキルですが、これについては別記事(「クレリックのスキル選びについて―②(3)回復支援セット)で紹介します。

 さて、まずはヒーリングファクターを「クルセイド」に代えた場合です。このスキルの効果はPT人数によって変化するので、ひとまず3~4人PTとしました。対象はとりあえず単体ボスとしました。

3~4人PTの対ボス単体戦で、ヒーリングファクターをクルセイドに代えた場合

総DPSは2459.89となりました。ヒーリングファクターのときは4-1節2601.54でした。したがって、ヒーリングファクターのときより約6%減少しました。

 でも、「意外にがんばったな」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。クルセイドは対悪魔型/変異型の戦闘で真価を発揮するスキルであり、それ以外の相手では、あまり強そうな印象がありません。3~4人PTでの対単体戦の場合、60秒中30秒間、実クリティカル発生率を約40%上昇させ(多分)、60秒中20秒間、通常攻撃を実質1.7倍にするだけです。そしてこのゲームではクリティカル攻撃はそんなに強くないような気がします。少なくともここの計算では、以前行なった観測に従い、クリティカルが発生したときのダメージの増加は大体1.2倍としました。でも、それらの効果だけで、ヒーリングファクターとの差が約6%というところまで盛り返したのでした。

 しかし、上述したようにクルセイドが本領を発揮するのは対悪魔型/変異型戦です。そちらについては次の記事「クレリックのスキル選びについて―②」で取り上げます🌟

 本節で用いた計算式については、本記事冒頭に添付したPDFファイル(「Buff.pdf」)を参照してください。


4-4補.さらにSPクポルを代えてみる

 ところで、4-3節では、少なくとも本記事でベースとしているようなスキルセットの場合、攻撃スキルや攻撃支援スキルを持っている高レアクポルよりも、SP支援スキルを持った低レアクポルのほうが、高い火力貢献をするという計算結果が出たのでした。

 そうなった要因は、SPクポルを外したことによってSP自然回復量が減少したため、スキルセット全体でのSP消費量を抑えなければならなかったことでした。

 しかしここでは、ヒーリングファクターを外して他のものに変える、という試行錯誤を行っています。実はヒーリングファクターって支援スキルの中では格段に燃費の悪い部類に入っています。ダントツは「ヒール」の「10秒ごとに138消費」ですが、ヒーリングファクターの「20秒ごとに140消費」というのも、それに次ぐ燃費の悪さです。

 その一方でクルセイドは、60秒ごとに88消費なので、それに比べたら格段にSPに優しいスキルです。
 すると、もしかしてヒーリングファクターを他のバフスキルに変えたら、SPクポル無しでも「高消費・高火力」のスキルを維持しやすくなり、したがって攻撃支援型クポルが逆転するかも?という気がしてきます。

 でも、どうやら少なくとも本記事で調べた範囲では、それは無いようでした。「本記事で調べた範囲」というのは、本記事で最初に示したスキル構成例(3-1節のもの)をベースにして、そこから色々とスキルを入れ替えてみたりエンブレムを代えてみたりした範囲では、ということです。結果の表示は割愛しますが、例えばここの、「ヒーリングファクターをクルセイドに代えてみた」という状況でも約3%ほどSPクポル時より弱いという結果になりました。

