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北海道日本ハムファイターズの2020年シーズンをポジションごとにレビュー。 サムネイル©報知新聞社
初戦を落とし後がない第2戦1点ビハインドの9回1アウトから、チームを中心選手として引っ張ってきた万波中正の一発で蘇り、見事に第2戦、第3戦と逆転勝利を収めて、福岡行の切符を手にしたファイターズ。 待ち受けるはここ7年間の12球団で最高勝率となる.650を記録した最強軍団ホークス。 そんなホークスの今季の戦力分析、直接対決における傾向、1勝のアドバンテージを持つホークスとの戦い方について考えてみよう。 ファイターズの2024年シーズンの戦力については、前回の1stス
7月以降の72試合を42勝27敗3分、勝率.609と非常に良い後半戦を過ごし、無事6シーズンぶりのAクラス入り、8シーズンぶりのCS本拠地開催を決めたファイターズ。 ここから先はチームの多くの選手にとっては未知の領域のポストシーズン。 まずはエスコンフィールド北海道で行われるファイターズvs.マリーンズの1stステージの展望をしたい。 1 2024年シーズンの両チーム 今季の両チームの成績は以下のとおり。 総じて見ると、ファイターズは打のチーム、マリーンズは投
6月からの不調期を乗り越え、オールスター前5連勝フィニッシュ。一時期底を尽きた貯金も4まで回復した。 今年のファイターズの過去2年のチームとの大きな違いは、打者陣の層の厚さにある。 2022年、2023年も中心選手はしっかりと成績を残していたが、簡潔に言うと打線のうち6人目以降はリーグ平均程度かそれ以下の選手でやりくりするのが精いっぱいだった。 そのため、マークが中心選手に集中する上に、中心選手が複数人不調に陥った際に、一気に打線のパワーが低下し、得点力不足に苦しん
#5 救援投手 救援陣は春先好調だったものの、5月中旬以降田中正、河野の2枚看板が崩れたところから一気に苦しくなった印象。 良くも悪くも60から70点程度は出すことができる投手が多いため、支配的な存在が欲しい。 31 パトリック・マーフィー 【評価】C 被本塁打は開幕4戦目に浴びた1本のみ。今季のファイターズの投手陣が被本塁打に苦しんでいる中で貴重な存在。 開幕からなかなか空振りを奪えず三振も増えなかったが、6月に入りWhiff%、K%ともに上昇。徐々にNPBに適応
#4 先発投手 開幕前熾烈に争われていた先発ローテの枠も気がつけば空きが出る状況に。 14 加藤 貴之 【評価】C 四球の少なさを武器に最も安定した投球を続け、投球回数はチームトップ。昨季以上一昨季未満といった成績だが、投高打低の現環境を加味すると、優秀な3番手の先発投手という印象。三振を多く奪う投手ではないため、もう少し被本塁打を抑えて成績を良化させたい。 球種別で見ると、フォークが数少ない空振りを奪う事の出来る球種、カットボールが優秀なカウント球といったところか。
#3 外野手 外野はライト万波、センター松本は確定で残り1枠のレフトを争うという構図。スティーブンソン、野村、五十幡らが開幕から最低限の成績すら残せずにいた中で、水谷が一気にそのポジションをかっさらっていった。 66 万波 中正 【評価】B 攻守にチームの中心となった万波。 シーズン序盤はボールを見極めようという意識を強く持った結果Chase%(ボール球スイング%)が20%強まで下がったが、その分ISOが昨季の.200から.150弱まで低下。 5月に不調な時期があっ
#2 内野手 内野手はコンバートが難しい二遊間の選手を多く一軍に置き代打を出すことが可能な状況を作り、両コーナーには郡司やマルティネスといった打力のある選手をコンバートしたことで、内野手には二遊間における一定水準の守備力か打力のいずれかが要求されている。 43 水野 達稀 【評価】A 田宮とともに今季の躍進の立役者の一人。ショートの打力不足と守備力不足の2つの問題を同時に解消した意味はとてつもなく大きい。 打撃は、選球眼が悪く空振りも多いが、その分自分のスイングを崩さ
6月終了に合わせてシーズンも143試合中71試合を消化し折り返し。 チームは開幕ダッシュに成功し長らく.600近い勝率を維持していたが、6月に6勝14敗3分(勝率.300)と大きく成績を落とし、33勝33敗5分(勝率.500)に。最大9あった貯金はついにゼロとなった。 そんな前半戦を選手ごとに振り返りたい。 野手は30打席以上、投手は3先発or10救援登板以上の選手について、前半戦のパフォーマンスを振り返り、僭越ながら、A(文句なし)、B(優秀)、C(及第点)、D(
