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百恵ちゃんと一期一会のタクシー🚖

私は、一期一会という言葉が好きです。
茶会の心得から、一生に一度限りということ。
一生に一度出会うこと。
人との出会いは大切にしなさいという心構え。
と辞書には書かれています。
好きになったきっかけは、あの百恵ちゃん。
山口百恵さんです。

百恵さんが歌詞を書いた「一恵」という曲の冒頭のセリフにこの「一期一会」という言葉があって、それについてインタビューに答えて彼女が話していたことが印象に残ったからです。
百恵さんは、仕事をする上でたくさんのスタッフがいつも周りで支えてくれていて、その日だけの関わりという人もたくさんいるけれど、ご縁があって共に仕事をしたその人達との出会いと束の間の時間をとても大切だと思っているみたいなことを語っていたように思います。
著書の「蒼い時」の中でも、ほんの一時でも関わったたくさんの人達への感謝の想いが綴られていました。当時、高校生だった私は、こんなことを思える大人になりたいなあと憧れました。大人と言っても、その本を書かれたのは、百恵さんがまだ21歳の頃です。百恵さんの感性の豊かさや真摯な生き方に改めて感動します。

世の中はいつ何が起こるのかわかりません。
いつも何となくご一緒して、喋ったり笑ったりする方々との時間も、もしかしたらお会い出来るのはこれが最後かも知れないという気持ちで大切に思って、過ごしたいものです。

最近、お墓参りや病気見舞いで、一人で長い時間タクシーに乗ることがあります。その時のタクシーの運転手さんとの一期一会にも、私は元気をもらっています。
どの運転手さんも、穏やかにさりげなく面白い話をたくさんしてくださいます。気候の話から始まって、季節の果物の話、子供の頃の話、お料理の話などを静かにとても優しく‥。
話があまり上手でない私もつられて少し喋ったりして、楽しく時間が過ぎていきます。楽しいから、窓の景色もキラキラして見えます。

運転手さんは、お仕事だから毎日何人ものお客さんにその人に合わせた話をされているのでしょう。
だとしても、その時、車内で感じる思いやりや労わりの気持ちは、ダイレクトに心を温めてくれます。
偶然タクシーに乗って出会えたその運転手さんとの時間をありがたいなあとしみじみ思えます。
そんなふうに話が出来るのは、きっとその方の日々の鍛錬や心掛けの賜物なのだと思うと、それもとてもありがたいことです。

私はいつまでたっても人見知りで、電車の二人掛けの座席では隣に誰も座りませんようにと祈り、劇場の客席では隣の人に「話しかけないで下さいオーラ」を放ちまくってしまいます。
だけど、それはなんだか窮屈で我ながら、うら寂しいとも感じています。
そして、話が出来なくても、偶然出会えた誰かとの時間を愛おしむような柔らかい気持ちが、自然に持てる人になりたいなと思います。
昔、百恵さんに憧れていたあの想いがまだ胸の奥にあるのです。

一期一会を大切にするしなやかさを持とうと心掛けていたら、毎日が楽しみになって、一瞬一瞬がキラキラするんじゃないかと思います。
いつもの人達にも、今日たまたま出会う人達にも、
「かけがえのない時間をありがとう」と思うことから、何かが始まるのかも知れません。☘️





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