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「変化を恐れず、成長をつかみ取る」実務経験1年で入社したエンジニアの挑戦

こんにちは。Finatextホールディングス 広報担当、ミヤカワです。

Finatextグループのメンバーを紹介していく社員インタビュー。今回は、少し変わったご経歴をお持ちのエンジニア、岩本直樹さんにお話をうかがいました!

岩本 直樹 - 株式会社Finatext エンジニア
2017年に高専卒業後、製薬会社に新卒で入社。退職後、テックスクールに入り、フィリピンにて3か月間、英語でプログラミングを学習。帰国してエンジニアに転身し、2021年にFinatext入社。保険事業のフロントエンド開発を主に担当する。映画が好きで、最盛期は年間100本ペースで視聴。最近は月2~3本程度に落ち着いているものの、毎年「コナン君」は欠かさず観ている。

誰にでもできる仕事はなくなっていくと痛感した

– 本日はよろしくお願いします!早速ですが、岩本さんの現在の業務内容をお伺いしてもよろしいでしょうか。

保険事業(SaaS型保険基幹システム「Inspire」を中心とする事業)のフロントエンドエンジニアとして、パートナーである保険会社さんとともにデジタル保険の新規開発に携わっています。入社後すぐに、「サービス組み込み用 キャンセル保険(※)」開発プロジェクトのマネジメントを任せてもらいました。サービスリリースを経て、現在は販売パートナーと連携して実際にキャンセル保険の販売を開始しています。

※ サービス組み込み用 キャンセル保険
旅行や宿泊、レストランやテーマパーク、出張フォト撮影など、さまざまな事前予約型サービスのキャンセル料を補償する「キャンセル保険」をサービスに組み込んだかたちで提供できるようにする、事業者向けのソリューション。

– 入社して早々に開発のマネジメントをされたとのことですが、元々プロジェクトマネジメントのご経験があったのですか?

いえ、ありませんでした。それどころか、入社当時のITエンジニアとしての実務経験は1年くらいだったと思います。元々別の仕事をしていて、途中でエンジニアに転向したんです。

– そうなんですね!以前はどういった仕事をされていたんですか?

新卒で入社したのは製薬会社で、工場勤務でした。私は高専を出ているんですが、学んだ知識を活かすなら製造現場かなと思ったんです。ところが、入ってみたら想像と違ったというか、毎日同じことの繰り返しで、次第に「このままではマズイ」と感じるようになりました。

– あまり成長を感じられなかったということでしょうか。

そうですね。トラブルシューターとしてシステムに不具合が発生したらメーカーに問い合わせるとか、マスタデータをひたすら登録していくとか、言葉を選ばずに言うと「誰にでもできる仕事」でした。決め手となったのは、システム管理者になったときのこと。業界の動向を探るためにアメリカを視察する機会があったのですが、現地の工場や倉庫が徹底的に自動化され、ほぼ無人で動いているのを目の当たりにしました。工場のシステムを改善していく立場でしたので、突き詰めると自分の仕事をなくすことになるのではないか。自分で自分の首を締めていく将来を想像し、危機感が芽生えたんです。

ITエンジニアへの転身と2度目の転職。未知の金融業界へ

– そこでITエンジニアになろうと思ったんですね。

はい。世の中を動かすシステムやテクノロジーを扱う仕事に就こうと思い、会社を辞めてテックスクールに入りました。当時はテックスクールの黎明期くらいだったと思います。ただし、スクールで学んでも実務経験が身につくわけではないので、せめて語学力を磨いて差別化を図ろうと、思い切ってフィリピンでプログラミングを学ぶことにしました。ただでさえ分からない分野を現地の人に英語で教わったので、なかなかハードな三か月間でした(笑)。

– それは思い切りましたね!帰国された後、別の会社に入社していますが、前職ではエンジニアとして働いていたんですか?

そうです。実務を経験してスキルの幅を広げたかったので、自社開発をしていて裁量権の大きそうな会社を選んで就職先を探し、とある学校法人のグループ企業に入りました。そこでは、学生の応募管理システムや学生証を管理するアプリのサーバサイドやフロントエンド開発に関わっていました。

– 聞く限りでは裁量もありそうですが、そこからどうしてまた転職をしようと?