 とはいえ、SPクポル時との差はせいぜい5%前後の範囲です。そして理論計算の結果です。実際のゲーム内では、何かの要因でひっくり返ったりするかもしれませんね🌟

(ついでに、以下の要素もあります。ただ、ちょっと細かい話なので、興味ない方はスキップしてください。
 その要素というのは、年明けくらいから「特定の種族に対しダメージが〇%アップする」というバフ効果をもったクポルが次々と登場しているというものです。そうすると、おそらくそれらが発揮される特定の状況では、それらのクポルを連れたほうが強くなりやすいのではないかと思います。以前私が書いた記事【Tree of Savior M】火力型装備カードの選択についての計算|EK (note.com) でも、一番高い火力支援効果を持つのは「特定の状況でのみダメージが〇%アップする」というカードのようでした(「カード」というのはこのゲームにおける装備カテゴリのひとつです)。汎用性がなく、したがって状況ごとに付け替えるのが面倒、という欠点をもつカードたちですが、そのぶん、その力が発揮される特定の状況では他のカードたちよりも高い効果が出るように設計されているようでした。それと同じことがクポルについても成り立っていそうな気がします。
 ただ、カードの場合、1枚単位での差は数%程度でした(6枚重なると結構なものですが)。クポルの場合も、差が出るとしてもそれくらいではないかという気がします。
 このゲーム全般について、これまで色々な計算をしてきましたが、どうもこのゲームの開発チームは、何かひとつの選択肢が他の選択肢に対してダントツの超えられない壁を作る、というようなことをあまりしたがらない傾向があるような気がします。私個人としては嬉しい指針ですが♪
 まあ、結局何が言いたいかというと、そんなに大きな差が出ることはないのではないか、ということです。なので4-3節でも書いた通り、あまり細かいことは気にせずにお気に入りの「推しクポル」を連れて歩く!、というのでも良いのではないかと思います🌷)


4-5.回復を捨てる②ディバインプロテクト

 次に、ヒールファクターの代わりにディバインプロテクトを入れた場合を見てみます。

 ディバインプロテクトは主として防御系のバフをパーティーメンバーに付与してくれるスキルで、攻撃の激しいボス戦などで自分やパーティーメンバーの生存率を格段に上げてくれるというところに本領を有するスキルだと思います。
 でもオマケの効果で、その主効果の持続時間中、術者(そのスキルをかけたクレリック本人)が行ったスキル攻撃に対し追撃を発生させてくれるのです。1スキルにつき1回、通常攻撃の335%にあたるスキルダメージです。残念ながら連撃系スキルの各連撃ごとに発生するということは無いみたいですが、それでもなかなかの効果です。ただし、そのたびにSPも追加で38消費します。いずれにせよ、このオマケ効果がどれだけの火力貢献をするのか、計算してみました。

 結果は次のようになりました。

対ボス単体戦で、ヒーリングファクターをディバインプロテクトに代えた場合

強いです🌟 でもSP回復がとうてい間に合いません💧
ヒーリングファクターのときの総DPSは4-1節に示したように2601.54でしたから、8.5%の上昇です。・・・が、毎秒72.56(!)という消費SPをまかなうのは、現仕様ではちょっと無理そうです( ̄▽ ̄;)

 そこで、消費SPの緩和を図りました。具体的には、「戦闘準備」2個を外し、ブレーキングホイールとペストスチームの追撃特性を外しました。それでようやく消費SPを供給SP以下に抑えることができました。結果は以下です。

対ボス単体戦で、ヒーリングファクターをディバインプロテクトに代え、
各スキルの消費SPを抑えた場合

 当然ながら総DPSは下がり、2510.11になりました。結局ファクターのときより3.5%ほど下がることになりました

 でも、たった3.5%です。なかなかの善戦です。例によってちょっとした要因でひっくり返るということはあるかもしれません。

 そしてディバインプロテクトの本領は、本節冒頭でも述べたように、数々の強力な防御バフです。状況によっては、ヒーリングファクターよりディバインプロテクトのほうが支援効果は高いでしょう。例えばパーティー内に他にクレリックがいてそちらが主に回復を担当してくれているときとか、ボスの理不尽な即死攻撃とかボスの理不尽な気絶連発とかボスの理不尽な(泣)・・・・まあ色々です。そしてここの計算によれば、そのときの火力もヒーリングファクターとそれほど変わらないのです!

