古い建築、古い音楽そして食べ物

古い建築、古い音楽そして食べ物

最近の記事

福寿庵 湯沢駅西口

駅前にある蕎麦屋さんだが、旨味は深い。 この日は冷たのとろろ蕎麦を注文した。 この地方で広く食べられている布海苔つなぎの蕎麦であるが、なかなかの姿である。この地方では濃すぎない汁に蕎麦をどっぷりと付けるのが流儀のようだが、はたしてそれが旨い。 とろろ芋もきめ細かくすりおろされている。 このレベルの高い食事は酒を付けるに価する。

    • 宮野屋 新潟県南魚沼市大崎

      大崎集落から少し山へ登ったところにある宮野屋さんに昼前に到着するように道を急いだのだが、第一駐車場は満車で、お店の前に順番待ちのお客が多数いる、という状態であった。 八海山への登山道入り口に位置するお店であり、店先の駐車場の先にある鳥居が、聖なる領域と俗世間をきっぱりと分かつ。 暖簾の先に早く入店したいのだが、順番待ちのお客さんが何組も私の前に列を作っている。この立地でこれだけのお客が待つのは大したものだと感じた。 蕎麦の前に薬味や汁がが運ばれてきた。実は品書きにないあ

      • 蔵春閣 新潟県新発田市

        今日でもホテル オークラ等で名を残す明治の大実業家大倉男爵の別邸に建てられた迎賓館である。 大倉男爵は商人として世界的な成功を収めた人だが、新潟県新発田市の出身だとは知らなかった。 この蔵春閣は大倉男爵の向島の別邸の一部として建てられた迎賓館であるが、新発田駅近くの公園に移設された。 1ー 書斎の天井は見事な墨絵が見られる。 二階の大広間は豪華な造りである。 一階食堂。

        • 貞観園  高柳町新潟県

          貞観園は18世紀後半に村山氏の勢力の元に作られた屋敷であり、その見所は回遊式庭園である。 屋敷の構えは厳しいが、大正の初めに茅葺を瓦葺きに改めたことが大きく影響しているようだ。 この館には回遊式庭園が備えられており、それは非常に魅力的である。 本来、回遊するので庭の中に配置された茶室などの要素に迫りたいところではあるが、当然苔の保護のために庭園の回遊は禁じられている。それを、望遠レンズにより擬似的に近づいてみよう。

          Ercole PasquiniのDurezze

          17世紀初頭の南イタリアで突然「Durezze」という鍵盤音楽のジャンルが確立した。それがどのような影響によって確立したのかは、調べようとしたが不明である。地理的な影響関係からみると、イスラム社会などの影響も考えられるが、そのようなことはどこにも書かれていない。 南イタリアのオルガニストGivanni Maria TrabaciのDurezzeを聞いてみよう。 このスタイルがどのようにして中部から北方イタリアに伝わったかについては、比較的経緯がわかっているようである。 南

          北方文化博物館 新潟県新潟市

          越後の蒲原平野の阿賀野川沿いに広大な豪農の館が立っている。 昭和の初めには新潟県一番の豪農となった伊藤家である。 囲炉裏や台所のある建物から、中庭を挟んで大広間そしてその奥の庭園を見通す。この日は人が多く、どうしても人の姿が写り込んでしまう。 何よりも見応えがあるのが回遊式の庭園である。 中央の池泉を囲み様々な橋がかけられ、その姿の違いががよいアクセントとなっている。 大広間は天井が高く、見事な材が使われていることが見て取れる。 大広間の裏には居心地の良さそうな小さな

          北方文化博物館 新潟県新潟市

          菊亭  丸の内

          東京駅から地下街を通って行けるお店である。かつては三菱系統のビルにあって、その系統の方達しか食べられないお店だったようだ。 ここ数年は東京の中でも気楽に入れる天婦羅やさんになった。 天婦羅を食べるとなれば、合わせる酒は日本酒だろう。 天婦羅が始まった。エビ2尾、オランダさや、レンコン、とても軽く揚げられていて楽しめる。 続いて2カゴ目。舞茸、イカ紫蘇包み、タイ。ゆっくり酒を楽しむにはうってつけである。 締めのかき揚げ。 相の手の漬物。

          ヴィラセシリア音楽堂 軽井沢町  

          ヴィラセシリア音楽堂は軽井沢の駅から徒歩10分の場所であるが、かなり広い敷地に音楽堂が立つ。 ヴィラセシリアには2台のパイプオルガンが設置されている。今回のコンサートに主に使われたのはRenaissanceオルガン。 製作はイタリアのフランチェスコ・ザニン・オルガン工房。非常に明るい音色が特徴である。 ヴィラセシリアは十分な垂直距離のある建物でありながら、16フィート菅を持たない。これは、北イタリアのオルガンの調査をした辻 宏さんの結果に一致し、北イタリアのオルガンの特徴

