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私が愛する人の記憶に残したいこと


大根おろしを作っていてふと思い出した。


私は大根おろしは食べるのは好きだが作るのは面倒くさくて嫌いだ。


大根おろしなんて誰がしても同じかもしれないが

なぜか長女が作る大根おろしは舌触りが滑らかで甘みがあって美味しいのだ。

そして我が家ではいつの間にか大根おろしが必要なとき

長女が大根おろしの担当になっていた。

長女が昨年一人暮らしで家を出てからは大根おろしが我が家の食卓にのぼることもあまりなかったのだが (面倒くさくて😓)

昨日は良いお肉を半額で買えたので、夫と今晩はお肉を焼いて大根おろしとポン酢で食べようということになった。

久しぶりに私が大根おろしを作っていた時

急に長女が家族のために大根おろしを作ってくれたことを思い出したのだ。


『Yちゃん(長女のことです)の大根おろし美味しいから、大根おろししてくれる?』

と私が長女に頼むと


『うん、いいよ〜』

と二つ返事でいつも嬉しそうに答えて、一生懸命に大根をする長女の姿を・・・


そんななんでもない長女の大根おろしのエピソードを思い出した途端

私は今は一緒に暮らしていない長女のことが懐かしくて、愛おしくなった。

大根おろしで長女を思い出してほっこりするなんておかしいですか?


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話は変わるが

あれは下の娘が3歳の時だったから今から19年前の春のこと

私は体調に異常を感じてかかりつけ医を訪れた。

長女が小三(9歳)で二女が幼稚園の年少さん(3歳)の時だった。

そしてかかりつけ医から神戸の大学病院を紹介してもらい、詳しく検査を受けることになった。

大学病院での検査結果が分かるのは1週間後

その間は本当に心が落ち着かなかった。

夫から後から聞いたことだが、夫も不安で私に隠れて泣いていたらしい


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もし検査の結果が悪ければ最悪の場合

『二人の幼い娘を残して逝かなければならないのかも』と思うと
私は夜も眠れないほど心配で心配で

自分の体の心配よりも、もし私に万が一のことが起こった場合に残された二人の幼い娘たちの行く末のことが気がかりだった。


もしもの心配が頭から離れない私は検査結果が出るまでの1週間で娘たちのために何ができるのかを考えた。

たったの1週間で何ができるというのだろう?

平凡な人生を生きてきた私に・・・

そんな私が娘たちのために何ができるのか?

何も誇れるものや立派なものなんて持っていない私が娘たちにしてやれることは何だろう?


私が出した答えは


もしも私がいなくなって娘たちが私のことを思い出した時に

『ママはいつも笑っていたな〜』と、

私の笑っている顔を娘たちの心に焼き付けたいと思ったのだ。


私との思い出で一番最初に思い出すこと

『ママはいつも楽しそうに笑っていたな〜』

『ママの笑顔がママの思い出』と

そのような特別でもなんでもない私の笑顔を娘たちの記憶に残したい

と、ただそう思ったのだ。

それなら平凡な私にでもできるかもしれないと・・・


娘たちに私の笑顔を覚えておいて欲しいとか


私の泣き顔や怒った顔、悲しんでる顔を娘たちには思い出して欲しくないなんて

人間って切羽詰まると意外とシンプルなことを考えるんですね。

そのことにどれほどの意味があるのかは考える余裕もなかったけれども

ただただ 私は娘たちの心と体を私の笑顔でいっぱいに満たしたいと決めたのだった。


とにかく私は検査結果が分かるまでは不安だったけど、できるだけ明るく、たくさん笑って笑顔を絶やさずに娘たちに接するように努めた。

不思議なことに意識して笑顔でいると私の心も少しは落ち着いて

いつもならちょっとしたことにイライラしたり、娘たちを注意したりしていたのに

そんな小さなことで叱ったりするなんてばかばかしくて

とるに足らないことだと思えたのだ。


それよりも娘たちと過ごせる今この時をできるだけたくさん笑っていたい。

生きていることのありがたさや素晴らしさに感謝したい。

そんなことを考えながら、検査結果を待つ1週間、私は娘たちに毎日優しい笑顔を絶やさずに微笑みかけ続けていた。


愛する人たちの記憶に私の笑顔を残したい。

ただそれだけを願って・・・


このまま永遠に続いて欲しいと思った1週間だった。


検査結果は良性だった。

幸いにも日帰り手術と投薬と通院で私は再び元気を取り戻すことができた。


そしてあれから20年近く経っても私はおかげさまで元気に暮らせている。




大根おろしから話が飛躍しましたね💦



私も歳をとってアラ還になり、現在の方がどちらかといえばお空にいく順番が近くなっているのでしょうが

あの『不安と希望に揺れながら』笑顔で過ごしていた19年前の1週間をふと思い出して気がついたことは

今、私がこうして生きていることは当たり前のことではなくて

もしかしたら奇跡かもしれない

19年前のあの時から娘たちの成長を見ることができて

そして立派に成人してくれた娘たちの今日まで関われたことに感謝したい。


今でも愛する人が私のことを思い出した時に一番残したい私の姿は

笑っている顔、楽しそうに幸せそうにしている私の姿だと心に留めておきたい。


長女の大根おろしを一生懸命する姿を思い出して私の心が温かくなるように
いつの日か私の笑顔の思い出が愛する人の心を温められたらこんなに嬉しいことはない

19年前のあの気持ちを忘れずに
これからは今まで以上に笑顔を増やして毎日を過ごそうと思います。


ここまでとりとめのない私の話を聞いてくださりありがとうございました。


あなたは愛する人の記憶にあなたの何を残したいですか?



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