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「どんな年代、性別、境遇の人でも生きやすい社会に」 【名古屋市(名東区)】鈴木あやこさんに政治に挑戦する思いを聞いてみた!

こんにちは!FIFTYS PROJECTです!
『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー企画#9
名古屋市名東区から市政に挑戦予定の鈴木あやこさんに、政治家を目指した理由や、政治家になってやりたいことをお聞きしました!

初の街頭演説に。名東区が誕生して以来5期20年勤めた本谷純子元市議と、現職のさいとう愛子市議とのスリーショット。

まずは自己紹介をお願いします。

 1997年1月名古屋生まれの26歳です。名古屋学芸大学デザイン学科を卒業し、介護士として民間の福祉施設に勤務していました。2022年1月に共産党に入党し、2月から党の職員として働いています。特に強い思いのあるテーマはジェンダーの分野で、共産党の名東区ジェンダー平等委員会の責任者も務めています。今回の統一地方選挙では名古屋市議選挙に名東区から挑戦予定です。今日はよろしくお願いいたします!

挑戦する議会の状況や地域の特徴について教えていただけますか。

 まず、名古屋市議会議員は全68名、そのうち女性は19名しかいません。これでは、女性や多様な声が届かないと感じています。また、名古屋市は医療費が18歳まで完全無料、敬老パスが65歳から使えて路線も充実しているなど、他の政令指定都市と比べても優れた制度があります。その一方で、富裕層を優遇する市民税減税や、大型プロジェクトばかりに莫大な予算をかけていたりと、問題が山積みなんです。
 私が選挙に挑戦予定の名東区は、アクセスにも恵まれて栄えていながら、自然も豊かな住みやすい街ですね。なので転勤族や子育て世代も多いのですが、マンモス校を抱えていたり、図書館の縮小化が計画されていたり、区独自の課題も多く抱えています。

政治に関心をもったきっかけは?

 もともと私は政治にほとんど関心を持たずに生きてきました。
 ただそんな時、2年前(2021年)に名古屋の入管施設で、スリランカ人の方が職員から虐待を受けて亡くなってしまった事件を見て、衝撃を受けたんです。
 自分の住んでいた地域のすぐ近くで起きた事件だったので、同じ名古屋でこんな酷いことが起きてるだなんて…とより自分ごととして感じました。そこから政治のニュースが気になるようになって、先進国の中でも日本はジェンダー分野でいかに遅れをとっているかを知り、絶望していました。なかでも、当時20歳の女性が病院で中絶をさせてもらえず、公園トイレで出産・遺棄し、逮捕されてしまった事件に大きな憤りを感じました。社会のシステム不備による被害者であるはずなのに、犯罪者として扱われてしまったことが本当にショックで、いてもたってもいられない気持ちになったんです。

 そんななか、2021年の衆院選でジェンダー平等を堂々と訴える共産党の姿勢に感動したんです。また、候補者全員が同性婚に賛成していて、日本にこんな政党があったんだと希望をもらいました。友人がたまたま共産党員だったり、選挙でポスティングを手伝ったりするなかで、一緒にやろうと声をかけてもらって。政党で活動することに不安もありましたが、自分も社会を変えるプレイヤーになりたいと思って、共産党に入党を決めました。

マイクを持ち、街頭で演説をする鈴木さん

政治家を目指すことを考えるようになったきっかけは?

 実は自分が政治家になりたいとは考えたことがなかったんです。共産党は候補者を党の中から擁立するのが基本で、一緒に活動する党員の中にも昔声をかけられたとか、出馬した、って方がいました。でも、まさか自分に声がかかることは想像してなかったですし、私には政治家は絶対に無理だと思ってました。
 なので、要請が来た時はすぐにイエスとは言えなかったです。政治に関心を持ったのも、活動を始めたのも最近だったから、自分なんかが出ていいのか不安で一週間以上悩みました。ただ、それでも出ようと決意できたのは、若者の声を市政に届けるためには若者が市政に出ていかないといけないと思ったこと、また、私はさいとう愛子市議の後任というかたちなので、女性議員の数を減らしたくない、大切な議席を引き継がなければと思ったという大きな2つの理由があります。

政治家を目指すことを決意するまでに困難だったことはありますか?

 一番不安だったのは、顔も名前もすべてさらけ出して表に立って活動することです。最初は特に自分の顔が載っているポスターが街中に貼られるのには抵抗がありました。でも、私たちがこうなってほしいと思う社会を実現するためには、その街にどういう政治家がいるのか周知するのは必要なことだと知って、今はポスターの意義に納得しています。
 他にも、自分が政治に挑戦することをどう思われるだろうかという周りの目に対する不安もありました。そもそも同世代と政治のことを話しづらい空気があるなかで、それをさらに乗り越えて自分が選挙に出る不安は大きかったです。でも、知っている人が選挙に出るってすごく面白いと思うんですよ。政治が身近に感じるきっかけになると思うので、むしろ、知人や友人に興味を持ってもらうチャンスだ!と今は前向きに捉えています。

議員になって実現したい社会のビジョンや、一番重視したい政策を教えてください。

 私は、名古屋市で生きているすべての人が大切にされる市政をつくりたいと思っています。最近ではメディアや政治によって世代間の分断が煽られてしまっているように感じますが、若者も高齢者もどの世代もみんな困っているっていうのが今の社会だと思うんですね。なので、どんな世代でも、性別でも、境遇でも、すべての人が生きやすい社会にしたいという思いが強くあります。
 特に、「ジェンダー平等社会を実現したい」という思いは、あらゆる場面で貫きたいと思っています。例えば、名古屋市立の全ての学校で制服を性別関係なく選べるようにしたいです。選択制が導入されている学校でも、女子生徒はスラックスかスカートか選べるけれども、戸籍上の性別が男性の生徒は何も選択肢がないという学校がほとんどです。また、痴漢をはじめとする性暴力や、ハラスメントをなくしていく取り組みも強化したいと思っています。やっぱり、ジェンダーの問題はあらゆる問題に関わってくることだと思うので、私の持つ視点をさまざまな分野の政策にも活かしていきたいです。

その他に実現したい政策はありますか?

