人生の課題図書
今では読書家を自認している私だが、子どもの頃は本を読むことが大嫌いだった。
家で静かに遊ぶより、野山を駆け回っているほうが性に合っていた。
当然、夏休みの宿題に出される読書感想文は毎回手こずった。
薄ーい本を選んで、あらすじを書いて最後の2行ほどで感想を述べる。
やる気のなさ全開である。
そんなわけだから、〈課題図書〉は読んだことがない。
あれからン十年。
毎日何かしらの本を読む日々を送るようになった。
読みたい本がたくさんある。
名著と言われる本、新しく世に出た本、話題になっているあの本やこの本。
読んでも読んでも終わりがない。
けれど、人生を終えるまでにぜひ読んでおきたい作品を自身に定めている。
池波正太郎『鬼平犯科帳』
読書家の夫、ゲキ推し本である。
結婚した頃から読めと言われているが、なかなか手が出ずにいる。
なにしろ長いシリーズだから最初の一歩をためらってしまう。
本棚に収まる『鬼平』の文字と目が合うたび、「そのうち読むからね」とささやく。
いろいろあって岐路に立つ今、そろそろ〈人生の課題図書〉を読み始めてみようかと思う今日この頃である。
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最後まで読んでいただきありがとうございました。
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