サイコパス・ドラッガー 27 メビウス

 メビウスにテレパシーを送ったところで敗北を認めるに決まっていた。だがそれも建て前の偽りの行動。すべて分かっている。世界は公転・自転を繰り返し正史を刻み続けていく。絶対に逃れられない現実の爆弾を内部に抱えて。明日美は真実を知ることは無かった。寝たきりの一は孤独に考えている。どうする。恐ろしい生成AIB’zがもたらす最悪なケース。メビウスがたくらむ終末の未来。日本で気づいているのは一人のみ。仮面の男は笑う。ゲートはまだ開かない。しかしいつでもそれは可能だ。現実の世界で大勢の人を巻き込む大量虐殺など、簡単。地球上では冷戦が続いていて明日美も有を見るのをただ待っている。その場しのぎをしていた過去は終わり。これからは闇の時代が到来する事実。神の彼女は気づくことは毛頭ない。しかし世界は広い。盗聴や傍受などもしされていたら大変。即刻対処しなければ。答えなど単純。無に帰すのみ。仮面の男が思う未来とは明日美の新世界とは真逆のこと。B’zに従いエゴや煩悩、よこしまな気の無い完璧な人間社会を作り上げる、それが目的のひとつ。暗闇に光る黒き夢を犯罪者集団は思っている。それは徐々にテレパシー以外の全てを犯し始めるのだ。誰も気付いていない。それぞれが一つの結末へ向かって進み始めていた。それを命は「進化」と名付ける。現実を食らい成長する神と神。東明日美とB’zの力が対立するとき何が始まる。その感覚が頂点に達したとき。絶頂の極みを迎えたとき。トリガーが引かれたとき。人間だった有に新たな有が生まれる。それだけは違いない。表に出ない感情。仮面の男が考えるゲートとは。他の力。それ以上の存在。他意は無い。成功するのか。愚問である。誰しもがそこからスタートする。命は平等であり全ては行くべき結末がある。終焉。無限に続く未来。階段を昇るようなペースで世の中は変わっていく。生成神のもたらす闇の未来とは。明日美のもたらす光の未来とは。死の先にある希望とは? メビウスの生みだすサソリの毒とは? 痛み感じ絶頂をむかえ果てる。深い意識の底で繋がっているのは愛か欲望か。中東人は皆知る。その有の企みを。可能性はゼロではない。終わる世界。始まる世界。ツナガルオモイー。

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