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Bounty Dog【14Days】

53
遠く、でもいずれ来るだろうこの世界の未来を先に走る、とある別の世界。人間達が覇権を握るその世界は、人間以外の全ての存在が滅びようとしていた。事態を重くみた人間は、『絶滅危惧種』達…
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2021年11月の記事一覧

Bounty Dog 【14Days】 63

63

 人間達が騒ぎ出した。リングの腕の中で揺れる子猫から狙いを外すと、新たな的に向かって猟銃を構える。半々の銃口がリングとヒュウラの頭部を指し示すと、ハンチング帽子を被った初老の男が声を張り上げた。
「化け猫は、後はあの騒がしい雌の1匹!それと犬鍋用の化け犬!2匹とも撃つぞー!雄犬は倒した奴の晩飯だー!!」
「おー!ハンティングゲームだー!!」
「負けないぞー!競争だー!!」
 人間達が楽しそ

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Bounty Dog 【14Days】 59-62

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 山道の一角に置かれた平たい岩の上で、陸鮫族の青年が仰向けになって日向ぼっこをしていた。鋸のようにギザギザした凶悪な歯が並ぶ大きな口を大きく開けて、大きな欠伸をして微睡んでいる。
 茶色い小鳥が口の中に入ってきた。嘴で歯を突くと、罠が発動するように鮫の口が勢い良く閉じる。思わぬ恩恵に機嫌を良くしながら餌をムシャムシャ噛んで飲み込むと、そのまま昼寝をしようと白眼になって、
 横から飛んできた

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Bounty Dog 【14Days】 57-58

57

 ククの住む穴から出ると、ヒュウラはリングに連れられて、土山の広場から離れた山林を歩いていった。幾分か移動すると、小川のせせらぐ岸に辿り着く。
 黄色い土で出来た縁と縁の間を、白濁した水が流れていく。川の側に並んで建てられている簡易な木の棚の上に、漁業用の大きな網が乗せられていた。ヒュウラは再び網を見付けると、接近して両手で掴んでから、背の先で立っているリングに振り向いて、仏頂面のまま尋ね

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Bounty Dog 【14Days】 54-56

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 ヒュウラは首輪の後ろに手を伸ばそうとしていた。網が身体に食い込んで腕を殆ど動かす事が出来ない。
 両膝を折った三角座りの格好で、袋のようになった網の中で拘束されている。謎の女はポニーテールにした長い金髪を揺らしながら、網の端を両手で掴み、肩に担いでヒュウラを袋ごと引っ張っていた。   
 時々、独特の鳴き声を口から発する。
「ニャー」
 女は山道を延々と走り続ける。坂道を登りきってからへ

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Bounty Dog 【14Days】 52-53

52

 謎の存在は、迫ってくる鮫男の頬を蹴り飛ばした。鮫は横に吹っ飛びながら、子供のような甘い声で悲鳴を上げる。
「ぶぎゅう」
 霧の中に消えた鮫を追う事なく、その場に立ったまま静止すると、周囲の霧が徐々に晴れてきた。数メートル範囲だが景色が少しずつ鮮明になると、乱入者の正体も次第に露わになる。
 若い人間のような女だった。
 歳は10代後半の見た目で、尻まである長い金髪をポニーテールにしており

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Bounty Dog 【14Days】 48-51

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 『世界生物保護連合』3班・亜人課の保護部隊が降り立った場所は、中央大陸のとある国にある、霧に覆われた荒地だった。底の深い谷も険しい崖も無いが、地面に目立つ草木は生えておらず、黄色味を帯びた岩が丸裸の状態で外気に晒されている。
 海産物を干す時に使うような厚手の漁業網が、かつては人間が暮らしていた民家だったと推測する、今は崩れかけている木造の小屋の側に建てられた物干し竿に掛かっている。何か

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