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シーズン前半戦 選手Rating 外野手編【F】

#3 外野手

 外野はライト万波、センター松本は確定で残り1枠のレフトを争うという構図。スティーブンソン、野村、五十幡らが開幕から最低限の成績すら残せずにいた中で、水谷が一気にそのポジションをかっさらっていった。

66 万波 中正 【評価】B

シーズン通算成績
月別成績

 攻守にチームの中心となった万波。
 シーズン序盤はボールを見極めようという意識を強く持った結果Chase%(ボール球スイング%)が20%強まで下がったが、その分ISOが昨季の.200から.150弱まで低下。
 5月に不調な時期があったが、5月以降はChase%が5%近く上昇した代わりにISOが.200近くまで回復しており、ゾーン管理と長打のバランスが戻ってきたか。
 今季は調子の波が短く激しいため、なかなか安定しないのもまた事実。それゆえか成績のわりにコアからやや外された打順に据えられることも多い。
 ライトではスローイングはもちろんレンジの面でも高いレベルで安定した守備を見せており、欠かせない存在となっている。

12 松本 剛 【評価】D

シーズン通算成績
月別成績

 昨季からさらに成績を落としOPS.600強に停滞。
 Contact%が高く三振は少ないものの、Chase%(ボール球スイング%)はマルティネスやレイエスといった長打の魅力のある打者よりも高く、ボール球に手を出し四球が少ない割に長打が少なすぎる。
 バットコントロールを売りにする選手に往々にして起こる浅いカウントでも上手く捌きにいって平凡な二遊間へのゴロや反対方向へのフライでアウトになってしまうという打席が多い印象。
 追い込まれるまでは郡司のように狙い球を絞って引っ張り込む打撃をできる選手なはずだ。
 守備では足の状態が戻り、センターを守っているが、レンジが広く特に後ろの打球への強さには光るものがある。
 本来は今田宮が担っている出塁とチャンスで確実に1点を取りに行く打撃は他でもない松本が期待されていたものだろう。チームが苦しい夏場に主力として攻守にチームを支える活躍を見せてほしい。

53 水谷 瞬 【評価】A

シーズン通算成績
月別成績

 彗星のごとく現れあっという間に打線のコアへと駆け上がったニュースター。
 4月に昇格したときはストライクボールの見極めに大きな課題がありまだまだ粗さを感じる打席内容だったが、5月下旬以降は打席での思考を整理し、パワーがあるからこそ詰まることを恐れずにとにかくライナーからフライになるようスイングを徹底することで打率、長打率ともに飛躍的に伸びた。
 ここ最近はやや疲れが見え始め、変化球で抜かれた際に拾えていたボールも右手の返りが早くなってしまいゴロを打つシーンも目立つが、それでもしっかり捉えたときの打球の強さは健在だ。
 足も非常に速く、走塁と守備についてはまだまだポテンシャルを秘めている。

99 フランミル・レイエス 【評価】C

シーズン通算成績
月別成績

 今季の一番の目玉の助っ人外国人だった割にはやや成績が振るっていないように見えがちだが、打低環境の中でOPSも7割に迫っておりwRC+は118とリーグ平均を大きく上回る。
 開幕直後はNPBの配球に対応できず、ゾーン内のボールを見逃し、ボール球を振るシーンが多かったが、ファームでの調整を経て、6月にはZone Swing%が71.4%、Chase%は22.8%と徐々に適応し始めている。ゾーン管理ができるようになり自分のスイングで勝負できるようになれば、やはり実力は本物であり、長打が右肩上がりに増えてきている。
 LFは水谷、1Bはマルティネスがチームのコアである現在では、DHの枠を清宮、野村と争う。彼らにとってはレイエスより打たなければ試合には出られないという分かりやすい状況の中で、レイエスにはさらに調子を上げ、「LF、1B、DHで出たいならリーグ平均の1.5倍くらいは打力のある選手じゃないと無理。」という状況を作ってほしい。

50 五十幡 亮汰 【評価】D

シーズン通算成績
月別成績

 とんでもない足の速さを武器に終盤僅差の場面での代走を主戦場としてきた。
 昨季はCFで多くのチャンスをもらっていたものの、出塁能力になかなか改善が見られず、今季は松本剛にセンターの座を明け渡した。
 打撃では、甘い球を捉えきれずにファウルで追い込まれ、低めへ落ちるボール球に手を出して三振というパターンが多すぎる。失策出塁が他の選手より多少多いのは事実だが、プロの内野手たちは当然五十幡の足を考慮した上でポジショニングするわけで、ゴロを打てば塁に出られるほど現実は甘くない。
 スイングが上から叩く形になっているため、ライナーやフライもこすった打球になり伸びを欠く。また上から叩いてもエスコンの内野では高く弾まないため有効ではないように思える。
 走塁では彼が塁に出れば相手にプレッシャーがかかっていることは間違いなく、1塁から一気にホームに帰ってくるときなどの純粋な走塁時の足の速さも流石の一言だ。しかし、盗塁は苦手意識を持っているのではないかと思うほどスタートを切れず、盗塁成功率も63.2%(12/19)と微妙なライン。これから後半戦で1点差の終盤の代走で出ていくときにどれだけ盗塁できるかが勝負であり、それこそが彼のバリューになるはずだ。

6 アンドリュー・スティーブンソン 【評価】E

シーズン通算成績
月別成績

 開幕こそ2番LFでスタメン出場したものの、そこからずっと打撃は低調で、水谷の活躍により外野が埋まった現在立場は相当厳しい。
 タイプ的には、長打四球ともに少ないが高打率をマークし足を使えるというのが理想なのだろうが、こういうタイプが打率も残せないと長打や四球による出塁という保険がないため一気に厳しくなるという典型例。
 全ての原因はChase%が50%とボール球を全く見極められていないこと。またContact%も60%前半とはっきり言って壊滅的な状況。
 レイエスと異なり、日本の野球に適応して調子を戻しても.300/.350/.350くらいが上限だとすれば、今の外野陣の一角に食い込めるかは怪しい。

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