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<良いものを長く大切に使う>ライフスタイルが<お洒落>に及ぼす影響

スリーブレスカットソーのECショップ【DeeDee-T】を運営しています。

至ってベーシックなカットソーを取り扱っています。自らが「あったらいいな」と長年思ってきたものの、なかなか思う商品やブランドに出会うことができず、結果自分で作って販売することにしました。

ファッション業界、アパレル業界に身を投じようと思ったことはなく、デザイナーに憧れるということもありませんでしたが、幼少期から母がよく洋服を作ってくれ、それを私も見よう見真似で作ったりして、好きな様にパターンを作り、縫製をするという一連は我流である程度行います。

よく母が言っていました。「本当のお洒落は秋冬よ。夏なんて洗濯が効く物をいつも洗って着ていればいいのよ。」とは、本当か否かは分かりませんが、現実的で説得力はあると思います。

実際に、暑い季節の衣類は汗ばみ、洗濯を繰り返しの着用となるため、私も若い頃から夏服については洗濯の効くものを選んできました。「良いものを長く大切に」の対象となるのは主に秋冬物。昔買った少々高価な洋服、そして今でも褪せることなく利用できる洋服は専ら秋冬物 のウール物になります。
※例外的に特別に長持ちしているコットン製カットソーについて書いた記事がこちらです。 よろしければ  ❣ ☟


さて、先日、ある程度大人になればお洒落に求められるものも変わる、という記事をアップしましたが、そちらとも関連性のある内容になります。


今回は少々掘り下げて、そのコンテンツと考えられる一つを取り上げたいと思います。

<お洒落>の質感についてです。
よほどチープ感を狙ったコーディネートでなければ、当然のことながら質は高く見られたいもので、少なくとも安っぽく見られるのは避けたいものです。
でもそれは単純に着ている洋服が安い価格か高い価格かということではありません。現在のファストファッションブランドの商品は本当に安価でありながら素材も縫製もしっかりした良品です。問題はユーザーがそれをどう捉え、どういう姿勢で着用するかということです。

安いし、いつでも、どれだけでも買えるからと雑に扱っていれば、おそらくその人の佇まいからは「安っぽさ」が垣間見えるのではないかと思います。また一方で、奮発して買った特別な洋服を意識し過ぎた着こなしでは、これはこれで「着られてる感」がにじみ出てしまい残念な印象になりかねません。

薄紙一枚ほどの<日常>を長く長く積み重ねてきた大人のお洒落には、そのライフスタイルも投影されます。良いものはそんなに沢山、次から次へと買えるわけではなく、愛着もあるから大切に使おうとします。それはもちろん洋服に限ったことではありません。日用品からキッチンツール、食器、何かをする為の道具、家具などなど、大きいモノから小さなモノまでライフに係るあらゆるモノたちにいえることです。

一つ一つのモノを大切に、メンテナンスや修理をしながら長く活かそうとする心持は、その人の日常の所作にも現れると思います。

と、少なくとも私はそう確信しているし、自分はそう在りたいと思っています。

例えば・・・
大切にしているお気に入りの食器を使うとき、ガチャガチャと粗雑に扱うことはしません。お膳立てをするとき、食事をするとき、そして後片付けをするとき、終始割らないようにと無意識に丁寧な扱いと所作になります。

大倉陶園のモーニングセット

画像は大倉陶園のモーニングセットに、後で買い足したパン皿などの一部。大倉陶園の白磁は薄くても硬質、青みがかった綺麗な白です。昔からリムのないプレートが特に気に入っています。

30歳前後で友人たちの結婚ラッシュがありました。自分でも気に入っていて一人暮らしの朝食で使っていたので、結婚祝いにプレゼントをしていました。40代で、遅ればせながら結婚をした私に、学生時代からの友人が同じものを贈ってくれてとても嬉しかったです。あまりにも時間が経っていて自分が贈ったことをすっかり忘れていました。

