藤田 正和

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藤田 正和

「武術」にまつわる話をメインに記事を書いています。 執筆のモチベーション維持のために、いわゆる「投げ銭」として、「クリエイター支援」や「記事購入」をして頂けると嬉しいです。

マガジン

  • 2024年(後半)

    2024年後半に執筆した記事をまとめたモノです。

  • BJJ覚書

    ブラジリアン柔術の各種テクニックについて、クラス用に作成したメニューを文章化した記事を集めています

  • 読書感想文・書評

    読んだ本に対する雑感を書き留めたモノです。

  • HIDDEN JIUJITSU

    ヘンリー・エイキンスの技術について紹介した記事をまとめたモノです。

  • Solo BJJ Training Drills

    ジョン・ダナハーの「Self Mastery: Solo BJJ Training Drills」について解説した記事を集めてみました。

最近の記事

オリジン

1 以前、私の(ブラジリアン柔術の)先生から「アメリカやブラジルでは毎年のように新しいテクニックが編み出されているのに、どうして日本からテクニックが生まれる事がないのでしょうか?」と聞かれた事があった。  その時私は、  「ブラジリアン柔術(BJJ)の新しいテクニックは、超人達の試合中の偶然の動きや一瞬のひらめきを切り取る事によって生まれるモノが大半ですから、仮に試合中に新しいテクニックが誕生する確率がブラジルと日本で同じだとしても、競技人口(とりわけ、超人の数)の差やBJ

    • 英検

      1 ウチの道場は、コロナ前後で大きくメンバーが入れ替わった。  規模だけを見れば、相変わらず小さな町道場に過ぎないが、この1年で外国籍の会員さんが目立って増えている。  出身国を見ても、北米やヨーロッパ、東アジアに東南アジアと、随分と国際色豊かになったと思う。  彼ら外国籍の会員さん達に共通しているのは、それが母国語であろうとなかろうと、皆英語を話すという事である。  日本に定住している時点で、彼らは既に親日家であり、日本語もある程度話せる人がほとんどなのだが、外国籍

      • スイスイ ー道場を経営する(六)ー

        夏の思い出   私は泳げない。  子供の頃は、夏が来て、体育の授業が水泳になる度に憂鬱だった。  見かねた親が、泳げない子を対象にしたスイミング教室に連れて行ってくれた事がある。  一月程通ったが、泳ぎの方は何一つ進歩しなかった。  今でもあの時の事はハッキリ覚えているが、インストラクターのお兄さん(大学生のアルバイトか何かだろう)は、既にある程度泳げる子達に付き切りで、ビート板だけを与えられた私はプールに放置されていた。  つまり、(私がブラジリアン柔術〔BJJ

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        • 大相撲から見える日本

          1 曾祖母が相撲を大好きだったので、私も小学生の頃は、学校から帰るとTVの前に座って、大相撲中継をよく見ていた。  曾祖母が亡くなり、私も長じるにつれて相撲中継を見る事は無くなってしまった。  中継時間帯にTVの前にいない、という時間的制約もさることながら、「八百長問題」に端を発する一連の相撲協会の改革によって、大相撲の魅力が(私には)失われてしまったという理由も大きい。  大相撲の結果は、TVでは「スポーツ」コーナーで報道されているし、学生相撲の存在を考えても、世間一

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        • 2024年(後半)
          17本
        • BJJ覚書
          18本
        • 読書感想文・書評
          9本
        • HIDDEN JIUJITSU
          13本
        • Solo BJJ Training Drills
          10本
          ¥500
        • 2024年(前半)
          63本

        記事

          10と20のルール

          1 私がnoteで記事を書くようになって、もうすぐ2年が経つ。  書き手にとって、記事の購入を含む有償のサポートをして下さる読者の方々が一番有難いのは疑いようもない事実なのだが、執筆のモチベーション維持という意味では、スキ!を押して下さる読者の方にも感謝している。  書いた記事にスキ!を付けてくださった方々のお名前を拝見していると、2年間ずっと応援し続けて下さる方から、ここ最近フォローしてくれた方まで様々だが、以前はよくスキ!を付けてくださったのに、最近は名前を見掛けない

          10と20のルール

          誰がためのオリンピック(二)

          1 阿部詩選手が、パリオリンピックの試合後に受けた凄まじいバッシングを見て、私が思ったことを引き続き述べてみたい。  前回、阿部選手に対するバッシング内容の当否に疑問を感じた、と書いた。  元ネタとして引用するつもりだったYahoo!ニュースの記事が削除されてしまっていたので、記憶違いがあるかもしれないが、阿部選手に対する非難の中心(のひとつ)は、試合敗北後に号泣して、試合場を去らなかった阿部選手の振る舞いが、「礼に始まり、礼に終わる武道精神にふさわしくない」という点にあ

          誰がためのオリンピック(二)

          誰がためのオリンピック(一)

          1 パリオリンピックが始まった直後に新型コロナウィルスに罹患し、隔離生活を余儀なくされたため、大半の競技を観戦する事が出来なかった。  楽しみにしていた「ブレイキン」もリアルタイムでは見られず、今回のオリンピックは、少なくとも私にとっては、ほとんど記憶に残らない大会になってしまった。  ただ、柔道女子52kg級の阿部詩選手が初戦で敗北、試合後に号泣して畳から離れられなかった件について、ネット上で凄まじいバッシングを受けていた事はよく覚えている。  私も人並みに他人の悪口

          誰がためのオリンピック(一)

