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役者が揃い始めた打線【F】

 6月からの不調期を乗り越え、オールスター前5連勝フィニッシュ。一時期底を尽きた貯金も4まで回復した。
 今年のファイターズの過去2年のチームとの大きな違いは、打者陣の層の厚さにある。

 2022年、2023年も中心選手はしっかりと成績を残していたが、簡潔に言うと打線のうち6人目以降はリーグ平均程度かそれ以下の選手でやりくりするのが精いっぱいだった。
 そのため、マークが中心選手に集中する上に、中心選手が複数人不調に陥った際に、一気に打線のパワーが低下し、得点力不足に苦しんでいた。

 しかし、今季は87試合消化の時点で100打席以上に立ちwRC+115以上の選手が8人もおり(2022年は5人、2023年は3人)、一気に打線の層が厚くなった。

 序盤からチームを引っ張ってきた田宮、万波、マルティネス。
 交流戦でブレイクした水谷。
 この4人が落ちて来た7月に調子を上げてきたレイエス、石井、清宮。
 安定したパフォーマンスを続ける郡司。

 もちろん全員が一気に調子が良ければそれに越したことはないが、それぞれ不調の時期もあればコンディション不良の時期もある。
 そんな中で7月に出てきた3人の活躍により、不調な打者を休ませながらでも打線が十分機能するようになりつつある。

 ここまで打者陣の層が厚くなったことは、一部を除き主力を明確に定めず競わせながら多くの選手を起用してきた新庄監督の功績だろう。
 2022年、2023年も同じイメージを持っていたと思われるが、選手たちがなかなか期待に応えられなかった。
 誰に打席を与えるかの悩み方が今季と過去2年では明確に違うはずだ。

 彼らに加えて、負傷離脱中の水野、不振に苦しむ松本、野村も控えており、まだまだ打線に伸びしろが残っている。

 打ち勝つチームというと大味なイメージがあるかもしれないが、リーグ屈指の投手相手に均衡を破ることができるのも、僅差をセーフティーリードに持っていくことができるのも強力な打線だ。
 粒揃いの打線が後半戦も多くの勝利を生み出してくれるに違いない。


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