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【経済的自立へ向けて】高配当企業の株価データ分析 その4:変動をそろそろ表現しよう

その1を見てない人は、まずその1を見てください。

前回の振り返り

4社の株価の変動

上記は、コロナ前の平常時(2016/7/1~2019/6/30)とコロナ時(2019/7/1~2022/6/30)の高配当企業4社の株価変動を示したものです。
 この変動をうまく表現するのに大変優れた統計指標があります。

 それが、標準偏差です。一般にσ(シグマ)と呼ばれます。

 この標準偏差までたどりつく道のりが大変長いです。
 前回、偏差平方和を使うとばらつきがうまく表現できる、でも数が増えると偏差平方和も大きくなるので、数が違う者同士を比較するのが難しい、どーしよーというところまでやっと来ました。
→ 前回の議論はこちら

イケてるネーミング

 例えば、「波乱万丈のジェットスター経営を信条とするA社」の半年の株価の推移が以下だったとします。

A社 1月:100円 2月:300円 3月:200円 4月:100円 5月:300円 6月:200円

 この場合、
 1月~3月の偏差平方和=20,000
 1月~6月の偏差平方和=40,000
 となります。

 でも、変動の仕方は、1月~3月も1月~6月も変わらないので、変動を表現する数字としては同じ値になってもらいたいものです。

 「どうすればいいか?」

 これは答え分かりますよね。
「平均をとれば、一緒になるでしょ」その通りです。

 平均をとると
 1月~3月の偏差平方和の平均 = 20,000÷3 = 6,667
 1月~6月の偏差平方和の平均 = 40,000÷6 = 6,667
 と同じになります。
 
 やりました! そして、これを偏差平方和の平均と毎回呼んでいると名前が長くて大変なので、短い名前がついてます。それが「分散」です。なんかどこかで聞いたことありますよね。結構直感的に分かりやすい良いネーミングをしたものと思います。めでたし、めでたし。やっと変動を表現できました。

分散の問題

 以上終了。
 
 とできるとよかったのですが、実は分散にも問題がありました。
 「分散、おまえもか」 ※分散自身は裏切ったりはしてないです。
 
 分散の問題は、もともとの数字を二乗して計算しているので、オーダーがもとの数字と合わなくなってしまっているということになります。A社の例で言うと、平均が200(円)に対して、分散は6,667(円・円)と、数も異常に大きいし、単位も(円・円)というわけのわからないものになっています。

 「別にそれでもいいんじゃないの」
 と思われる方がいらっしゃると思います。私もそう思います。ただ、昔の頭のいい人たちはこれでは満足しませんでした。

最大のクレーム

「もっと、便利にしなくてはならない」
 と思い、あまたをひねりました。そして考えついたのが、ここまでひっぱりにひっぱってきた、標準偏差です。

 「単位が(円・円)になってるなら、ルートをとれば(円)になるじゃん」
 という考えで、分散のルートをとったもの、それを標準偏差と名付けました。A社の例でいうと、平均200(円)、分散 6,667(円・円)に対し、標準偏差 82(円)となります。単位も円だし、数字の大きさも平均と近くていい感じで
すね。さすが昔のあまたのいい人です。

 ただ、1つ強いクレームがあります。

 せっかく分散というイケてる名前をつけたのに、また偏差平方和と同じ一般の人が嫌いな方向のネーミングに戻ってしまっている・・・・・
 これを私は大変悲しく思ってます。標準偏差の名前がもっと身近なものだったら、もっともっと沢山の人が当たり前のようにこの数字を使っていて、結果株で成功して、経済的自立をしている人が増えていたのに、と遺憾の意を表明せざるを得ません。
 
 「じゃあ、標準偏差はどんな名前だったらよいか?」

 それを次回までの宿題にしたいと思います。
 See you next time! 少しずつ前に進んでいきましょう!

※次に進む場合はこちら

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※綾小路英虎の自己紹介はこちら

 

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