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【長編小説の書き方~完全素人・47歳の私が、10万文字の小説をとりあえず書き上げた感想や 発見】

 完全素人の47歳・男性の私が、10万文字の小説をとりあえず書き上げた方法を忘れぬうちに書いておく投稿です。
小説の書き方というより、長編小説を書いたことのない人が書けるようになるためのヒントみたいなものです。

× 小説の書き方
〇 長編小説を書きたい人へのヒント


 人生のうちで小説を読んだ数は、20冊くらいかなと思います。
(執筆中に参考として5冊ほど読みました)

文章力は平均的日本人のなかでは、中の中の上かなと思います。クラスの中でトップ5にかろうじて入るくらい。
とりあえず自信はあるかなといった感じです。


今回私は、内容はともかく人生の中ではじめて、長編小説を書き終えました
この過程で学んだこと、長編小説を書くために必要だな、と感じたことをシェアしていきます。

・書き上げるための本質(小説の本質ではなく、書き上げるための本質)
・書いていく過程での感想
・どうやって作品の構想を考えたのか?
・キャラクターデザインの方法
・素人がおこなった、書き上げるための独自の方法2つ

これらを紹介します。

ただし、完全素人の発言ですので、採用するかどうか?はお任せいたします。

1長編小説を書きあげる為に必要な本質


 まず、長編小説を書きあげる為に、必要な本質は以下のものです。
(注・良い作品を書くための本質ではありません。書き上げる、つまり完成させるための本質です)
これは素人だろうが、玄人だろうが、村上春樹さんであろうが、変わらないはずです。

環境×才能(もしくは才能の代替品)×正しい努力

そして、守るべき優先順位は
1 環境
2 才能(もしくは才能の代替品)
3 正しい努力
このようになります。

 小説を書きあげる為に、大切にし守るべきものの頂点は環境です。
作業環境や、確保できる時間、応援してくれる人や褒めてくれる人。
また、あなたのことが正当に評価される環境などもそうです。

これらは手にしている時、手にしている人は、そこあるのが当たり前で、たいして創作には影響がないように感じます。

しかし、それは間違いなく創造活動を奥底から支えているものです。

 次が才能です。
才能を守るとは、無理(才能の無駄遣い)をしない事や、(才能を支えている)自信をなくすような事態におちいらないように、考えて行動することです。
寝不足や過重労働、良くない人間関係などは、間違いなく才能を削ると考えてください。
また、難しい話になりますが「自分の才能を信じることが出来ずに、努力に頼る」という行為も才能を削ります。努力は必要ですが、それは「自分の才能を信じ、才能を生かす方向性」で取り組むべきです。


意外に思われるかもしれませんが、正しい努力の優先順位は高くありません。もちろん、正しい努力は死ぬほど必要です。しかし、正しい努力を過大評価することは絶対にしてはならぬことです。

正しい努力をする以前に、環境と才能を死守すべきです。

私の場合、勤務時間が減るという環境の変化があり、そこから
「長年の夢だった長編小説を書いてみよう、書けるかも」という気持ちが湧いてきました。
環境の変化があってこそ、才能と努力がこの世界にカタチをあらわし、作品が完成したと考えています。

現在、ネット上や書籍で『小説の書き方』を調べると、書いてあるのは90%が優先順位の低い「正しい努力」の紹介です。
正直、これで小説が書けるのは『環境に恵まれ、才能がある人』だけです。

これは私の信念ですが「正しい努力」は環境に恵まれ才能がなければ、実行すらできません

繰り返しますが、正しい努力の方法を知ることは死ぬほど大事です。
(私がこれから書いていく事も、正しい努力の方法もふくんでいると思います。)

ですが、それ以前に完全素人の方が長編小説を書きあげたいならば「小説を書く努力」以上に「環境を整える努力」をされたほうが賢明です。

現在、作業時間が1時間しか取れないなら、さらに時間を確保する努力。
もしくは、その1時間の質を上げるための努力。

仕事で疲れて執筆がとどこおるなら、(難しいのは承知で書きますが)転職する努力。
こういった努力が、本当の努力であり、まず見直すべきこととして最初に来るべきでしょう。