理由はいくつかあるのですが、まず途中で会社の方針転換があり、自社プロダクトではなくグループの仕事を中心にやることになったんです。使われていた技術も少し古く、調べても数年前の記事しか出てこないといったことがザラにあって、エンジニアとしての成長が見込みづらかったというのが大きいですね。あと、周りの人たちが息をするように会社への不満を言っていて、そういう環境から脱したかったというのもあります。

– なるほど。色々な事情があったんですね。Finatextのことはどこで知ったのでしょうか。そして、どのような印象を持っていたのかも教えてください。

次の職場を探すにあたって、技術力が高いところで働きたいと思っていました。エンジニアである以上、技術力や技術への感度が高い環境で働くに越したことはないだろうと。Finatextのことはエージェントに紹介されて知りましたが、採用している技術がモダンでしたし、テックブログを見ても自分の知らない内容が多く載っていて、刺激が得られそうだなと感じました。

さらに、プロダクトドリブンな開発ができる環境も魅力的でしたね。前職時代に、一部SES事業に関わっていて、大手SIerの現場に常駐していたことがあります。そこでは、プロダクトのことを考えると明らかにマイナスになるにもかかわらず、クライアントの要求をそのまま聞き入れ、技術負債を抱えてしまう、といったことが日常茶飯事でした。Finatextは、自社プロダクトとパートナーとの協業によるプロダクトの両方をやっていますが、どちらも良いプロダクトを作ろうという強い意思を持っていることが伝わってきて、そういう環境で働きたいなと思いました。

– ありがとうございます。ちなみに、扱っているプロダクトは金融や保険が中心ですが、これまでに元々接点はありましたか?

いや実は、全くと言っていいほどなかったんです。保険に入ったことすらありませんでした。これは入社理由というよりは、後で改めて感じたことなんですが、一生使えそうなドメイン知識が身につけられるというのも魅力だなと思っています。不動産・建築・医療など、他にも長く役立ちそうなドメインはありますが、中でも金融は、覚えてからの即効性が高いと感じています。

プロダクトドリブンを追求する難しさを実感

– 冒頭の話に戻りますが、保険の知識もほぼない状況で、いきなり保険の新規サービスを手がけるというのはかなりチャレンジングだったのでは?

そうですね(笑)。保険については、入社後に資格取得も兼ねて基礎から勉強しましたし、今もパートナーである保険会社さんにも教えてもらいながら日々勉強しています。ただ、入社前に想像していたような大変さとはちょっと違いました。もちろん知識はあるに越したことはないのですが、目的は「保険とは何ぞや」を語れるようになることではなく、良いプロダクトを作ることなので、そのために必要な知識を身に付けるという意味ではそこまで大変なことではなかったです。

– なるほど。まさにそのプロダクト開発という点において苦労されたことはありましたか?

プロダクトのあるべき姿を追求するのは難しかったですね。やや込み入った話になりますが、キャンセル保険のサービスは、いわゆる「Embedded Insurance(エンベデッド・インシュアランス)」と呼ばれるものです。保険を他のサービスの中に組み込み、そのサービスを利用する文脈の中で保険の価値を提供しようという考え方です。それにより、サービスを利用する上での不安や懸念を払拭し、サービスの利用と保険の契約の両方を促進することができます。

ただ、保険の契約にあたっては、決められた情報を契約者から取得する必要があります。保険に加入したことのある方なら書類やフォームに色々な情報を記入した経験があるかと思いますが、あの作業をやってもらわないといけないわけです。しかも元々は別のサービスに申し込もうとしているタイミングに。利用者がキャンセル保険にメリットを感じてくれたとしても、いざ契約をするのに手続きが面倒だったら加入しようと思わないかもしれません。それどころか、サービス本体の顧客体験を損ねてしまう可能性があるので、そのような保険商品はそもそもサービス提供側が組み込もうとしません。