          「バックエスケープ」について語りたい

          はじめに  「私の」予想に反して、CJI(クレイグ・ジョーンズ・インビテーショナル)は、イベントとしては大成功だった。  (特に-80kg級は)豪華なメンバーが揃ったが、5分3ラウンドという試合形式では、WNOのように「時間をかけて、相手を詰めてタップを取る」という事が難しくなるので、フィジカルでゴリ押しする(=出来る)選手が有利になり、大味な試合が増えるのでは?と危惧していた。  優勝したのが、ケイド・ルオトロとニック・ロドリゲスだった事を考えると、やはりフィジカルが

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          「バックエスケープ」について語りたい

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          ムシスカン

          1 私は、MMAをやっている特定の若い子達から「いかにも弱そう」に見えるらしい(事実、全く「強くない」のだが)。  先日も初めてグラップリングクラスにやって来た子が、フリースパーで私を潰しに来た。  出稽古先で環境に慣れず緊張して力んでいる人や、いつでもどこでも誰とでも100%ガチスパーをする人とは違って、そういう子達は「コイツなら勝てそうだ」と相手を舐めているのがよく分かる。  中には、私を「派手に極めて、周りにカッコいい所を見せてやろう」と考えている者すらいる。  

          オープンガードのゴール

          1 新型コロナウィルスの症状が出て、1週間隔離生活を余儀なくされた。  パンデミックが始まって以来、これまで「自覚症状がある」という意味では、コロナに罹患した経験がなかったので、油断もあったのだろう。  症状自体は、普通のインフルエンザと変わらない程度だったので、大したことはなかったのだが、折悪しく隔離中に部屋のクーラーが故障してしまった。  症状が出た当時、コロナは大流行していたから、私と同時期にコロナに罹ったという人は大勢いるだろう。  また、今年は例年になく暑い日が

          オープンガードのゴール

          人の真価

          1 パリオリンピック 柔道男子60キロ級の準々決勝で、永山竜樹選手が対戦相手のガルリゴス(GARRIGOS)に締め落とされて一本負けした試合が物議を醸している。  この動画における両者の攻防を私は次のように理解している(したがって、事実誤認はあるかもしれない。気付いた方は指摘して欲しい)。  ①ガルリゴスが永山選手を「袖車締(エゼキエル・チョーク)」に捉え、②永山選手が左手で(ガルリゴスの右手首を)掴んで、「袖車締」をディフェンスしていると、③審判が「待て」をかけた。  

          ギブ&テイク

          1 ブラジリアン柔術(BJJ)には、「セミナー」という独自の文化がある。  「セミナー」にも色々な形態があると思うが、ここでは次のようなイベントを想起して欲しい。  BJJのタイトルを獲った有名選手が地方の道場を訪れて、彼のテクニックを教え、参加者とスパーリングをする(所要時間は2時間ほど)。  参加者は、数千円から2万円の参加費を支払い、有名選手の方は、(集まった参加費から)道場のレンタル代と交通費その他の諸経費を差し引いた残りが彼の取り分となる。  自分の所属する道

          ギブ&テイク

          トランプの衝撃

          1 先の週末に、選挙遊説中のトランプ前大統領が銃撃された(以下、この件を「本事件」と称す)。  体調不良で執筆を中断していたので、記事としてのタイムリーさは失われてしまったが、今回はこの件に関連して思った事を書いてみたい。  本事件直後にバイデンが大統領選から撤退すると予想できた人はいなかっただろうし、未来予測は私の手に余る。  アメリカ大統領選の今後の動向とは全く関係なく、本事件に関して私が個人的に衝撃を受けたのは、次の二点である。  ひとつは、「私は(自分が思って

          トランプの衝撃

          試合に勝つ

          1 ブラジリアン柔術(BJJ)に限らず、対戦相手の存在する「試合に勝つ」事とは、イコール「自分がやりたい事の押し付け合いに勝つ」事だと私は思っている(以下の話は、「格闘スポーツ」の試合を念頭に書いている)。  自分のやりたい事を対戦相手に押し付けるためには、①フィジカル(身体能力)で相手を上回るか、②相手の知らない技術を駆使して情報格差で勝ち上がる、必要がある。  ①フィジカルで相手を圧倒するために用いられる最も極端な(しかし、稀ではない)手法がステロイドを始めとするPE

          選択問題

          「選択問題」とは?  読者の方から次のようなご質問を頂いた。  「白帯の頃からハーフガードに絞って練習していくというのは、良くないのでしょうか?白帯の頃は幅広いガードを練習するべきという意見もあり、練習方法に悩んでおります。 」  もし、質問が「ハーフガードに絞った練習で試合に勝てますか?」という内容であれば、試合弱者の私に答える資格はない。  だが、ここでは「ハーフガードに絞った練習の是非」を問われているので、私からの回答は「問題ない。自分がやりたい事をやるのが一番だ

          背筋を伸ばす?

          「亀バック」と「バックマウント」  最近、かつて一緒にグラップリングを練習していた(が、更なる高みを目指して他所のジムへ移籍した)子達だけでなく、ウチの道場で一緒に稽古している若者もMMAの試合に出るようになった。  私自身はMMAをやった経験がないし、「見る専」で知ったかぶりをするのが嫌いなので、これまで(プロの)MMAの試合は見ないようにしていた。  だが、知り合いが出るとなると話は別である。  彼らの試合がLIVE配信されるような時は、前後の試合もついつい見てしま

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          背筋を伸ばす?

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