2完全素人の長編小説への取り組み(執筆過程)


・作業開始から10万文字小説の完成への流れを、作業経過から考える

作業開始から完成まで2か月半ほどかかりました。これは構想期間を含めてです。

構想期間

ここでは、ストーリーを20章くらいの章立てで考えました。

これは章のタイトルとおおまかな内容を書き出して、作品の全体像をイメージできるようにしたもので、A4用紙にして4枚くらいの量になりました。
これをプロットというかはわかりませんが、私は「脚本」と名付けていましたね。

(少し話はズレますが、脚本は小説ではありません。
私は小説を書いているつもりが、脚本になってしまっている時がありました。
小説は、すごく複雑に面白く書かれた脚本ではありません。自分の書いているものが「小説」なのか「脚本」なのか、はたまた「小説ではない何か」なのか? これは、素人の私が執筆しながら、つねに突きつけられた課題でした)


さらに、この脚本をクリアファイルの中にいれて、お風呂でリラックスしながらながめて作品の詳細をさらに考えていきました。
ラストはこの地点で考えていましたが、結果的にキャラクターが走り出して違う結果になりました。

それと、並行してキャラクターデザイン(と人物相関図の作成)です。ここの部分は後で詳しく書きます。

脚本とキャラクターデザイン(と人物相関図)を終わらせてから、書きはじめました。

1万文字あたりまで


ここまでは本当にどう書いて良いか分からず、しかも完成するかどうかもわからないため、暗闇の中を手探りで書き進んでいく感じです。
あまりに書き方が分からない時は、人工知能に「○○の小説を書きたい、例文を教えて下さい。」と人工知能に例文を書いてもらって、それを自分の文章になおしたりしていました。

2万文字あたり

で最初の盛り上がるシーンに入り、ここで一気にやる気に火が付きました。
「あ!自分が書きたかったことを、書いているんだ!」
そんな思いでした。
正直言って、完全素人でしたので変な話ですが「こんな凄いシーンを、作家でもない一般人の自分が書いて良いのだろうか?」という謎の疑問まで持ってしまいました。

たとえ、書き方が下手でも、自分の思い描いたストーリーを文章化するのは楽しいものです。

4万~5万文字まで

ここまで書き進めると「あ!これは自分でも最後まで書けそうだ!作品構想から予想して10万文字くらいは達成できそうだ!」という希望が見えてきました。

大事なのはここでしょうね。
自分は出来そうだ!という状況をつくり出す。その状況に自分を持っていく

こういった事だと思います。そして、こういった状況を作り出すのに必要な前提条件が環境であると思います。

また、このころには、どうしても自分が得意なシーン、不得意なシーンがあるとわかってきました。
不得意なシーンについては(たとえ人工知能に例文を考えてもらっても)3~4日悩んでも文章が書けない事がわかりました。
そのため、そのようなシーンは思い切って数行にまとめるなどしました。

例えば「会議」のシーンです。これは書けませんでした。
セリフを羅列するだけなら書けるのですが
書いていても、読んでも、死ぬほどつまらない。
そのため、長いセリフシーンはやめて
「会議の結果は○○になった。誰誰が反対したが、主人公は○○の意見で押し切った」
みたいな一文にまとめました。

*もちろん苦手なシーンも後々は書けるようになる必要があると思いますが、ここでは優先順位として小説の完成が第一目標です。

6万文字くらい

まで来ますと、もはやゴールが見えてきている状態になり、やる気も俄然わいてきます。
そのなかでもストーリー展開をどうするか?とか、情景の描写が上手くできないなどの悩みがありましたが
作業環境(=作業時間)さえあれば何とかなります。才能があるともっと楽です。
ストーリー展開が思いつかなくても4日くらい、1秒も休まずぶっとおしで頭のどこかで考え続ければ何とか思いつきます。