開幕から早2か月、ファイターズは貯金7、勝率.581の2位。 貯金を持って交流戦に突入するのは2019年(貯金3、勝率.529)以来、2016年以降の9年間で交流戦前の勝率が最も高い。 そんなファイターズのここまでの強みと弱み、そして交流戦以降の展望を見ていこう。 1 チーム成績 大まかに振り返ると、3,4月は投手力で、5月は打力で着実に貯金を増やしてきたといったところ。 チームの打撃成績のうち、K%、BB%、Chase%の3つの指標がリーグ最下位なのはチームと
金村のリリーフ転向についての記事の後編を書く筆が進まないうちに今季も開幕してしまったので、4年ぶりの開幕カード勝ち越しとなった開幕3連戦をデータとともに振り返りたい。 1 高速化 まず、チームとしての大きな変化を感じたのは、リリーフ投手の球速アップだ。 過去2シーズンの開幕カードでのリリーフ投手のストレートの平均球速が145キロ台だったところから、今季は150キロ台まで大きくアップ。 選手別で見ても、河野を除く6投手の最高球速が150キロ以上を記録。7人のうち
金村尚真のリリーフへの配置転換が物議を醸している。 投手をどう起用するかについて、戦力を最大化するという観点から考察し、今回の金村のリリーフへの配置転換の是非を考えていく。 1 戦力の計算 まずは、戦力面で先発とリリーフをどう構成すべきか考えてみよう。 投手の運用は端的にいうと、”シーズン143試合、1300イニング弱をチームでどう分配するか”である。 この前提であれば、チーム内の良い投手から順番に多くのイニングを分配すべきであることは言うまでもない。
今回は少し趣向を変えて、最近話題のフリーエージェント制度における補償の全貌をフリーエージェント規約から解説していく。 フリーエージェント規約は以下のリンク先から確認することができる。2009年に作成されたものであるが、2009年以降内容に変更はないものと思われる。 https://jpbpa.net/wp-content/uploads/2021/12/fa2009.pdf 補償制度については、第10条(球団の補償)において規定されている。全7項にわたるが、一つ一つ
2022年12月、5年間過ごした名古屋に別れを告げ、アリエルが選んだ新天地は北海道。 シーズン前に選出されたWBCキューバ代表で準決勝まで戦い、その後わずか1週間の調整のみで迎えたアリエル・マルティネスの2023年についてレビューしていく。 1 基本スタッツ 2023年シーズンの基本的な打撃成績は以下のとおり。 プロ初の規定打席に到達。安打、二塁打、本塁打等の積み上げ系のスタッツは軒並みキャリアハイ。 打率、OPSその他の指標においては、終盤に尻すぼみとなり、
2023年3月30日、エスコンフィールド元年の開幕戦。四番の座を射止め、ポジションは自身がプロ入りから守り続けてきたサード。これ以上ないシーズンインだった。 しかし、シーズンが始まってからは上手くいくことばかりではなかった。プロ入り後初めて大きな怪我なく過ごすことができたものの、6月にサードのポジションを清宮に譲り、7月には不調による登録抹消を経験するなど苦しい一年となった。 苦しみながら一年間怪我なく戦い抜いた野村の2023年についてレビューしていく。 1 基本スタ
背水の陣で臨んだ2022年、右打者として球団史上初の首位打者を獲得し、一気にチームの中心選手に成長した松本剛。 そして、エスコンフィールド元年となった2023年。打線の核だった同期が退団し、気がつけばブレイクからわずか一年で周囲からチームリーダーとしての活躍を期待される存在となっていた。 そんな中で一年間完走した松本剛の2023年についてレビューしていく。 1 基本スタッツ 2023年シーズンの基本的な打撃成績は以下のとおり。 2年連続3度目の規定打席に到達。
2023年シーズンも終了し、ファイターズは1974-75年以来約半世紀ぶり2年連続の最下位。勝率こそ昨年を2厘上回ったものの借金22は横ばい。頭を抱えたくなる事実が並んだ。 皆さんは足早に2023年に別れを告げ、来季を見据えた新戦力の補強に心を躍らせているところでしょう。 そんな2023年シーズンにも、選手個々にはポジティブな要素がいくつもあった。 中でも万波 中正は最終盤まで本塁打王争いを繰り広げるなど一気にチームの顔になったといえる。 今回は、万波の2023年