カラカラと赤い骸骨 曼珠沙華
明日は、お彼岸。曼珠沙華は、彼岸花の別名です。
変わった形状の花で、花びらが散った後の残骸――花の骸骨――のような見てくれですが、「花が咲いている」状態なのです。
毒性があり、別名にも幽霊花など不吉な印象のものばかりです。
(参照)
生命の証である血がカラカラと干からびて、真っ赤な色だけ残して骸骨になったような花だと、見る度に私は思います。
彼岸の頃に咲くというのも、その頃に突然、花茎だけ伸ばして花だけ咲かすというのも、不気味さを人に与えるのかもしれません。
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があります。熱の赤い色をした骸骨のような花は、夏の暑さの名残の最後のあがき――断末魔のように見えませんか。
「死に花」という言葉もあります。この花の開花を境に、季節は暮れていきます。陽は陰と陽の陰が勝り、陽の熱も生命力が弱るがごとくに冷めていきます。だから、この花は、余計に人に「死」の印象を与えるのかもしれません。
昭和の古の人なら、山口百恵の曲『曼珠沙華』を思い浮かべる人もいるでしょう。
《白い花さえ真っ赤に染める……》
また、『VIVANT』思い出しちゃったヨ……。
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