(締め切りがあるならともかく)考え続ければ何とかなる問題は、問題ではありません。
あとは淡々と完成を心待ちに、ニヤニヤしながら書き進めるだけです。

9万文字前後

ここは最後の山場ですから、悩むことは「自分が思い描いたクライマックスの表現が、上手く出来るかどうか?」ぐらいになります。ここでも作業環境が大事になります。

そうこうしている内に、無事完成しました


ラストは一気に書きたかったので、休みの日の朝から作業を開始し、午後に完成しました。

完成したときは、「この道、わが旅」という曲をYouTubeで何度も聞いて、感激に浸ったものです。

ああ、自分にも長編小説が書けるんだ!と。


3作品の構想、完全素人はどうやってストーリーを考えたのか?


・考え方

ここですが、私はイチからストーリーを考える自信などないものですから
自分が好きな小説のストーリーを借用』
    して
『自分が作ったキャラに演じさせる』

という手法を取りました。

この文章を読んでいらっしゃるからには、あなたは「小説を書きたい!」と思っているはずです。
そして、その書きたい小説は「あなたが嫌いな登場人物」が「嫌いなストーリー展開を繰り広げる」話ではないと思います。

ならば、まずは
あなたの好きなキャラクターを考え
・あなたの好きなストーリー展開を繰り広げる

このように考えれば良いはずです。

キャラクターが思いつかないなら、好きなタレントさんや友達や漫画やアニメのキャラクターから借りてきても良いでしょう。
ストーリーが思いつかないなら、好きなストーリーのドラマ・小説・アニメ・漫画から借りてくれば良いのです

例をあげますと
私の好きなストーリーは漫画「スラムダンク」
主人公はバスケットボールで、好きな異性の気を引こうとバスケットボールをはじめる。

私の好きなキャラクターは桜木花道を「綾瀬はるか」、赤城晴子を「佐藤健」、ゴリラを「米倉涼子」、安西監督を「マツコ・デラックス」みたいにしてみましょう。
若い人はわからないかもしれません、すみません。

「お前、バスケは好きか?」
湘北高校に入学した「綾瀬はるか」は、一目ぼれした男子「佐藤健」から女子バスケットボール部に入るように誘われる。

「佐藤健」はかつて中学時代は自分もバスケット選手だったが、交通事故でバスケが出来ない体になってしまっていた。
だから姉がキャプテンを務める湘北高校の女子バスケット部マネージャーになり、姉の力になりたいと思っているのだ。

湘北高校では1学期の始めにスポーツテストが行われており、綾瀬はるかは持ち前の運動神経を発揮し、そこで脅威的な得点を出す。
(実際に綾瀬はるかさんの運動神経が良いか?はとりあえず無視しときます。あくまで小説上の話です)
それを佐藤健は目撃していた。

佐藤健に好かれたい一心で、綾瀬はるかはバスケ部に入部届を出す。

しかし綾瀬はるかは、髪を赤く染めた不良だった。
「そんなチャラチャラした奴を、入部させるわけにはいかん!」バスケに本気な米倉涼子は、綾瀬はるかの入部をガンとして認めようとはしなかった。

その様子を「どうなるのかしらねえ、ほっほっほ」とにこやかに見守るマツコ・デラックス監督がいた。

さらには綾瀬はるかのライバル役に天才バスケプレイヤー役(流川楓)として「奥菜恵」を加え物語は展開していく!

という感じに作品のストーリーが出来てきます。

これって単なるスラムダンクのパクリじゃ??
そう思われるかもしれません。

それでも、まずは長編小説を書きあげたいのならば
いかに自分がこれから書く小説を愛し、熱量をぶち込めるか?が大事になります。

何の手ごたえもない、面白いか面白くないかも分からないモノと人間は向き合えません。

賞を狙ったり、作品として出版するなら話は違ってくるかもしれませんが、
とりあえず人生初の長編作品を完成させるのが目的ならば
メンタルの全てを支えるのは作品への愛情と熱量になります。

きか?
あなたは、
これから描くであろう、彼ら彼女らが好きか?
彼ら彼女らが歩む道を、愛せるか?
彼ら彼女らが、熱く織りなすドラマを、抱きしめたくなるまでに好きになれるか?

