見出し画像

NICUとGCUの体験記

うちの子は在胎週数28週で生まれ、体重は約1,000gでした。5歳になった今では健康に育っていますが、生まれた当時は本当に心配で、多くの方に助けていただいた。子供がNICUとGCUで過ごしたというのは、今思えば貴重な体験だった。

NICUとGCU

NICU(新生児集中治療室)は簡単に言えば赤ちゃん向けの集中治療室で、24時間体制で医療スタッフが赤ちゃんの状態を監視しながら治療を施す設備。赤ちゃんは温度・湿度管理された保育器の中で守られて、心拍数、血圧、酸素飽和度などをモニタリングされている。高度な治療が必要な状態で生まれてきた赤ちゃんを生存させて、後遺症が発生する可能性を低くするための治療が施される。

GCU(新生児回復期治療室)はNICUで治療を受けて状態が安定してきた赤ちゃんが治療を受ける治療室。保育器ではなくて赤ちゃん用のベッドになるが、やはり心拍数などの状態は常時モニタリングされ、医療スタッフも24時間体制だ。ここでは退院に向けた準備や親御さんへの指導もある。

子供がNICUに入るとどういう生活になるか

まず心配。メチャクチャ心配である。子供が生まれてすぐ、NICUに搬送される。小児科医による診察の後、親への説明がある。ウチの場合は妻も疲労困憊で入院していたのでワイだけで小児科の先生の話を聞くことに。現在の子供の状態、今後の治療の内容、後遺症が発生する可能性などの説明を受ける。不安になるのも当然ではあるが、キチンと話を聞いて、病院に子供を託すことにする。でも安心してOK。医師も看護師もプロ。24時間体制で子供の容体に変化がないか見守ってくれている。ワイの子供が入院したNICUの病床数は10床程度だった。

お見舞いはNICUの外のインターホンで親が来たことを告げれば24時間いつでも可能だった。部屋の外で荷物をロッカーに入れ、手指を洗い、消毒して、マスクと帽子を被って中に入れてもらう。子供の食事は基本的にミルクだけど、家から母乳を持参して与えることも可能だった。ミルクや母乳はシリンダーにチューブを繋いで少しずつ与えるというやりかた。容体が安定してくれば抱っこさせてもらうこともできた。日記帳に看護師の方が日々の子供の様子を載せてくれていて、安心して任せられた。定期的に小児科医の先生から経過の話を聞く。中に入れる条件は風しん・麻しんの予防接種済みとか、両親のみとか、そういうのはあったと思う。祖父母などはNICUの外に設置されたモニターで孫の様子を確認することが出来た。

ウチの子もそうだけど、部屋の中にいる赤ちゃんたち、みんな懸命に生きようとしていて、それを助けようとしている医師と看護師がいて、ありがたいことだと感じた。

子供は病院がしっかり見守ってくれるので、この時期、パパはママのこともしっかりケアした方が良い。早産になったことは母親の責任ではないのだが、自責の念に駆られることはあると思う。不安になることもあると思うけど、二人で支えあうことが大切。

GCUに移った後の生活

NICUで2か月ほど過ごした後、GCUへ移動した。保育器から出て、ミルクは哺乳瓶で与えるやり方に変わる。ミルクをあげて、背中をトントンしてゲップをさせる練習をする。抱っこしている間に眠ってくれると凄く可愛い。お見舞いのためにGCUに入る条件はNICUと同じだったと思う。オムツ交換とお尻を拭くことや沐浴など、赤ちゃんのお世話に関することを一通り教えてもらう。普通の赤ちゃんよりも体が小さいので気を付けて行わなければならない。

GCUでの生活は1か月弱でした。先生からNICU、GCUでの子供の経過の話を聞き、今後の自宅での生活の指導、今後の定期検診の話を聞き、いよいよ退院。

NICUとGCUの費用は?

24時間医療スタッフが付きっ切りなので、NICUとGCUにかかるコストは非常に高い。どんな高額請求になるのか…と思うかもしれないけど、ここは日本。公的な医療保険制度がしっかりしている。一か月あたりの費用は以下の通りでした。

総医療費(保険適用):4,258,790円
食事(保険):44,952円
保険外負担:9,720円
患者負担額合計:9,720円

高額療養費制度と養育医療給付制度で患者負担額は1万円以下。ありがたすぎる…これまで税金と保険料を払ってきて良かったと感じる。これからも気持ちよく払っていきたい。


子供がNICUとGCUに入っていた時は気持ちの余裕がなかったので大変だったのですが、医療スタッフの方のサポートによって妻も子供も助けていただき感謝しかない。お子さんがNICUに入ることになって不安な方もいるとは思うのだけど、病院を信頼して乗り切ってほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?