最近読んだ本~2024年2月・3月~
私の住む地域の高校教員が転職をすることはあまり多くありません。
様々な事情で退職をしていった人は数人いますが、転職するために退職をした人は出会ったことがありません。
つまり、わからないことがあっても聞く人がいないということです。
一般企業はどうかわかりませんが、教員は結構クラス経営のことや部活運営のこと、生徒指導に関することなど、先輩教員に聞くことができます。
むしろ、積極的に聞くことが自分の成長にもつながりますし、教員としての力量を効率よく上げることにつながると考えています。
実際、一年目からそのようにしてきたために、様々な先生方の考え方ややり方を取り込み、自分のオリジナルを作り上げてきました。
そんなふうにやってきた私なので、転職することに関しては周りに聞ける人がほとんどいない状態であり、そうなると頼るべきは本しかない、という考えに至ったというわけです。
というわけで、前置きが長くなりましたが転職を考え行動を始めた時期の私が読んだ本を紹介・記録しておこうと思います。
教員を辞めるという決断をするに当たって、教員として今後何を意識したらいいのか、そこに楽しさを感じられるかということを知りたくて、たまたまネットニュースで取り上げられていたことで知ったこの本を読みました。
そもそもここ数年、総合的な探究の時間に対して熱心に取り組んできました。
数学の教員をしていますので、反転授業の実践も3年間行い、2023年度に至っては、担当学年に関わる全ての数学科の教員を巻き込んで反転授業の実践を行いました。
学校内では反対派の先生も一定数おり、それ自体は当たり前のことではあるのですが、なかなか自分自身の取り組みに対しての承認を得られる機会が少なかったので、この方向でよいのかどうかの自信も失いつつありました。
この本を読んだおかげで、やってきたこと、自分が目指していることは間違った方向ではなかったと思うことができました。
だからこそ、自分が教員を続ける未来を考えたときに、まだまだワクワクできるし、楽しんでやることはできそうだと感じました。
一方でこの先の大変さ、具体的には、この本に書かれていることを多くの職員にわかってもらうのにはまだ時間がかかるということ、自分自身の知識の向上のための時間を今以上に確保するか整理する必要があることも強く感じました。
私が現在勤めるレベル(国公立大学50~90人程度)の学校の生徒が社会に出たときのことを考えて、これまで実践をしてきた身としては、大変参考になる本でした。
これは感想ですが、教科指導に重きを置いている先生や総合的な探究の時間を有効な時間と捉えられていない方にとっては、何を非現実なことを…、と思われるんだろうなと感じました。
結局、私個人の仕事観という点で話をすると、やっぱり一旦教員を離れるのはありだろうな、という結論に達しました。
理由は、上記で述べた通り、この本を受け入れられる教員はまだ多くないだろうということ。
そこを粘り強く取り組むことも大切なことなのだろうとは思いますが、今後の自分のキャリアということを考えたときには、そのエネルギーを他のことに使いたい、と思いました。
書籍としては大変面白い内容でしたので、教員として燃えている方、探究を頑張りたい方、今の学校の在り方に疑問を感じられている方には、是非読んでもらいたいと思う内容でした。
一冊で結構なボリュームになってしまったので、残りはその2として次回にしたいと思います。
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