どう訳す? 「花いちもんめ」「泣き三味線」
外国人が日本の歌謡(って言ったらいいのか? ジャンル問わず「歌」全般)を聴いて反応している、あるいは解説している動画にちょっとハマった。
例として、細川たかしの『望郷じょんから』をネタにした動画を2つ貼っておく。
こういうテーマの動画が結構あっていくつか見たのだが、音楽的な解説中心がほとんどだった。
日本人が一緒にやっていると、若干歌詞に関する感想があるっていう程度かな。それは「へぇ~、イマドキ若い人はこういうところに感心が行くのか、こういう解釈をするのか」と中高年には、ときに新鮮に、ときに物足りなく思うことがある。それはそれでギャップが面白いんだけどね。
上記にリンク貼った『望郷じょんから』なのだけれど、下の方の動画では、主が「英訳はどこ?」って探し回って見つからない~と嘆いていて、それを見て、ふと「花いちもんめ」「泣き三味線」とかどう訳すんだろう? って思った。
この歌詞、難しいよな、訳すの。《爺さまがたたく 泣き三味線……》ってところの「泣き三味線」なんて、ここ一発で故郷の厳しい暮しが浮かんでくるようになっているから、訳し加減を間違えると心象がうまく伝わらなくなっちゃう。《三味線が泣いている》とか比喩的に《泣いてる三味線》って感じに訳すのかな? 大体のニュアンスは伝わるだろうけれど、詩的なというか、文学的なというか、そういう味わいはイマイチ伝わらないのじゃないか……
なんぞと思っていたら、英訳が見つかった。
花いちもんめは、そのまま「Hana ichin monme」かよ……。《I played Hana ichin monme》となってるから、何か日本の伝統的遊びなのかとはわかるだろうが、どういう遊びなのかはわからない。う~ん。難しいよね、やっぱり。
ついでに「雪ん子」は「snow spirit」となってる。雪の精霊と解釈したわけだ。
さて、泣き三味線だが《Old men play a Jonkara Bushi The crying shamisens》「泣いている三味線」か……。
ただ、これ、私みたいな永遠に中級英語に手を伸ばしては落ち、伸ばしては落ちしているレベルだと、これでいいのかどうかわからない。
「Old men」って「Grandad」とかじゃないのか? ここの「爺さま」は、世間一般の男性老人=爺さんじゃなくて、歌の主人公の爺ちゃんのことだろうと思うのだが、違うのか? 三味線も複数形だし、もしかして、津軽三味線を爺さん集団で弾いている状況なの? 冬に家の土間や炉端(何時の時代だよ)、茶の間なんぞで、爺ちゃん(祖父)が三味線を弾いているじゃねぇのか? と突っ込みたくなる。
ざくっと調べると、解釈違いというわけではないようである。でも、よくわからない。「英訳、見つけたら教えてね」って動画の主が言っていたけれど、私もなんで「Old men」で「shamisens」なのか「誰か教えてね」って思う。マジで。
さて。演歌があるなら日本の民謡について外国人が感想を述べている動画はないかと、探したがなかなか見つからない。
元ちとせぐらいはちょっと引っ掛かるから、奄美や沖縄民謡はある海外にも知られているのかもしれない。ただ、奄美、沖縄民謡と本州(特に北の方)の民謡と何かちょっと発声とか違う気がするから、それで全ての日本民謡を語れるのかなぁと思う。素人の感覚だから間違っているかもしれないけれど。
民謡の、あの独特の発声を彼らがどう捉えるか興味がすごくある。民謡は、ろうそくの火を前にして火が揺れないように歌う訓練をする――沖縄や奄美はまた違う訓練方法があるのかな。それはそれで興味深い――という。ろうそくの火の前で民謡歌手が歌うCMを昔見た記憶もある。もしかして、オペラもそれに近い発生なんじゃないかと素人は思うのだけれど、どうなんだろう。すごく気になる。
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