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Bounty Dog【アグダード戦争】

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遠く、でもいずれ来るだろうこの世界の未来を先に走る、とある別の世界。人間達が覇権を握るその世界は、人間以外の全ての存在が滅びようとしていた。事態を重くみた人間は、『絶滅危惧種』達…
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2022年11月の記事一覧

Bounty Dog 【アグダード戦争】258-259

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 紛争地帯アグダードで延々と続く2000年以上の戦争を終わらせる為に活動する民間革命部隊の内輪の喧嘩を瞬く間に収束させ、最後の敵勢力長・イシュダヌを親子ごと正体を暴くという大成長をしている保護官の少女は、同時に成長する遥か前に大罪を2つも犯していた。
 1つ目は、野生生物と同じ扱いである『亜人』のヒュウラに、出会って早々に人間の食べ物である海苔付き醤油煎餅を食べさせて大好物にしてしまった

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Bounty Dog 【アグダード戦争】254-255

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 ヒュウラは背負っている子分モグラ・ミディールと猫の亜人のリングに指示をして、部屋から梁伝いに離れて行った。離れ始めた時に、小さな違和感を持つ。
 梁の上で身を潜めていると、イシュダヌ軍の兵士が部屋から出てきた。暫く通路を歩いてから閉まっている振り返って、ボソリと小声で言った愚痴を聞き逃さなかった。
「我儘で兎に角自己中心的。目先の利益しか考えず、商売の利益の為なら誰彼構わずにとんでも無

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Bounty Dog 【アグダード戦争】253

253

 ヒュウラは『神輿』を探しながら、イシュダヌの商会施設で”羽虫”の如く予測不能の奇襲をしていた。奇襲は『実験』も兼ねて行っていた。人間の道具2個を使った凶悪炎反撃の他に、その時には出来なかった別の実験も、その後直ぐに実行した。
 2度目の実験で使ったものは喪失していない。建物の中でRPG弾を使うという極めて非常識な戦い方を、イシュダヌ軍の兵士達は平気で行ってきた。リングと彼女の背に乗って

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Bounty Dog 【アグダード戦争】250-252

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(無事に侵入出来たみたい。さっきは見事な火の輪潜りをしてくれたね。次は中でイリュージョンをしてくれると嬉しい。君達なら、出来るよね?)

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「あぎゃああああ!だから、其れはセールでも買う事は出来ないでやんすよ!?非売品でござんす。親びーん!!」
 麻薬・奴隷商会のイシュダヌ勢力商会支部の天井付近に張り巡らされた”毒霧装置換気用”通路を非常に低い姿勢で人間の暗殺者か諜報員のような動

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Bounty Dog 【アグダード戦争】248-249

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 今は”掃除済”の2大勢力の大将達は、イシュダヌの正体を勿論知っていた。『アマル』のエードウ・ビィ・ファヴィヴァバは、前奴隷商会長だったイシュダヌの父親とも、己のとっくの昔に”民間お掃除部隊”に掃除された父親繋がりで交流があり、4つ歳上のイシュダヌとは幼馴染に近い間柄だったが、実質は軍曹がラドクリフ邸で読んだファヴィヴァバの日記に記されていた通り、家来のように何時もコキ使われていた。
 

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Bounty Dog 【アグダード戦争】246-247

 地の底からは、どんなに深い場所からでも天に向かって這い上がれる。だが天高過ぎる場所に居ると、一度でも地まで転落したらほぼ確実に生き残る事は出来ない。

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 彼の今いる地から北の方角で、中央が黒く周りが白い大きな花弁が特徴の、阿片の花達が道のように並んで揺れている。アグダードは世界的にも非常に過酷な環境である砂漠地帯だ。人間が意図的に植えて管理しない限り、乾燥・熱波・そして極寒にも強い一部

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Bounty Dog 【アグダード戦争】243-245

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 『箱』の中は、一筋の光も無い闇だけの空間だった。ーー俺がこの『アグダード』と人間達に名付けられている、昼は途轍もなく暑く夜は途轍もなく寒い、土と砂と岩と、土に埋まっている”地雷”という爆弾と、空から降ってくる”ミサイル”という爆弾と、”ダイナマイト”等の名前が付いた沢山の爆弾と罠がある、物凄く危険だが物凄く色々なモノが綺麗でもある場所に来て半年。初めは本当に”何とも思わなかった”が、今

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Bounty Dog 【アグダード戦争】241-242

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「見付けてくれたのは、ウチの組織の情報部。思った以上に、余りにも有名人だったわ。アグダードの外ではね」
 紛争地帯アグダード“民間ゴミ人間お掃除部隊”のアジトの地下で、『世界生物保護連合』3班・亜人課の現場保護部隊長を務めているシルフィ・コルクラートは、通信機の画面を覗き込んだまま呟いた。液晶画面には、この場所から遥か北の端にある最後の存命支配者”イシュダヌ”が長として牛耳っている麻薬奴

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