問うが良いでしょう。

繰り返します。
私はイチからストーリーを考える自信などないものですから
自分が好きな小説のストーリーを借用し、自分が作ったキャラに演じさせる
という手法を取りました。
・キャラクターが思いつかないなら、好きなタレントさんや友達や漫画やアニメのキャラクターから借りてきても良いでしょう。キャラクターだけ借りて名前を変えれば、ある程度オリジナルキャラになります

・ストーリーが思いつかないなら、好きなストーリーのドラマ・小説・アニメや漫画から借りてくれば良いのです。

・私の場合

私の場合は、北方謙三さんの「活路」という剣豪小説を元に考えました。

若いころに読んで、カッコいいな、自分もこういった小説を書いてみたいなと思ったからですね。やはり愛情や熱量が大事です。

この剣豪小説は、主人公が二人いまして、さらにサブ主人公みたいな人がおり、その剣豪三人を柱に物語が展開します。
ストーリーは主人公二人の出会いがあり、最後は決闘して相打ちになります。
このストーリを借りることにしました。
(ただ、最後は私のキャラの動きに任せたところ、違う結果になりましたが。)

登場人物メインの剣豪三人も、元は「男性三人で、それぞれが一刀使い」なのですが
私はそのうち「二人を女性にして、一人を二刀流の男性」にしました。
もちろん性格は、元の小説のキャラとは違い、私が好きな 書きたい性格にしました。
(そのため、ストーリーは序盤の終わりあたりから元の北方小説を大きく逸脱し始めましたが。)

私の場合のまとめ

ストーリー →北方謙三「活路」をパクる

キャラクター →北方謙三「活路」は3人の男剣士が柱となる →自作のキャラ(女性二人+男性一人)にする

このように、一冊の完成された物語を元にストーリー+キャラクターをつくると
それなりのボリュームをもった作品の構想が出来上がります。

また、描くキャラクターが元の作品と異なれば、自然とストーリーは元の作品と違っていくので
完全なパクリみたいな完成結果にはならないと思います。

4キャラクターデザイン


ここでキャラクターデザインをどのようにしたのか?を書きます。
長い期間をともに過ごすキャラクターたちですので、キャラクターの元ネタはあるでしょうが、綿密に設定したほうがいいですね。

・キャラクターデザインの要素


私の場合は
・名前と性別と年齢
・生い立ち
・剣士としての特徴
・作品の中での立ち位置、役割
・おおまかな性格
・おおまかな外見
・おおまかな服装の好み
・人生の価値観(生きていて、何が大事で何を求めるか?)
・いかにもそのキャラが作中で言いそうなセリフを5~10個
・そのキャラのテーマソングを1~3曲

このような項目を考えて印刷しておきました。
また、作品中ではストーリーの進行とともに、変化していく部分もあるので、そこは作品開始時のものとは別に作り直したりしています。

たとえば、剣士ならば戦いに敗れたりすることで、自分の勝負に対する価値観を変化させざるを得なくなったりするものです。

・私の場合のキャラ作成例

以下に私が作成した脇役キャラの設定を簡略化して書いておきます。

・名前/マヤ(女性・20歳)
・生い立ち/魔法使いの一族にうまれるが、父親が剣豪小説好きで影響を受け剣士になる。
・剣士としての特徴/器用に剣を扱う。魔法も使える。師匠の二刀流にあこがれ物語の終盤では二刀流の使い手になる。
・作品の中での立ち位置、役割/主人公Bの弟子。主人公Bの補佐。主人公A/B二人との関係の人間ドラマ。ラストの鍵をにぎる。
・おおまかな性格/好奇心旺盛。明るい。感情豊か。まれに怒ると言葉づかいが悪くなる。努力家。地図が読めない。器用。追い込まれると人のために頑張れる。
・おおまかな外見/かわいい感じの戸田恵梨香
・おおまかな服装の好み/動きやすいスポーツブランド
・人生の価値観(生きていて、何が大事で何を求めるか?)/みんな仲良く楽しく
・いかにもそのキャラが作中で言いそうなセリフを5~10個
「師匠にあこがれて二刀流をマスターしました!」
「師匠は馬鹿ですか?」
「やはり私は、道に迷う」(←地図を読めないため)
「地獄のように熱い茶碗蒸しを作ったわ」(←ライバルの女剣士に食べさせる料理を作った際のセリフ)
「みんな助かったんですね、、本当に良かったです」
「そんなの、やってみないと分かりませんよっ!」

