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今年の梅仕事 その1/青梅編

毎年、梅仕事をするようになってもうだいぶ経ちます。年に一度だけの仕事で、初夏に行うだけなのでこれまでに20数回の梅仕事を行ったということです。
今年も梅の季節が来ました。

梅雨入り前のこの季節、まずは青梅をいじります。科学的にはどうなのか、青梅には毒気があるということを多分母親から聞いたのでしょうが、それをゴロゴロと素手で触ることで殺菌効果やバリアや免疫機能が強化され、ジメジメした梅雨と現代の生命の危険にまで及ぶ夏を無事乗り切れる気がするのです。まったくもって思い込みですが、信じればそういうものだと思い、私的には梅仕事は夏への関門なのです。

梅干しにする梅はもう少し経って黄色から赤っぽく熟したものを使います。青梅はその前の短い期間に出回るもの。この時期ならではの青くて、固くて、ゴロっとした青梅に触るのは好きです。

我家では梅酒ではなく梅シロップを作ります。青梅1㎏に砂糖800g~1㎏くらい。ただ漬け込むだけです。

さっと洗ったら臍のような小さなヘタを取り除きます。

漬ける瓶や直に触れる道具類は焼酎で消毒。

エキスが出るように切り込みを入れた青梅にもさっと焼酎を回しかけ、砂糖をまぶして漬けるだけ。
ここで梅の果汁を出すために予め冷凍庫で凍らせたり、串で沢山穴を開けたりするやり方もあります。


1日経つとこんな感じに。

今年はサトウキビの砂糖なので茶色に
上白糖なら綺麗な透明色になります

後はじっくり砂糖が溶けて行き(場合によっては清潔な菜箸などでかき回す)、時間の経過に委ねるのみです。砂糖が溶け切った頃、だいたい1週間から10日で梅を出し、ボトル瓶に詰め替えてから冷蔵庫で保存。梅酒のように度数の高いアルコールを使っているわけではないので、そんなに保存が効くものでもありません。この分量ならひと夏で飲み切ってしまいます。

10日程経って砂糖が溶け切った
梅も絞り切られた感じに
梅を取り出して出来上がり


お水か炭酸水で割ったところへ氷を入れ、特に主婦をしている私は午前中の家事を済ませて一息ついたところでこの一杯を飲むと清涼感と冷たさで元気が出ます。風呂上りの一杯も、かき氷に掛けても美味。


梅仕事というと、何やら大変そうに聞こえますが、実際はこのようにちょっと手を掛けるだけで後は時間任せのものです。ポイントは腐らせないようにすること。少ししたら梅干し付けを行いますが、その際も消毒と塩分に気を付けるだけでやはり時間の経過が作って行ってくれます。消毒、殺菌は焼酎やホワイトリカーで簡単に出来ることです。砂糖の分量も厳密ではなく、お好みで増減できます。他の記事にもしていますが、私は朝食のパンを焼いているので、その材料計量と比べたら本当にアバウトでやり易いと思います。

梅から逸れますが、紫蘇の出回る季節でもあり年によっては紫蘇ジュースを作ることもあります。


たっぷりの赤紫蘇と砂糖とクエン酸で、それはもう鮮やかなレッドに。梅シロップと同様、水割り、炭酸割で。ふわっと鼻にくる紫蘇の香りと目に映る綺麗な色、舌に甘酸っぱいこんなドリンクは他にはありません。

赤紫蘇を15分~20分程煮だすのですが、赤色がすっかり湯に移り葉はその分色が抜けて元の緑になるのが何だか不思議。煮だすことで脱色されるのか?草木染もこんな原理なのか?などと思いながら出涸らしの葉を取り出しています。

梅の雨と書いて梅雨(つゆ)。年に一度、もっともジメジメとしたこの季節に収穫され、こうした爽やかな飲み物になるというのも自然の素晴らしい一面で、昔人の英知に感心するばかりです。

今どき珍しいのかもしれませんが、私はカプセル状や錠剤のサプリメントを全く飲みません。レモン100個分のビタミンC、トマト〇〇個分のリコピンなどというCMを見るとまず「普通にそんなに摂取することってある?」と考えてしまうし、口から入れるものは錠剤じゃなく「おいしー!」と感じながらパクパク、モグモグ摂取したいので。

梅に含まれるクエン酸やミネラル分が、清涼ドリンクとなって、今年も私と家族の夏に向かう身体を作ってくれそうです。

※追記
後日、引き続き行った梅仕事の様子です。



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