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日記

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いろいろとあった。

 社会人になって一年が過ぎた。

 最初の6ヶ月はずっと研修。その後配属され、以降1ヶ月はひたすら怒られるばかり。その次の二ヶ月でどうにか業務がこなせるようになり、まともに仕事ができるようになったのはここ3ヶ月くらいのこと。もちろん、人並み以上に多くの失敗をしている。

 先月度で、数値化される業務成績が同部署の同期で1番になった。部署内では2番。他部署の人たちが僕のデスクの周りによく集まっている

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埋まらない穴

 外の気温はたぶん0℃を下回っていた。というのも、雪が硬かったし、表面がキラキラと鋭い光り方をしていたから。

 キリンジの『エイリアンズ』を聴きながら、夜の道を散歩した。「そ〜お〜さ〜 ぼく〜らはエーイリアンズ / 禁断の実 頬張っては〜」と歌った。

 恋人がいても、友達がいても、セフレがいても、埋まらない穴が心のどこかにあって、その空っぽさに向き合う時、僕は叫び出したくなる。このまま、この空

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発熱part2

また38度の熱が出た。

何かと流行りには疎い正確なので、例の病ではないと思う。

こういう日には、家に帰りたくなる。と思って、家がないことに思い至る。誰も、僕みたいなダメな人間とは住みたがらないのだろう。ちなみに、今の発言は「そんなことないよ」待ちです。

 その辺の犬に嫉妬する。いいなぁ、家があって。

 誰か僕を飼いませんか? 月3万円で飼えます。小型犬よりはちょっと高いけれど、大型犬よりは

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笛の音色、シャボン玉の色

「笛の音色とシャボン玉の色は同じ原理でできているよ」と彼は言った。
僕らは近所のスーパーに買い物に行く途中だった。僕はいつも紫いもを一本買っていたし、彼はシリアルを一袋買っていた。そして、帰り道でバリバリとかじりながら歩くのだった。

 我々は水田の近くを通った。いや、かつて、水田であった窪地と呼ぶべきかもしれない。水がためられ、その上に蓮の花が咲いていた。彼はシューマンの『蓮の花』を口笛で拭いて

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少しだけ好きだ。

喉の痛みと発熱がある。もしかしたら流行り病なのかもしれないし、ただの風邪なのかもしれない。

原因はよく分からない。手洗い・うがいはやり過ぎているくらいだし、睡眠も六時間以上はとっているし、ビタミンも十分。酒とタバコはなし。最後に女の子と粘膜の摩擦運動をしたのは十日前。思い当たる節があるとすれば、ここ最近、残業続きだったこと。でも、残業は苦にならない。昔からそうだ。ひとりでただ、目的もなくじっとし

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最近の休日

 デリヘルを利用した。お金の無駄だったが、世の中には面白いホテルがあるのだと知れた。様々な人生もあった。ちなみに僕の性欲は大したことのないものだった。支配欲もなく、ただ抱擁を求めていただけ。一緒にタバコを吸っている時間が一番良かった。

 男の友達と花火大会に行き、ナンパしようかどうか迷ってやめた。もうそういうのは卒業かな、と思ったのだけれど、帰り際、駐車場でちょっと、、、でもまぁ、連絡先は交換し

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中二病日記

 やってはいけない。そんなことは分かっている。

 それでも僕は、中二の頃につけていた日記を読み返してみたい、という衝動に抗えなかった。やっぱりそれは、フォロワーのきのさんの影響だと思う。

「こんなに賢い中二がいるんか??」と僕は何度も思っている。どこがどのように”賢い”感じがするのかは、ここには書かない。(書けない)

 代わりに、僕が中二だった頃の日記を書き写してみようと思う。「もっと頑張れ

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受験の手伝い

 少しだけ、東大の院試を受ける人の手伝いをした。今日、彼からの合格の知らせが舞い込んできた。とても嬉しかった。

 彼と知り合ったのは、友人が開いている他大学合同の自主ゼミだった。大学での成績や単位には一切関係しないゼミなので、それに参加する人は勉強熱心な人が多い。

 彼は、そうした熱心な大学生の一人だった。地方の国立大生で、院試の勉強をしようにも周囲に東大を目指す人はいなかったらしい。

 話

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今日はとてもいい日だった。[2021/8/17]

今日はとてもいい日だった。[2021/8/17]

今日はとてもいい日だった。

 朝、起きてから図書館に出かけた。霧雨が静かにあたりを漂っていた。道の途中で、黒猫のハルちゃんと数ヶ月ぶりに再会した。相変わらず彼女は、僕が足を留めると毛繕いを中断し、「ナオアーオ」と言ってから足元にすり寄ってきてくれた。そこで、僕らはちょっとばっかし旧交を温めた。

 それから、図書館に辿り着き、コイン・リターン式の傘立てに傘を置こうとした。その時、誰かの百円玉が取

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お絵描き2

ゆかしかるもの

草木に覆われた古ビル

植木に通せんぼされた裏扉

お絵描き

曲がっていて、先の見えない道が好き。

立ち止まって絵を描く。

暑いのでささっと鉛筆を動かす。

味が邪魔になる

 砂漠の中で水筒が空になるように、この猛暑の中、僕の食欲はすっかり空っぽになってしまった。逆さにして振っても一滴も出てこない。

 それでも、生きるためには何かを食べないといけないので、スーパーのお惣菜売り場に行って、半額シールが貼られてしまった孤独なお弁当たちを家に連れて帰った。寂しいのは君たちだけじゃない、と僕はお弁当に話しかけた。人気者になれなくったっていいじゃないか。自分が正しいと思うこと

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眠れない夜の文章2

 最近、やっぱり何かがおかしい。眠たい感じがするのに、寝付くことができない。不思議なことに、居眠りや昼寝すらもうまく行かない。

 かつて、酷く憂鬱な気分に苛まれていた日々のことを思い出す。あの頃は泥沼の中を這いずり回るようにして生きていた。すべてが死に絶えた沼の底で、闇雲にもがき続ける四肢欠損児だった。

 その時期、僕は夜の時間のほとんどをまぶたの裏の模様を見ることに費やした。その青白い揺らめ

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眠れない夜の文章

 眠れない夜に、こうしてキーボードを叩くという悪い癖は、もう半年ほど前に治したつもりになっていた。

 最近、少し、心がおかしな方向に傾いているのが分かる。寂しさが——僕を望ましくない行動に駆り立てる寂しさが——どういうわけか強くなっている。

 寂しさを強く感じる時、僕の持つ様々な欲が、しょぼしょぼ、しょぼしょぼと凪いでいく。もう何も食べたくない。眠りたくもない。

 分かり合えそうな気がした人

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