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いろいろのつめあわせ



やさしくなりたい


インフルエンザのワクチン接種に行った。

前にうったのはたぶんちょうど一年前だけど、全然そんなに前のことのようにも思えない。

時間が過ぎてしまうのが、速く感じてきた。

なんか、いやだな。


なかに入るとほかのご家族の方もいて、ひとりの女の子が注射をうつ前だからなのか、大きな声をあげて泣いていた。

こわいよね。わかるわかる。

いたいし。めっちゃするどいやつ体にさすんだし。

なんかよくわからないやつ体に入れるんだし。

これからよくわからないことされるのはすっごい
こわいよね。

その気持ちは、すごいわかる。

だから、いっぱい泣いていいよ。

そんなことを思いながら、古文の単語帳をめくって待ち時間を過ごしてた。


いくつになってもワクチンは慣れない。

痛いのは一瞬だけど、そのあとだんだん痛んでくるのが慣れない。

あとどんどん痒くなってくる。

なんかイライラしてくるな。

そんなことを思いながら病院を出ると、ちいさな
ほおずきをみつけた。

まぶしい

明るい陽射しに照らされて、オレンジ色の実が
もっと明るく光っている。

灯りみたいなやさしさに、ほんのりこころがあたたかくなった。

もっとやさしくなりたいな。


ぼろぼろクッキーにありがとう


鹿児島県の総文祭に行っていた友達が、おみやげをくれた。


そのおみやげはクッキーで、西郷さんのイラストがプリントされたプリントクッキー。

元は部活の後輩たちに用意して部室に置いておいたものらしかったけど、一枚僕に残してくれていた
みたいだった。

ただ、渡すタイミングがなかなかなかったみたいで、そのあいだずっとリュックに入れて持ち運んでいたらしく、受け取ってさわった瞬間分かるぐらい、中身がぼろぼろになっていた。


家に帰ってティッシュのうえにだしてみると、
けっこうぼろぼろしていた。

さいごうさぁぁぁぁん!!

ただ、ぼろぼろしているかどうかは全く問題じゃなくて、むしろぼろぼろするくらいになるまで僕のために残して、運んで、渡してくれたことがうれしかった。

クッキー越しに、「ありがとう」って思った。

食べたらふつうにおいしかった。


そのあとその友達にLINEをしたら、また別の大会があるから、そのときはちゃんとしたおみやげを買ってくるねって返信があった。

もしそれがぼろぼろだったとしても、僕はおみやげをくれる気持ち、ただそれだけでうれしいな。


あおしんごう


最近、塾に通い始めた。

その塾は1対1で教えてくれるところで、僕は某
T進みたいなパソコンに向かうスタイルよりもいいなと思ってる。

実際、分からないことを質問を通して、時間内でたくさん分かるようになれるのもいいなと思ってる。


そんなこんなで週に3回通ってるけど、ついこの前、その塾の近くの交差点の信号機を見てすごく
びっくりした。

ほんとうの、「青信号」があったから。

見ずらいけど、車用の信号機の青信号が……

青汁や青葉、青りんごみたいに、緑色の信号機を
青信号って言う。

ただその「青信号」はほんとうに青色をしている。
(正確には青要素が濃い緑色みたいなかんじ)

長年使われてきたからなのか、経年劣化で緑色が
変化しているのかもしれない。

珍しいものをみた気分になった。

長年動いてきて青色になったあの「青信号」から、
ふと、長い間一生懸命にがんばれば、なりたい姿になれるかもしれない、ということを勝手に学んだ。


クラスのひと


じぶんのなかで、今までの高校生活を振り返ってみるタイミングがあった。

中学生のころと比べたら、だいぶ周りのひとと話すようになったと思うし、自分の感情を表現したり、
言いたいことを言うということができるようになっている気がした。

とくに、さいきんは。

最近よく話すクラスのひとが、自分のなかでは3人できたから。


1人目は、僕より出席番号がひとつ前のTくん。

言いたいことは言う、めっちゃくっちゃ元気なひとで、数学の時間や帰りの時間によく話す。

はなしは相手からもってきて、自分は聞き役にまわることが多い。

けど、話してるとおもしろいし、相手もちゃんと僕の言うことを聞いてくれて返してくれるからなんだか楽しい気持ちがわいてくる。

僕は復習のためによく数学の板書をとることがあるけど、たまーにTくんが板書に割り込んできて写真にうつることがある。

こんなかんじで、いつもピースしてうつってくる。

このノリ、なんだか高校生っぽくてたのしいな。


2人目は、けっこう高身長のSくん。

Sくんとは一回、高校3年生が始まるまえ、演劇部のお手伝いをしたときにいっしょになって、おんなじ劇で共演したことがある。

僕は喫茶店のマスター役で、
Sくんは悪人から魂を奪う死神ニック役だった。
おたがいむずかしい役どころ。

それ以来話す機会が増えて、今は体育の時間にいっしょにバドミントンをしたり、課外のときに話したりしている。

話してると、僕の知らないことをいろいろ話してくれたり、自分のペースや感覚に合わせて話してくれるから、とても助かってるし、やっぱり楽しい。

知的でノリのいいひとだから、僕がへんなこと(例えば、水はなんでびしょびしょなのか)を言っても、ユーモラスに返してくれる。

こういうひとに出会えてよかったな、って思う。


3人目は、去年もおんなじクラスだったAくん。

Aくんは、目がキリッとしていてちょっぴりクールなんだけど、落ち着いててとても優しいひと。

さいきんになって、いっしょにお昼ごはんを食べるようになった(じぶんからさそった)。

自分でもよく分からないけど、Aくんと話しているとなんだか心地いい。

頭がふわってして、朝起きたときのふとんの暖かさや優しさにくるまれているような感覚になる。

たぶんそういうものをもっているひとで、もっと話したいなって思えるひとなんだと思う。

ちなみに、この前はAくんと「新しい十二支」を考えていた。

牛→鼠がいなかったら本当の一番だったから
ホルスタイン→牛の種類で考えたらでた
ライオン→虎の上位互換
ハムスター→ウサギみたいにちいさくてかわいい
龍→竜(たつ)よりはこっちのほうがなじみやすい
ごぼう→ヘビみたいに細長い
シマウマ→馬の種類で考えたらでた
頑固親父→羊みたいに柔らかいものの逆
ナマケモノ→猿みたいにすばしっこいものの逆
クジャク→鳥の世界のなかで一番目立つ
ポメラニアンと柴犬→僕とAくんのすきな犬種
マリトッツォ→今人気な猪の逆

Aくんといっしょにいると、なんかあんしんする。


今こうして考えてみると、この3人はとても話しやすいひとたちだなって思う。

だから僕も、なんとなくだけどこころを開いて話せるのかな。

ありがとう。


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