 なので、状況によってはディバインプロテクトは十分、ヒーリングファクターに代わる選択肢となり得ます🌸


4-6.回復を捨てる③ビークマスク

 次は「ビークマスク」です。「ビークマスク」というお茶目(?)な仮面をかぶり、毒属性攻撃に耐性を得るとともに、ペストスチームとインシネレーションのダメージを1.25倍してくれます。また人間型/野獣型の相手にはそれがさらに1.25倍になります。効果時間は20秒、クールタイムは40秒です。

 初期クラス「プレイグドクター」を使用するときにはまず間違いなく常用することになるスキルなので、クレリック達がこのマスクをかぶった独特な姿になるという光景は、2024年1月のマスタークラス実装前はしょっちゅう見かけるものでした。このゲームの前身作「Tree of Savior」でも結構有用なスキルという位置づけでしたし、ある意味でこのシリーズを象徴する光景のひとつだったかもしれません。

 まあ、余談はさておき、これをヒーリングファクターの代わりにセットした場合の総DPS等も計算してみました。・・・のですが、あらためて考えてみると、特殊な場合を除き、これがヒーリングファクターよりも弱いことは明らかだったかも?、と、まさしくこの節を書きながら思い始めました💧

 単純に、ヒーリングファクターはほぼ常時、切開とペストスチームとインシネレーションのダメージ期待値を1.45倍にしてくれます。ビークマスクはペストスチームとインシネレーションだけを1.25倍するものである上に、クールタイム40秒に対し効果時間20秒です。なので統計的には、

$$
\frac{20}{40}1.25+\frac{20}{40}=1.125
$$

つまり1.125倍です。

 ビークマスクが真価を発揮しうるのは、現仕様では対人戦コンテンツ「アリーナ」かな?と思います。相手はすべて人間型(のはず笑)ですので、ペストスチームとインシネレーションのダメージが1.25×1.25=1.56倍になります。それでも、戦闘開始時から20秒たつとその効果が消えてヒーリングファクターに負けることになりますが、現状の「アリーナ」は大抵の場合が短期決戦です。なので、20秒たつ頃にはもう趨勢は決していると思います。その重要な初動期間で多少ヒーリングファクターより優位に立つ、ということは言えるかもしれません。ヒーリングファクターの売りのひとつであるHP持続回復も、アリーナでは特殊仕様によってどうやら半分以下?に減らされているみたいですし。
 ただ、その一方で、短期決戦だからこそペストスチームやインシネレーションのような持続ダメージ主体型スキルではなく、他の、瞬間火力型スキルのほうがいい、ということになるかもしれません。そうなると結局ビークマスクの出番は現仕様ではあまり無い、ということになるかもしれません

 もちろん、ビークマスクへの愛があれば別です🌷 ビークマスク愛好者の皆様、是非がんばって色々試してみてください。


5.対「格下」集団ではどうなるか

 最後に、相手がいわゆる「格下」モンスターの集団である場合はどうなのか、を少し見てみたいと思います。

 最近のMMORPGでよく見かけるように、このゲームのモンスターたちにも「レベル」が設定されています。そして、プレイヤーキャラクターのレベルよりもずっと低い「レベル」の相手だと、ほとんど「鎧袖一触」で、ほんの2、3秒の手合わせでばたばたと倒れていく感じになっています。そういうのがいわゆる「格下」の相手と呼ばれるものです。
(「雑魚」という言い方のほうが一般的かもしれませんが、ちょっと可哀想な気がするので、それよりはちょっと柔らかい「格下」という表現を用いました。まあ、それもどうか、と言われるかもしれませんが( ̄▽ ̄;))

 本記事で見てきたスキル構成例では、ペストスチームやインシネレーションが主力になっています。本記事の各表でこれらのスキルは「DOT」の欄で高い数字を出しており、それによって高いDPS貢献を出しています。
しかし、その数字は、このスキルによる「持続ダメージ」(DOTダメージ)を約15秒にわたって相手が受けきった場合のものです

 極端な話、相手が最初の一撃で倒れてしまうならば、そのあとの「DOT」ダメージは一切出番がありません。なので、そういう相手の場合にはペストスチームやインシネレーションは本来の力をフルに発揮することは出来ず、他のスキルに劣る、ということが考えられます。