つまり、サービスの利用動線をなるべく邪魔せずに、サービス提供者と保険会社がWin-Winの関係になれる道を探す必要があります。実装する上での技術的な障壁や課題も色々とありましたが、そもそも保険商品自体の設計段階でどれだけそのことを想定できているかが何より重要。そういう意味で、ステークホルダーの調整も含め、プロジェクトマネジメントは特に大変でした。それだけに学びも多かったですし、無事乗り越えられたことで自信にもつながりました。

– 聞く限りでも相当難易度が高そうですが、どのように乗り越えたのでしょうか。

周囲の助けがあったからこそですね。プロジェクトメンバー全員が、自分でPMをやろうと思えばできるだけの能力を持っていて、その上で自分の得意分野にベストエフォートを発揮しているようなチームでした。しかも、みんなが「Jibungoto(Finatextグループのプリンシプルの一つ)」で動いてくれるんです。ヘルプを求めたらすぐに助けてくれますし、ここは考慮漏れがあるかもしれないとか、こういうインシデントが起きる可能性があるとか、PMとして至らない点をどんどんサポートしてもらえたのは非常に心強かったですね。

技術力と視座の高さを持ち合わせたエンジニアを目指して

– 優秀なエンジニアが多いとのことですが、岩本さんから見てどのような点が優秀に感じられるでしょうか。具体的なエピソードがあれば、聞きたいです。

入社前から感じていた通り、エンジニアリングの知識やスキルが豊富で、情報感度も高い方が多いです。たとえば、自分が知らないワードが出てきたとき、SlackやKibelaでその単語を検索してみると、たいていすでに話題に上がっていて、何なら一通り議論された後だったりするんですよね。先日も、JavaScriptの新しいフォーマッターが数日前にリリースされたという情報を見かけて、「へえ、そうなんや」と思ってSlackで調べたところ、リリース初日に情報が投稿されていて驚いたのを覚えています(笑)。

あと、先ほどのプロダクトの話にも関連しますが、ビジネスパーソンとしての視座の高さにも驚かされることが多いです。この間、「Inspire」というサービスブランドをどう展開していくかという議論をしたのですが、自分の意見をどう言語化しようか悩んでいるうちにどんどん議論が進んでいき、自分が考えていたこともすべて言われてしまって焦りました。普段から自社プロダクトや金融業界の未来を考えているエンジニアが多く、「業界としてこうなっていくべきだからプロダクトもこうしていこう」といった話をBizDevやPMとしている姿もよく目にします。

– そうしたエンジニアの中でも特に印象的な方や、岩本さんご自身が刺激を受けたという方はいますか?

保険事業のエンジニアのテックリードをしている山崎蓮馬さん(※)ですね。保険のドメイン知識の豊富さもさることながら、意見やアウトプットの質がとてつもなく高いと感じています。以前、クライアント(保険会社)とのミーティングで、「それはやらないほうがいいと思います。消費者にとってよくないから」と発言されていたことがありました。はじめはクライアントも私の周りも「なぜいけないのだろう」と理解が追いつかなかったのですが、よくよく考えてみると確かにそうだなと唸ってしまうような内容で。忖度せずに堂々と意見を主張する姿勢もさすがですが、何より意見の質とスピードが異次元でした。圧倒されると同時に、自分もそのレベルにならなくてはいけないと、身が引き締まる思いでした。

※2 山崎蓮馬さんのインタビュー

– 最後に、岩本さんが今目標としていることを教えてください。

現在、ありがたいことに保険事業には引き合いが多く寄せられていて、Inspireをご利用いただく保険会社向けのプロジェクトが複数動いています。とはいえ、Inspireというプロダクト自体もまだ発展途上。先回りのサポートや業務の幅を広げることでチームのリソースを確保し、プロダクトをもっともっと盛り上げていきたいと思っています。本日お話しした「Embedded Insurance」についても、キャンセル保険だけでなく、より汎用的な形へと拡大していきたいですし、チャレンジはまだまだ尽きなさそうです。

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▼岩本さんのMeety

▼保険事業で募集中のポジション

  • サーバーサイドエンジニア

  • プロジェクトマネージャー

▼Inspire開発チームの採用情報

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