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2020年シーズンレビュー

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北海道日本ハムファイターズの2020年シーズンをポジションごとにレビュー。 サムネイル©報知新聞社
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#プロ野球

2020年シーズン投手陣レビュー【F】

2020年シーズン投手陣レビュー【F】

 コロナ禍の中で行われた2020年のプロ野球は3ヵ月遅れで開幕した。しかし、他方で試合数は例年よりも23試合減少したにとどまり、異例なほどに過密日程だった。
 各球団の首脳陣は毎週のように6連戦が続く中で、レギュラーの野手陣の勤続疲労に配慮する必要があったが、それ以上に投手のやりくりに苦労したはずだ。
 それはファイターズにおいても例外ではなかった。先発ローテーションには常に6枚の投手を要し、リリ

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戦力分析と来季に向けて 指名打者編【F】

戦力分析と来季に向けて 指名打者編【F】

 ポジション別レビュー企画も今回で最終回、最後はDH編。(投手については先発とリリーフという括りでは語り切れないので、選手ごとに別で考えています。)

1. 総評

 今季のDHは主に主力選手の休養のための枠として活用された。特に中田翔は一塁とDHでほぼ半々で出場し、昨季まではほとんどDHに入ることのなかった西川遥輝も全出場機会の15%近くをDHで過ごした。
 今季に限っては有意義に活用された印象

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戦力分析と来季に向けて 右翼手編【F】

戦力分析と来季に向けて 右翼手編【F】

 2020年シーズンポジション別レビュー企画、今回はライト編。

1. 総評

 ライトは大田泰示が不動のレギュラー。特筆すべきは守備力の高さ。今季は前半戦不振に喘いだが、それでも守備で大きな貢献を続け、中盤以降は打撃面とともに十分な活躍を見せた。

2. 変化を続けた大田泰示 まず、こちらの表をご覧いただきたい。

 大田の打撃の調子の推移を得点能力ベースで可視化したものだ。6,7月は不調を極め

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戦力分析と来季に向けて 中堅手編【F】

戦力分析と来季に向けて 中堅手編【F】

2020年シーズンポジション別レビュー企画、今回はセンターについて。

1. 総評

 2017年中盤以降、西川遥輝が不動のレギュラーとして君臨してきている。今季もレギュラーであることには変わりないが過密スケジュールの影響もあり1週間6試合のうち1試合はDHで出場した。その1試合を松本らが埋めたが、レフト同様思ったような成績を残せなかった。

2. 西川遥輝の進化

 今季はキャリアハイの出塁率.

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戦力分析と来季に向けて 左翼手編【F】

戦力分析と来季に向けて 左翼手編【F】

 2020年シーズンポジション別レビュー企画、今回は左翼手編。

1. 総評

 不動のレギュラーの近藤は今季も攻撃面で大きな貢献を見せ(Offenceチーム内1位)、チーム野手最高WARとなる4.5を記録。ただ、近藤は休養も兼ねてDHで出場するなどレフトでの出場が55.2%にとどまり、その分他の外野手にも出場機会が多く巡ってきたが、それぞれ好調の期間が短くパッとしない成績に終わった。

2. 近

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戦力分析と来季に向けて 遊撃手編【F】

戦力分析と来季に向けて 遊撃手編【F】

 2020年シーズンポジション別レビュー企画、今回は遊撃手編。

1. 総評

 ショートは最も守備力が要求されるポジションと言っても過言ではない。見ての通り、今季もショートは4選手しか守っておらず、ポジション別で最も少ない人数だ。それほど守備での影響力の強く、務めるのが難しいポジションなのだ。
 しかし、4選手が4選手とも守備で合格点を与えられるものではなかった。若手の平沼と石井は簡単なミスが多

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戦力分析と来季に向けて 三塁手編【F】

戦力分析と来季に向けて 三塁手編【F】

 2020年シーズンポジション別レビュー企画。今回は三塁手編。

1. 総評

 今季もチームのウィークポイントとなったサードのポジション。出場イニング数が最多だったビヤヌエバの出場割合が38.3%と全ポジションで最低だったことからも、サードが固定できなかったことがうかがえる。2018年にレアード(現千葉ロッテ)が退団して以降、その穴は解消されず2年が経過した。
 今季は、レギュラーとなると目され

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戦力分析と来季に向けて 二塁手編【F】

戦力分析と来季に向けて 二塁手編【F】

 ポジション別レビュー企画。今回は二塁手編。

1. 総評

 今季1人の選手の占める出場イニングの割合が最も高いポジションだったセカンド。渡邉諒は今季セカンドの出場イニング全体の90.3%を務めた。では、渡邉はレギュラーを勝ち取ったといえるか。
 あと一歩といったところだろう。WARは2年連続で2.0を超えず、ファイターズの二遊間の人材不足などを考えると、エブリデイスターターではあってもレギュラ

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戦力分析と来季に向けて 一塁手編【F】

戦力分析と来季に向けて 一塁手編【F】

 ポジション別戦力分析企画。前回の捕手に引き続き今回は一塁手編。

1. 総評

 昨季まで中田が全体の2/3以上のイニングを守っていたファーストだが、今季は中田の疲労軽減の目的もあり清宮の出場機会が多くなった。ファーストは捕手とは対照的にオフェンス面、特に打撃能力が大きく求められる。率直に言うと、Offenceでプラスを作れない選手ではファーストは務まらない。今季の中田は言わずもがな打撃面で成績

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戦力分析と来季に向けて 捕手編【F】

戦力分析と来季に向けて 捕手編【F】

 2年連続の5位に終わった2020年シーズン。ポジション別に戦力の充実度とその課題について話していこうと思う。今回は捕手編。

1. 総評

 絶対的なレギュラーは存在せず、2人で今季の85%の出場機会を埋めた宇佐見と清水はともに打撃で大きなマイナスを作りWARの数値もマイナスに。全体として今季大きくマイナスを作ったポジションの一つだ。早急な改善が求められるだろう。
 昨季も課題のポジションの一つ

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