見出し画像

【番外編】友人Hのネガから(その1)

2年半以上続く自粛生活・在宅勤務のおかげ(と言ってはアレですが)で比較的時間が出来、当初は昔のネガの取り込み・編集作業を思いっきり出来ると目論んだのですが、現実は独り黙々と自宅で仕事をする毎日に加えて、どうにも気が重くなるニュースが次々飛び込んでくるので、仕事を終えてから読み取り作業をする気が起きず、ただただ空虚な日々を送っています。
そんな中、久しぶりに会った50年来の友人Hから、今から40年前:高校生の頃に撮影した10本分のネガシートを預かりました。

現代のデジカメであれば、画像データに日時や機材・位置情報などさまざまなデータが埋め込まれ、後々整理するのに活用できますが、銀塩フィルムの時代はそのようなデータは別途メモに書き残しておく以外方法がありません。
ズボラな私はほとんど記録を残していないため、いつ撮影したのかを思い出すヒントに、気象庁の昔の天気の記録や図書館で新聞の縮刷版や鉄道情報雑誌のバックナンバーをひっくり返して調べるなど、長年苦労していました。

今回貸し出されたネガシートには、有難いことに撮影日(撮影期間)が書かれていて、彼と共に沿線をうろつき回っていたことから、これまで不明だった撮影日の解明に大いに役立ちました。
記事への掲載許可もいただいたので、これから3回に分けて友人H撮影の写真を紹介します。


まずは下の写真、国鉄両毛線 前橋駅上り方面ホーム(2・3番線)の様子。

2番線に停車中の165系電車は、桐生発高崎行き各駅停車458M(前橋発14:07)、乗降口が各車両に2箇所しかないため、ドア付近が混み合っています。
当時の時刻表で、次の高崎行きは15:13と1時間以上間が空くためでしょう、利用客は乗り遅れまいと必死な様子です。

写真の右端に、この458Mに先行して走っていた貨物列車(1590レ)が3番線に待避していて、牽引機:EF12形電気機関車5号機のデッキ(手すり)が僅かに写り込んでいます。

駅の南から見る上り方面ホーム(友人H撮影)

日付のメモ書きと共に撮影日解明に役に立ったのは、駅の集札口(出口)脇に設置されていた「日付掲示板」(正式名称は不明 大型の日めくりカレンダーのような看板)が写り込んでいたことです。

上の写真では、屋根から吊るされたの駅名標の下を歩く人物の少し前、柱に隠れていますが「3」の文字がかろうじて見えます。
彼の撮影メモには5月31日とあり、前述の気象庁のサイトで当日の天気は「雨」とあるものの、撮影した午後2時頃の降水量は0、確かにどんよりした空模様だった記憶がありますので、メモ書きの撮影日で間違いないと判断します。

ちなみに万年カレンダーにれば1982年5月31日は月曜日、平日の午後2時になんで撮影出来たのか?中間テストの時期か?学校帰りに撮影したのかどうかの謎は、依然として残ります(苦笑)


「日付掲示板」(正式名称は不明)が写り込んでいたおかげで判明したのが、前橋駅に「ブルートレイン」がやってきた日。

なんとなく「木曜日だったような…」くらいのあやふやな記憶だけで、これまで1982年7月22日と勝手に思い込んでいましたが、過去の天気の記録でこの日は晴れ(降水なし)、夕方小雨が降っていた私の記憶とあわないのがずっと気になっていました。
貸し出されたネガを見ると、「オリエントファイナンス」の看板下にしっかり7月8日の文字があり、当日は木曜日、気象庁のサイトで「曇り一時雨」の記録があり、40年来のモヤモヤがようやく解消しました。

機関車の脇に立っている上下白のスーツの人は、団体旅行の催行者(団長)でしょうか?
会社の慰安旅行で仕立てた列車の様にも思え、白スーツの人は会社のお偉いさん、左でカメラを構えている年配の2人は「撮り鉄」ではなく、会社の従業員の様にも見えてきました。

2番線に停車中のEF58形電気機関車(友人H撮影)

いずれにしても、この列車に関しては手持ちの当時の鉄道情報雑誌をひっくり返しても掲載がなく、運転情報をどうやって入手したのか思い出せません。
我々の他にも複数の「同業者」がいましたが、ネットで検索しても情報が引っかからない謎のブルートレインです。
このページをご覧の皆さまの中で、当日の列車についてご存じの方は、ぜひ情報をお寄せください。


最後に謎のブルートレインのネガから1コマ。
左で傘を差して撮影している人物は高校1年の私です。

機回し作業中のスナップ(友人H撮影)

国鉄両毛線 前橋駅にて
1982年5月31日、7月8日 友人H撮影

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?