 ひとつは、若者がお金の心配なく学びたいと思ったことを学べる環境を整備したいです。学費の値下げや、奨学金を返済中の方たちへの奨学金返済支援制度をすすめていきたいです。
 また、全国の自治体で広がっている小中学校の給食費の無償化を、名古屋でも早く実現したいと思っています。水道基本料金を1年無料にしたり、無料のPCR検査を拡充したり、誰もが安心して暮らしていけるような政策を充実させたいです。
 今の市政の財源の無駄遣いをやめて使い道を見直すことで、これらの政策のための財源は十分に確保可能です。

鈴木さんならではの強みは何だと考えますか?

 大きく2つあると思っていて、1つ目はジェンダー平等社会を実現したいという思いの強さです。今いる名古屋市会議員に比べても、私ほど強い思いを持っている人はいないんじゃないかなと思います。
 以前、名古屋市のファミリーシップ(パートナーシップ)制度について議論をする市議会の委員会に傍聴へ行ったのですが、そこで市会議員の方たちの発言にすごく怒りを覚えた部分がありました。自分はLGBTの人々に対して差別はしていないんだと言いながら、制度に対して難くせをつけ、全く建設的な議論をしない姿勢の議員の方たちがいたんです。差別は悪意があるかどうかに関係なく無意識にしてしまうものなので、自分は偏見はないと前置きすることは、差別をしていないという免罪符にはならないはずです。他にも耳を疑うようなジェンダー感覚の発言もあって、こういう人たちが名古屋市政のこと決めているのか…とやるせなさを感じた日でした。時代に見合った人権感覚を持った議員がもっと増えなければいけないし、根本から名古屋市政を改革していく力に、私がなりたいです。

 2つ目は多くの若者の声を市政に届けられるという点です。私は青年団体の民主青年同盟というところでも活動しているのですが、コロナ禍での若者への支援として、食料支援の活動を続けています。その中で、皆さんが抱えている実態をたくさん聞いてきました。市民に冷たい政治の中で、特に若い世代にしわ寄せが行っていることを痛感しています。若者の中でも抱えている苦しみや生きづらさは本当にさまざまなので、実際に声を聞いた私だからこそリアルな若者の声が市政に届けられると思います。

民主青年同盟の食料支援の場にて、学生から生活状況を聞き取る鈴木さん

FIFTYS PROJECTに参加しようと思った理由を教えてください。

 選択的夫婦別姓も同性婚もない、自分の体のことを自分で決められない、そんな状況がなかなか変わっていかない社会に、息苦しさを日々感じています。意思決定の場に女性や性的マイノリティの当事者を増やし、現状を変えていこうとするプロジェクトであるFIFTYS PROJECTに魅力を感じて参加を決めました。
 また、政治活動はただでさえ大変だと思うのですが、それに加えて若い女性であるということで、とりわけ苦労があることを実感しています。特にセクハラに遭う機会が格段に増えたんですよね。みんなはどうしているんだろうって気になって。若い女性だからという理由で起きる、いろんな悩みや問題を共有できる場が欲しいと思ったのも参加に至った理由です。ルッキズムやハラスメントが溢れているのは女性の政治家が増えづらい一因だと思います。これからの若い世代のためにも変えていきたいし、全国のみなさんと力を合わせれば、それは可能なはずです。

春に向けてどのような活動をしていきたいですか?

 投票に行かない、選挙に興味がないと言われる若い人たちと繋がれたらいいなと思っています。私も少し前まで政治に関心がなくて、自分の生活と政治がすごく密接に繋がっていることを知りませんでした。あなたがこうしたいと思っていることは、政治で叶えられるんだということを特に若い世代に知ってほしいと思っています。

インタビューを終えて
ジェンダー平等への意識も高くFIFTYS PROJECTとしても共感できる部分が非常に多く、プロジェクトメンバーの考えを体現してくださっているような頼もしさを感じさせていただきました。実施したい政策も多様にお考えで今後への思いの強さが印象的でした。ぜひ名古屋市政で活躍して欲しいです!
取材・執筆:えりな&ゆき
取材日:2023年1月9日

鈴木あやこ(基本情報)
1997年1月生まれ(26歳)/名古屋生まれ
名古屋学芸大学デザイン学科を卒業後、介護士として民間の福祉施設に勤務。2022年1月に共産党に入党し、2月から党の職員として働いている。

鈴木さんについてもっと知るには?✨
日本共産党掲載プロフィール 
・Twitter:@suzukia8ko
・Instagram:suzukia8ko

『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー#9では、鈴木あやこさんにお話を伺いました。鈴木さんが気になった方は、ぜひ鈴木さんの発信ものぞいてみてださい🧡
次回もお楽しみに!✨

FIFTYS PROJECTとは?
私たちは政治分野のジェンダー不平等の解消を目指し、20代・30代の女性(トランス女性を含む)やノンバイナリー、Xジェンダー等の方に対して2023年4月統一地方選をはじめとした地方議会議員選挙への立候補を呼びかけ、一緒に支援するムーブメントをつくろうと活動しています。

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