 このゲームでは、それほど重要ではないとはいえ、そういう「格下」集団相手のコンテンツを出来るだけ速い周期で多数回消化したい、と思う場面があります。なので、そういう状況で有用なスキル構成は何だろうか、という問題に対して、それなりの関心を持つプレイヤーの方も多いのではないかと思います。

 そこで、実際に各スキルの「DOT」部分をバッサリ切って、それを「格下」集団相手の戦闘時のデータとしてみた、というのが、ここからの5つの節の内容になります

 他には、いわゆる「オーバーキル」の問題もありますが、とりあえずクレリックの場合ペストスチームとインシネレーションの印象が強く、そしてそれはDOT部分を切ることによってだいぶ骨抜きにされる(笑)ので、それを見てみましょう🌷


(余談ながら、「オーバーキル」というのは、例えばHP1,000の相手をダメージ10,000のスキルで倒すというようなことです。それは実質的には、ダメージ1,000のスキルで攻撃するというのと変わりません。しかも、前者のスキルがCD10秒で、後者のスキルがCD5秒だったとすると、むしろ後者の方が2倍速いペースで敵を倒し続けることになります。前者のDPSは10000/10=1000、後者のDPSは1000/5=200で、DPSで見れば前者の方が高いのですが、実質的な効果は後者の方が高くなります。つまり、DPSだけでは対格下集団戦での効用を判断することは出来ない場合がある、ということです。でもこのゲームのクレリックの場合、そのような、「高威力だがCDの長いスキル」と「低威力だがCDの短いスキル」との間の選択をせまられるとかいった場面は無いような気がします。)


5-1.ペスト&インシネセット

 では早速、「同格」集団相手では一番強かったと思われる3-4節のスキルセットから、「DOT」部分をばっさり切り落としてみましょう🌷

本記事における基本セットで、相手を「格下集団」とし、
各スキルの「DOT」の部分をバッサリ切ってみた場合

当然ながら、総DPSはガクッと下がりました。1778.64です。DOTをバッサリ斬り落とす前の数字は2466.45でしたから、約28%のダウンです。
 でも、逆に言えば、それでもバッサリ前の約7割の火力は出ている、ということになりますね。意外とそんなに下がらない、と言えるかもしれません✨

 なお、格下集団戦のためにわざわざ苦労して最高のエンブレムを揃える、ということをする人はまずいないでしょうから、エンブレム効果の位置は同格相手のときと同じままとしました(肌色および濃い肌色のマス)。

 でも、このあとの比較の都合上、わざわざこの格下集団向けに理想のエンブレム4つを揃えたという場合の計算もしてみます。すると以下のようになります。

DOTバッサリの状況で、最適のエンブレム構成にしてみた場合

総DPSは1891.91、エンブレム最適化前の1.06倍すなわち6%アップになりました。そう劇的に上がるわけではないですね。まあ、ご参考までに🌸


5-2.ブレストリッパーを入れてみる

 では、少し試行錯誤してみましょう。これまで威勢を振るっていたペストスチームとインシネレーションは文字通り「毒気を抜かれた」状態(笑)になっていますので、これを他のスキルに代えてみます。

 まずはブレストリッパーです。上の構成をベースに色々やってみたところ、以下のものが最も総DPSの高いものになりました。

DOTバッサリの状況で、ペストをリッパーに代えた場合

ちょっと意外でしたが、ペストのほうが強い、という結果になりました。そちら(前節参照)のDPS総計は1891.91でしたから、約13.5%(!)低いです。

 最大の要因は、ボス戦ではないのでブレストリッパーの「ボス相手にはダメージ2倍」という強みが活かせなかったため、であると思われます。他には、やはり前回(4-2節)と同様、他のスキルたちがリッパー先輩のために色々と犠牲になっていますね。