・そのキャラのテーマソングを1~3曲
鈴木あみ「BE TOGHTER]
Ado「新時代」
ボニーピンク「it's gonna rain(るろうに剣心のED)」

このキャラクターは主人公Bの弟子という脇役ですが、このように設定を考えています。主人公クラスはさらに複雑に設定しています。

ちなみに上記キャラクターを用いた1シーンを以下のリンクで発表しています。これは作品の一部を抜き出して、さらに練習のためにセリフのみの描写に挑戦したものです。1800文字程度で5分で読めるものです。
内容は、このキャラクターが敵の女剣士に師匠からの贈り物を届ける際の、気持ちのせめぎ合いを描いたものです。(リンク先では麻耶と表現しています)


・人口知能を用いたテクニック


ちなみに、私の考えた手法ですが
このようなキャラクター設計の二人分を人工知能に打ち込み、
「この二人が○○のようなシチュエーションで会話すると、どのような会話になると思いますか?」とシチュエーションを指定して会話をさせてみると、なかなかに創作意欲を刺激する会話をしてくれます。

例えばライバル同士のキャラ設定を読み込ませた後に「この二人を、中華料理を食べながら、剣の修行方法について会話させてください」みたいな命令を打ち込んで、会話させるといった事をやっていました。

5完全素人が、執筆上やったことでおススメできるテクニック



1テーマ曲などの設定


私の考えとして
「人間の書く文章(文体)は、そのときの自分の心身の状態に支配される」
というものがあります。
つまり、
楽しい時には楽しい文章。
悲しい時には悲しい文章。
平凡な気分の時には平凡な文章。
激しい感情の時には激しい文章。
という風に、人間は自分の中の何かに、書き出す文章(文体)を支配されています。

戦いの文章を書くなら、あなたは自分の中で戦っていないといけない。
また、
悲しいときに、楽しい文章を書けるならあなたは「嘘」を書いていることになります。

ですので、自分の中の状態を、どのようにして文章を書くのか?ここは死ぬほど大事です。
俗な言葉で言うと「執筆モードに入る」みたいなものです。

では、どのようにして自分の中を整えるのか?という事ですが
私は音楽の力を積極的に借りました。

小説のテーマ曲を設定して、執筆期間中はなるだけ聞きました。
このテーマ曲は、読者が 今自分が書いている小説を読了した後にどのような読後感を得るか?得て欲しいか?
その読後感に近い音楽を探し当て、それに設定する必要があります。

また、章ごとのテーマ曲も、各章ごとに設定しました。
あと、登場人物ごとにテーマ曲もあります。

ですので執筆に入るまでに色んな曲を聞いて、そのシーンにふさわしい身体の状態にするのに下手すると30分~1時間くらいかかります。
(例えば、あるアーティストのアルバムを丸ごと聞くと、1曲きくのとはまるで違う深い感覚が体に入ると思います)


こうすることで、その小説のそのシーンにふさわしい言葉を「体が勝手に選び出してくれるようになります」
またそのシーンにふさわしくない言葉を選びそうになった場合に「あ、この言葉は何か違うな」と体感として気づきやすくなります。

小説とは小手先の文字による説明ではなく、体をフルに使って生み出される感情や感覚を文字をもちいて伝えるものだと私は思います。(もう少し詳しく考えを持っていますが、ここでは詳しくは説明しません)

