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内浦穂高
2024年2月21日 12:55
額縁に飾られている豚のような気分だ。鈍色の空から降り注ぐ雨粒が肉塊を抉りやがる。頭を掻きむしって、お隣さんの迷惑にならないように嗚咽混じりの唸り声を地の底に思い切り響かせる。こんなもんやってたってなんにもなりゃしないんだよ、とアセファルを羨みながら呟く。これはもう吐血だ。悲しみと痛みを吐き出す言葉には、鮮明すぎる血が混じってる。四方八方から降り注ぐ痛みが脳をギュッと締め付け