 ところで、「どうせ格下集団なんだしヒーリングファクターをクルセイドに代えてみればいいじゃないか」ということも言えますね。実際にやってみました。

DOTバッサリの状況で、ペストをリッパーに、ヒーリングファクターをクルセイドに代えた場合

総DPSは1783.17に上がりました🌟
でもペスト&ファクター時より約6%低いという結果になりました。今はDOTがバッサリ切られているのでペストとファクターの間の「シナジー」は無いのにもかかわらず、です。

 しかも相手はまだもう1回変身を残しています・・・!
(ファクター → クルセイド)

 総じて、本記事ではブレストリッパーは全般的に伸び悩むことになりました。
 でも、これらはあくまでも理論上の計算です。現実のゲーム内(というのもちょっと変な言い方かもしれませんが( ̄▽ ̄;))では様々な要因が絡み合い、その結果、鮮やかにひっくり返ったりするかもしれません。あるいは、ひょっとしたら何かゲーム内で説明されていない「隠し仕様」なんかがあったりして、実際のゲーム内のリッパーはもっと輝いていたりするのかもしれません。
 そうでないとしても、ペスト&インシネ構成との差は10%ぐらいのものですから、あまり気にしなくてもいいんじゃないかな?とも思います。
 まあ、要するに何が言いたいかと言うと・・・リッパー愛好家・拷問愛好家(!)の皆さん、応援してます!


 本節での計算に用いた数式は4-2節と同じです。そこの末尾を参照してください。


5-3.サンクチュアリを入れてみる

 次はサンクチュアリです。これもブレストリッパーと同様、いわゆる「チャネリングスキル」であり、SPが潤沢にありさえすれば中々の高威力を発揮してくれる(はず)のスキルです。詳しい説明は以前の記事「クレリックのスキル選びについて―①」や「攻撃速度について」等を参照してください。

 では早速計算結果です。

DOTバッサリの状況で、ペストをサンクチュアリに代えた場合

ブレストリッパーより善戦しましたが、ここでも結局ペストの方が強いという結果になりました。そちら(5-1節)のDPS総計は1891.91でしたから、約9.3%低いです。

 ここも前節と同様、SP消費がSP自然回復を超えないようにという制限下で色々やってみた結果です。でもこれが最善でした。

 実は私はサンクチュアリが結構好きなので、もうちょっと頑張ってほしかったのですが、まあ仕方ないですね( ̄▽ ̄;)

 ヒーリングファクターをクルセイドに代えた場合も見てみましょう

DOTバッサリの状況で、ペストをサンクチュアリに、
ヒーリングファクターをクルセイドに代えた場合

総DPSが1812.25に上がりました✨
でもやはりペスト&ファクターのときより下がることになりました。約4.2%低いです。

 しかも、前節でも述べたように、相手はまだもう1回変身を残しているのです・・・!

 本記事ではサンクチュアリはここで初登場でしたが、傾向はブレストリッパーと同じです。いわゆる「チャネリングスキル」であって行動占有時間が長いため、他のスキルたちや通常攻撃の秒間回数を下げてしまいます。そして消費SPが重いです。その代わり、SPが潤沢でありさえすれば最高水準の火力を出せる、というポテンシャルを持っているのですが、なかなかそううまくはいかない、という位置づけになっています。

 しかしクルセイド同様、サンクチュアリが本領を発揮するのは対悪魔型/変異型の戦闘です。そこで一躍トップに躍り出る・・・はずだったのですが。詳細は次回の記事で✨

 計算に用いた式はブレストリッパーと同じです。本記事冒頭に添付したPDFファイル(ASPD.pdf)を参照してください。一打あたりの行動占有時間がブレストリッパーとは違いますが、それについてもそこのPDFに述べてあります。


5-4.クルセイドを入れてみる

 結局、ペスト&インシネセットのほうが、自慢のDOT部分が全く活かせないという涙目な状況であってさえも、ブレストリッパーやサンクチュアリよりも強いっぽい、という、個人的にはちょっと意外な結果になりました。