1-2私の例

私の場合、執筆開始当初の小説テーマ曲は「井上陽水・移動電話」でした。
小説の読後感にこの曲を聞いた後の気分になるようにと思い設定しました。

また、主人公たちが斬り合うシーンでは「FF6・妖星乱舞」「FF7・セフィロスのテーマ」「るろうに剣心・志々雄誠のテーマ」

ラブシーンでは「となりのトトロ・風の通り道」「松たか子・夢のしずく」

最終決戦に挑む主人公たちのシーンの曲としては「讃美歌・アメージンググレイス」
などを設定して執筆の際のモードを整えるようにしました。
合計すると30曲くらいを使用しました。


2予告編の作成

小説を2万文字あたり書き進めたところで、だいたいの完成の全体像が見えてきたため、作品の予告編文章を作りました。
映画とかでよくありますよね。
2~3分くらいで見どころ映像をつなげて作ってある、予告編です。
これを自分の小説でやります。

この予告編を作って眺めることで、得体のしれないモチベーションが湧いてきます。

小説の帯に書いてあるような文章。文庫本の小説の裏表紙に書いてあるような文章。
それを自分の小説のために、自分で書くのです。

・小説のウリ
・自分の小説の一番盛り上がるところ
・伝えたいテーマ
・主人公や登場人物の言う一番印象に残るセリフ

こういった事を文章にまとめ、さらにその予告編専用のテーマ音楽を設定しておきましょう。

2-2私の例

ちょっと恥ずかしいですが、私が自分用に作った「予告編の一部」をコピーしておきます

頬を熱い何かがながれていく。泣いているのだと気づく。
そして同時に、自分はこらえきれない怒りを抱いているのだと。
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「どうして?どうしてあの人と戦うんだ?せっかく平和な暮らしをつかみ取ったんだぞ!」
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「ねえっ!(主人公A)と師匠は、誰がどうみたって互いに好きあっている仲じゃないですか!それが、それが何故、戦うんです!!どちらかが、死ぬんですよ!!!馬鹿じゃないですかっ?」
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(青年の)育ての親にも等しい師にはわかっていた。
青年が愛する女性剣士に出来ることは、
ただ、全力で向き合い戦うことしか、残っていなかったのだと。
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木刀を置く。真剣を腰に差す。美しい赤と黒で彩られた柄。
剣の名は朝霧。
それは、彼女の愛した青年がくれた剣だった。

テーマソングは「るろうに剣心の次回予告の音楽」

このような感じです。
人に見せると恥ずかしいのですが、自分でながめては執筆意欲を掻き立てていました。

登場人物たちの熱い気持ちを、必ずカタチにして完成させる

強い酒を求めるような、渇きをもって筆を執る力
これをどんだけ持てるか?
持てるだけの底力と、テクニックをいくつ持っているか?

そしてそれを面白がることが出来るか?

このあたりが、素人が長編小説を書きあげるためのヒントになると思います。

6まとめ


以上が人生初の10万文字長編小説を書きあげた、完全素人の私のおおまかな発見です。
これから小説を書いてみたい、書きたいけどどうすればいいのか分からない人の何かのヒントにはなったと思います。

このnote文章+ちまたに出回っている「小説の書き方」を組み合わせていただければ長編小説は書けると思います。

念のため強調しますが、優先順位の一位は努力ではなく「環境」です。
ここをよ~く整備してください。

詳しく掘るともっと何か出そうですが、そこはしばらくゆっくり風呂にでも入りながら考えます。

あと、念のためですが、本当に私は完全素人ですので文章力はまだまだ発展途上の47歳・男(1975年生まれ)です。

今後とも小説を書いて上達していく上での発見を、投稿していきたいと思います。

小説家を目指す皆さん、一緒にがんばりましょう!



その後「言の葉の庭」+辻村深月 みたいなテイストを目指して短編小説を書いてみました。
自分の表現力のなさに愕然としながらも、とりあえず人に見せて評価が欲しいと思った最初の短編です。


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