同シリーズのティーポットやカップ&ソーサーなど買い足したものもあり、数は揃っているものの、悲しいことに幾つか割ってしまったものもあります。一番古いものはもう30年以上も使い続けているので、さすがに無事故はないか(形あるものはいつか壊れる)・・・と。今も毎日使う、ヘビーユースの食器類です。


革靴は手入れをし、傷んだら修理をして使います。そもそも革が丈夫な素材なので、すり減った踵や底を直しさえすれば長持ちします。


UGGのムートンブーツ
後ろ中心線を修理しています


私にとって冬のマストアイテム、ムートンのロングブーツ。もう10年を越えるかと思います。丈夫だなぁと思っていたら、後ろの縫い目が裂けて来ました。うーん・・・新調するか、直すか、随分悩みましたがお直しに出しました。裂けたのは右側だけだったのですが、上から幅2センチほどの同色同素材で補強するため片方だけとはいかず左右直しています。冬のみの使用なので踵や底はさほどすり減っておらず、表の皮革もキレイなので、これでまだまだ活躍してくれます。因みにお直し代は12,000円ほど。


お次はデイリーユースのシルバーのアクセサリー。全くもってハイクオリティというお品ではありません。でも、なぜか気に入っていて、いつも付けています。基本的にアクセサリーはあまり持っていないのです。

ピンキーリングとペンダント
いずれもシルバー

リングはシルバー専門のAQUA。
ペンダントはどこかの通りにあった手作りアクセの出店で買いました。革ひもにしたり、シルバーのチェーンにしたり。今ヘッドだけなのは、チェーンが壊れてしまい注文中です。それぞれ20年、30年の使用です。磨きは必要です。

タイトルに入れた<良いもの>とは、繰り返しになりますが高価なモノ、ブランドモノということではなく、きちんとしたモノという意味で使っています。きちんとした素材できちんと作られ、その役割をきちんと果たせるモノのことです。当然、それに相応しい価格にはなりますが・・・ちょっと考えてみてください。

極端な例をあげると・・・
ワゴンセールで500円のTシャツを買ったとします。まず、そこに思い入れがあるとは考えにくい。適当に何回か着て、すぐ首回りや身頃が撚れてだらしなくなる。パジャマ替りになればまだいいですが、着なくなって箪笥の肥やしになるか廃棄にする。500円なのだからまた新しいのを買えばいいとなる。買ってはすぐ着なくなる、を繰り返し、その人はいつも新しいシャツを着てはいるけど、いつも500円クラスで大切に長く着ようという考え方とは無縁。
一方で2万円のカットソー(Tシャツではなくカットソーと呼びたくなる)を選ぶ人。一般的な経済観念からすれば大切に長く着ようとするでしょう。そして2万円のカットソーの質と着心地を体感します。来シーズンも綺麗に着たいな、と思い仕舞うでしょう。

500円のTシャツを着続ける3年と2万円のカットソーを着込む3年は、その経過時間もその着こなしも質が異なります。

大切に使い続ければ、そのモノはまた更に〈良いもの〉に成って行く。粗雑に扱えば〈安っぽいモノ〉〈粗悪なモノ〉に成り代わってしまう。
時間やモノを丁寧に捉える人の着こなしには質感が伴う。

大人になったら着る洋服を選ぶだけがお洒落ではないと思っています。
「私に似合うかしら?」の「私」はイコール「私のライフ」です。
ブラッシュアップすべきは、その人の<生きる姿勢>や<生活そのもの>なのです。
自ずと着こなしやセンスが変わってくるはず・・・
少なくとも私はそう信じています。

<追伸>
※1 経験上、<良いモノ>でも使わずに長い年月大事にしまい込んでおけば、それはそれで傷むよう。特に靴でそれを実感しました。日常使いでこだわるのが大切かと思います。
※2 近年、アパレル界における生産過多による廃棄ロス、消費者の買う・廃棄のスパン短縮化が問題視されています。<良いモノ>を長く使うことは自分にも、環境にも、そして作り手にとっても大切です。







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