 ところで、リッパーやサンクのときにもやったように、「相手が格下集団ならヒーリングファクターじゃなくてもいいんじゃないか」ということが考えられます。ペスト&インシネにとって、ヒーリングファクターは単にHPを回復してくれるだけでなく、自分たちのDOTダメージをもパワーアップさせてくれる存在なのですが、今はDOTが無意味になる格下集団戦を想定しています。なので、ヒーリングファクターに縋りつく理由はありません(!)。

 なので、ヒーリングファクターをクルセイドやディバインプロテクトに代えた場合というのを計算してみました。他の有力な選択肢としては「おみくじ」がありますが、それは別記事「クレリックのスキル選びについて―②(3)回復支援セット」に回します。

 さて、まずはヒーリングファクターをクルセイドに代えてみた場合です。

DOTバッサリの状況で、
5-1節のセットから、ヒーリングファクターをクルセイドに代えてみた場合

総DPSが2041.22に上がりました✨
ヒーリングファクターのときは1891.91でしたから、約8%のアップです♪

 

5-5.ディバインプロテクトを入れてみる

 次はディバインプロテクトです。

DOTバッサリの状況で、
5-1節のセットから、ヒーリングファクターをディバインプロテクトに代えてみた場合

総DPSは2085.68になりました🌟
SP消費は重いですが、クルセイドの時よりもさらにちょっとだけ上がって、ファクターのときより10%上がることになりました。

 なお、SP消費を抑えるために、クラス特性の「戦闘準備」2種を外しています。それでも総合的には10%アップとなったのでした。


6.まとめ

 というわけで、以上、「相手の種族を問わない一般的な状況におけるスキル構成例」について、色々試してみました。具体的には、3-1節に掲げた最初のスキル構成例から、少しずつ色々変えていって、各構成例での火力(総DPS)や消費SPなどを比較してきました。浮かび上がってきた論点を整理すると次のようになります。

  1. 今回調べた範囲では、3-4節および4-1節の構成(ペストスチームとインシネレーション主体で、あとは適当にDPSの高いスキルを寄せ集めた構成)が一番強かったようでした

  2. 「スマイト」を入れて「スマコンエンブレム」を活用してみる、という構成は、上で述べた構成よりも少し弱くなるようでした。(3-3節~3-5節)

  3. 「切開」は、対象が1体だけなので集団戦では使いにくいですが、ボス戦のように強い1体を相手とした場合、スキル単体としては高い威力を誇ります。しかし総合的なDPSにおいては、「デモリッション」や「御幣」を入れた場合とあまり変わらないようでした。なので単純な威力ではなく、スキルの利便性等の面から採用するのが良いようです。(4-1節)

  4. 「ブレストリッパー」はスキル単体としては威力が高く、特にボス戦(悪魔型/変異型以外)ではおそらくクレリック界で最高のDPSを出します。しかしこれを組み入れた構成ではそれ以外のスキルや通常攻撃が犠牲になり、結局、総合的には「ペスト&インシネ」より弱くなるようでした。(4-2、5-2節)(※4.4修正。弱点属性をついた場合はほぼ同じ)

  5. 「サンクチュアリ」も、ボス戦ではブレストリッパーに劣るものの、一般モンスター戦ではリッパーに並ぶ威力を持ちます。しかしやはりリッパーと同じ理由で、総合的には「ペスト&インシネ」より弱くなるようでした。(5-3節)

  6. 一番強かったぽい3-4節や4-1節のスキル構成は、実はSP消費が重く、クポルのうちの1体を「SPクポル」にしないとSPの維持が難しいです。すると、もっと消費を抑えて、その代わり何か強力な攻撃支援スキルを持ったURクポル等を入れる、ということが考えられます。しかし結局、「SPクポル」にして3-4節や4-1節の構成にする方が、URクポルにして他の構成にするよりも強いようでした。(4-3節)