          ヴィラセシリア音楽堂 軽井沢町  

          長谷川邸  新潟県長岡市

          長谷川亭は新潟県内最古の豪農の館である。18世紀初頭に建築され、屋根は皮葺である。 館に向かって左手に庭が広がり、それに向かって上段の間が控える。 かつては見事な庭が広がっていたと想像されるが、残念ながら部分的にその姿が残されているようだ。 上段の間から眺める庭の姿。おそらく右手の石組みの深さに答える作庭がなされたのだろうと想像する。 上段の間。 自然のカーブを力学的にうまく使った土間の天井裏。この組み合わせを現場の木材で選んだ当時の大工さんは天才的な目があったのだ

          長谷川邸  新潟県長岡市

          武蔵野そば処  新潟県長岡市

          長岡市も信濃川を超えたあたりから、空き地の比重が高くなるような印象がある。 お店の看板は高い位置にあり。非常に見にくい。特にカメラに収めるのは大変である。 それに比べ、通りを流れてくる車のドライバーにもわかりやすく表示する看板は読み込み易い。 店の前で大分待たされた。1回転しないと、お店にも入れない。 それでも、店の中で席を決められればそれは一人客でも尊重される。 おろし蕎麦に竹の子の天婦羅を追加でお願いした。 大根の辛さで名が売れているお店らしく、おろし蕎麦の姿が食欲

          武蔵野そば処  新潟県長岡市

          目黒邸  新潟県魚沼市

          目黒亭  新潟県魚沼市 目黒亭は18世紀末に建てられた豪農の館である。屋根は茅葺きで、正面には千鳥破風がつき、威厳を持つとともに柔らかさを感じさせる建物である。 破風の下にある入り口を入ると家を貫く土間になっている。土間から奥座敷を望む。 奥座敷は役人が寝泊まりしたようである。 母屋の奥には20世紀初頭に建築された離座敷の「ちょ亭」「(ちょ)は木偏に象」がある。 「ちょ亭」の床の間は名木が使われ、格式が高い。 「ちょ亭」を回り込んだ一番奥は、茶室になっている。

          旧佐藤家  新潟県守門村

          旧佐藤家住宅は新潟から会津に抜ける国道252号線からほど近い場所にある。 ただし、この家へ至る道は急傾斜で細い。 家の背後には山が控え、その山からの水を使って家の前には田んぼが作られている。 座敷には畳がしかれ、壁にはかつて使われた様々な道具が展示されている。 土間の一角には山からの水を引き入れた流しが作られている。 家の裏を見ると、山からの流れが引き入れられているのが見える。

          韻松亭 上野

          上野の文化会館の奥の木立を進むと、時代のついた料亭が姿を表す。 伝統的な様式で建てられた料亭である。 障子の桟は見事な技で作り上げられている。 お造りを囲んで、湯葉や茶碗蒸しが登場する。とても出汁が深い。 籠盛り登場。柚庵焼きの魚も丁度よく収まる。 締めの天婦羅は稚鮎にピーマン。堪能しました。

          しんばし とろろ蕎麦  越後湯沢

          しんばしさんは蕎麦屋さんらしく、昼休みを設定していない。 他のお店がほとんど閉じている中途半端な時間に酒をゆっくりと飲めるのは、素晴らしいメリットである。 蕎麦前として、ふきのとうの天婦羅を注文した。山菜の天婦羅なので、一個を一口で食べられるが、思ったよりも多くのふきのとうが出てくる。 蕎麦は変わらずに味わい深い。湯沢の街中に戻って、気にかかることもない状況でいただくのは、ありがたい。 デザートに青梅の煮付けを頂戴した。季節の味を楽しんだ。

          しんばし とろろ蕎麦  越後湯沢

          田中本家客殿清琴閣公開 須坂市

          田中家は18世紀前半から須坂で商売を続け、御用達商人を務めた。田中家は豪商の館とよばれる。 屋敷の中には18世紀後半に作庭された池泉回遊式の庭園が残されている。 田中家の迎賓館とでも言える清琴閣は普段は建物の保護のために雨戸をめぐらして非公開だが、このゴールデンウィークに限り、特別公開された。 清琴閣より庭園を望む。池の端から眺めるのとでは、まるで違う光景が展開する。 床の間は非常に贅沢な作りになっている。違い棚や床には名木が使われている。そして床の間の上にかかる額は

          田中本家客殿清琴閣公開 須坂市

          新潟県新発田市駅前 鮨・和食ながしま

          新発田駅前のお店である。やはり連休中は人出が多く、お店は待ちの人々で一杯である。 それでも、なんとか閉店時刻よりもだいぶ前に席に着くことができた。目の前で職人さんが丁寧に魚を切ってくれる。 見とれてしまうような、熟練の技術である。 この辺りまで来ると、日本海までの距離がかなり近いのがしっかりと感じられる。

          新潟県新発田市駅前 鮨・和食ながしま