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浄瑠璃翻刻

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主に宝暦(1751〜74)前後の浄瑠璃の翻刻です。順次増やす予定です
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記事一覧

「昔男春日野小町」跋

「昔男春日野小町」は、竹田出雲・同小出雲・近松半二その他の合作により、宝暦7年(1758)12…

堀越 仁
1か月前
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「昔男春日野小町」梗概

※以下、段名は「道行」を除き、仮に名付けたものです 初段 (大序・大内の段) 時は陽成帝の…

堀越 仁
1か月前

「昔男春日野小町」翻刻 五段目

〈地〉僻める時は汝の戮となる、悪逆まさに超過せし、藤原基経、陽成院を滅さんと、車崎に出張…

堀越 仁
1か月前

「昔男春日野小町」翻刻 四段目

[道行千種の戎歌] 世渡りと世を忍ぶ身は様々の、憂きを引きかへ浮蔵主、〈歌〉花が見たくば…

堀越 仁
1か月前
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「昔男春日野小町」翻刻 三段目

〈地〉いちはやき月の冠を脱ぎかへて、今は情も厚額、在五中将業平と、よそ目にしるき家造り、…

堀越 仁
3か月前

「昔男春日野小町」翻刻 二段目

〈地〉すぎはひをあだにはなしそ著き、神の教へもそれぞれに、商ひ神や寿命神、病ひ疫病風除け…

堀越 仁
3か月前
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「昔男春日野小町」翻刻 初段

※テキストはhttps://iiif.dl.itc.u-tokyo.ac.jp/repo/s/kuroki/document/8f4d0305-13ed-41ea-a8ce-3a913b7df278#?c=0&m=0&s=0&cv=1&xywh=144%2C98%2C310%2C393を用いました。 要領は前作に準じます。 昔男春日野小町        作者 故竹田出雲                    竹田滝彦 〈序詞〉雲には衣裳を想ひ花には容を想ふ、明皇の解語の花

「姫小松子日の遊」跋

「姫小松子日の遊」は、宝暦7(1757)年2月に、竹田小出雲・近松半二その他によって作られた五…

堀越 仁
4か月前
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「姫小松子日の遊」梗概

以下、段名は仮につけたものです。 初段 (大序・北野の段) 時は高倉帝のころ、中宮は懐妊の…

堀越 仁
4か月前

「姫小松子日の遊」翻刻 五段目

〈地〉年光止まらざることは奔泉下流の水のごとし。さても源牛若は、なにとぞ平家を討ち滅ぼし…

堀越 仁
4か月前

「姫小松子日の遊」翻刻 三段目

「〈二上り歌〉夢に戸叩き現に開けて、水のたる様な前髪様と、朝日さすまで寝てござる、ション…

堀越 仁
4か月前
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「姫小松子日の遊」翻刻 二段目

〈地〉神さへも時世につれて盛衰の、平家信仰の神なればとて、都に移す今熊野、群集もよくる大…

堀越 仁
5か月前
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「姫小松子日の遊」翻刻 初段

要領は先に準じるものとしました。http://image.oml.city.osaka.lg.jp/archive/detail?cls=anc

堀越 仁
5か月前

「平惟茂凱陣紅葉」跋

「平惟茂凱陣紅葉」は、先に翻刻した「崇徳院讃岐伝記」と同じ宝暦六(1756)年の10月に竹本座で初演された五段続きの時代浄瑠璃で、作者の顔ぶれも、近松景鯉が入っているほかは、同様に二世竹田出雲・近松半二・三好松洛・中邑閏助です。内容は王朝物と言って良いもので、天下を狙う阿曇諸任の野望を挫かんとする平惟茂(正しくは「維茂」ですが、ここでは浄瑠璃の表記によります)・柏木左衛門と、その周辺人物の苦衷を描いております。 平惟茂は貞盛の養子で鎮守府将軍にまでなった人物で、すでに「今昔物