  7. 回復スキルである「ヒーリングファクター」を外し、代わりに「クルセイド」や「ディバインプロテクト」に代えるという手もありますが、結局、一般的な状況でのバフスキル枠としてはヒーリングファクターが火力面でも一番強いようでした。(4-4節~4-6節)

  8. ちょっと意外でしたが、「ペスト&インシネ」からDOT部分を完全に取り除いてみても、なお「ペスト&インシネ」が一番強いらしい、という結果になりました。ただ、そのときのバフ枠はクルセイドかディバインプロテクトが一番強いらしい、という結果になりました。(5-4、5-5節)

 ただし、各スキル構成例間の総合DPSの差は数%程度です(ブレストリッパー構成およびサンクチュアリ構成を除く)。ゲーム内のちょっとした要因でひっくり返るということはあり得ると思います。

 ブレストリッパー構成やサンクチュアリ構成の場合は10%ほど低下しますが、それでも、何らかの要因で一気に差が縮まったり、逆転したり、という可能性はあると思います。

 また、あくまでも理論上の数値です。理論化の過程でとりこぼした何らかの要因が、ひょっとしたら思わぬ大きな力をふるって、やはり各スキル構成間の関係がひっくり返る、ということはあるかもしれません。

(個人的に最も心配なのは、「命中攻撃」と「貫通攻撃」の間にあったような、「隠し要素」の存在です(【Tree of Savior M】命中・貫通・クリティカルの計算|EK (note.com) の冒頭など参照)。でもまあ、疑いだしたらきりがありませんね♪ )

 それでも、まずはひとつの目安として、参考になるのではないかと個人的には思います。本記事が皆さんのスキル選びの参考になれば幸いです。


7.補遺:優位属性で攻撃したとき

 4/4追記です。このゲームではモンスターに「属性」が設定されており、「その属性に対して優位な属性で攻撃するとダメージが1.5倍になる」という仕様があります。色んなRPGで採用されているシステムであり、風水用語を借用して「属性相克」なんて呼ばれる場合もありますね。
 ところがこのゲームの場合、それが、持続ダメージには適用されない、という重要な性質があることが分かりました( ̄▽ ̄;)!
 2月下旬にこの記事を書いたときにはそんな差別があるとは思わず、その仕様については考慮していませんでした。

 このゲームでは武器に好きな属性をつけることが比較的容易に出来るため、エンドコンテンツ等ではほとんどのプレイヤーが適切な属性をつけていきます。
 相手に対して優位な属性をつけた武器で攻撃すると、通常攻撃および全てのスキルダメージが1.5倍になります。スキルによっては元々何かの属性を持っているものもありますが、それに関係なく1.5倍になります。

 すると、ペストスチーム、インシネレーション、切開のように、与ダメージの大半を持続ダメージ(DOT)が占めているようなスキルは不利になります

 しかし、それを踏まえた再計算を行ってみたところ、本記事のほとんどの部分について大きな影響はないことが分かりました。

 ただ一点、ブレストリッパー構成とペストスチーム構成の比較(5-2節)について、優位属性武器で攻撃する場合は両者の火力差(総DPS差)は結構縮まりました
 そうでない場合は5-2節に示したように「リッパーはペストより約10%弱い」という結果でした。しかし優位属性武器で攻撃する場合は、差を3%まで縮めてきたのでした。
 でも、逆転には至っていません。私は「逆転するかな?」と思っていました。面白いですね。理由は、本記事5-2節で見た「格下集団」相手の場合と同じようです。つまり、実はペストスチームとインシネレーションってDOT部分を抜きにしても結構強いからです。

 以下、主要な4つの結果について表を示します。ついでに、この記事を最初に書いたときは2番スロットに「切開」を入れられるということを忘れていたので、それに関する再計算ともなっています。

 「属性」と「優位属性」について説明すると次のようになります。多くのプレイヤーの方はすでにご存知だと思うのでスキップしてください。
 まずモンスターには「火」「土」「雷」「水」「神聖」「闇」の6つのいずれかの「属性」がついています。
 そして最初の4つについては、火は土に強く、土は雷に強く、雷は水に強く、水は火に強い、という関係があります。ゲーム内ではモンスターのHPバーの種族アイコンをクリックすると見ることができます。強いほうの属性で、弱いほうの属性を持つ相手を攻撃すると、ダメージが1.5倍になります。例えば火属性の攻撃で土属性のモンスターを攻撃するとダメージが1.5倍になります。ボスも例外ではありません。ただ、それ以外の特殊仕様はありません。たとえば弱いほうの属性で強いほうの属性をもつ相手を攻撃した時にダメージが下がるということはありません。
 次に「神聖」と「闇」については、お互いがお互いに強ダメージを与えあう関係になっています。例えば神聖属性の攻撃で闇属性の相手を攻撃するとダメージが1.5倍になり、逆もまた然りです。

 さて、以下は全て、優位属性武器で攻撃した場合の数値です。対象はボスモンスター(悪魔型/変異型以外)とします。悪魔型/変異型の相手については別記事「クレリックのスキル選びについて―②(2)」のほうで扱います。

 まずは2番スロットに「破魔矢」を入れたときです。

優位属性武器で一般ボスを攻撃した時の、あるスキル構成例における諸数値

表の見方は本記事の本編と同じです。ただ、ここでは属性相克の結果、スキルダメージ(SDMG)が本編のときより1.5倍にはねあがっています。その一方で持続ダメージ(DOT)のほうは変わりません。他にも、表を再整理する上で微調整した数値がありますが、計算の大枠に変更はありません。最終的には、「スキルダメージを1.5倍にしただけ」と同じです。

 次に、「破魔矢」を「切開」に変えた場合です

優位属性武器でボスを攻撃する状況で、破魔矢を切開に変えた場合

破魔矢の時より約3.6%、総DPSが上がりました。破魔矢と切開の総ダメージ量はほぼ同じですが、切開の方がCDが短いため、そうなったようです。あと、破魔矢は動作時間が長いのでそのぶん通常攻撃をはさむ余地が減る、というのも微妙に効いています。
 でも一般モンスターの集団を相手にする場合は、範囲攻撃である破魔矢のほうが単体攻撃である切開より有利だと思います。

 次に、「ブレストリッパー - 不吉な道具」を入れた構成例です

優位属性武器でボスを攻撃する状況で、ブレストリッパーを入れた場合

ペストスチームの時より約3.1%、総DPSが下がりました

個人的にはちょっと意外でした。逆転すると思っていました。面白いですね。理由は本編で述べた時と同じだと思います。リッパーは単体で見れば強いのですが、他のスキル達のスキル回しが少し妨げられて、最終的な総DPSは伸び悩むようです。

 最後に、ヒーリングファクターをディバインプロテクトに変え、後者の追撃特性をONにした場合です

優位属性武器でボスを攻撃する状況で、
ヒーリングファクターをディバインプロテクトに代えた場合

総DPSはヒーリングファクターの時より約3%下がりました

 記事本編とほぼ同じ結果です。本編では「3.5%低い」という結果だったので、それよりも少し挽回しましたが、まあ、ほとんど変わらないですね。これも個人的には、「もしかして逆転するかな?」と思っていたものでした。面白いですね。

 というわけで、「優位属性で攻撃するとダメージ1.5倍」という仕様が持続ダメージには適用されないということを考慮した上でもなお、ペスト&インシネ主軸構成のほうが強そう、という結果になりました。
 理由は第一に、ペスト&インシネは元々スキルダメージ部分も結構強いということ、そして第二に、そのDOT部分がスキルセット全体の総DPSに占める割合は実はそれほど多くないということ、だと思います。

 でも、やはりその状況ではリッパーが結構差を縮めてきて、差はわずか3%となりました。上の結果はあくまでも理論上の計算結果ですから、実際のゲーム内では何かちょっとした要因でひっくり返るかもですね🌟




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