見出し画像

「大人も子どももゆとりのある町に」 【長野県諏訪郡富士見町】西あきこさんに政治に挑戦する思いを聞いてみた!

こんにちは!FIFTYS PROJECTです。
『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー#27
「なぜ政治に挑戦しようと思ったの?」「どんな政治家を目指しているの?」長野県富士見町の西あきこさん
に気になることをインタビューしました。

西さんポートレート

政治に関心をもったきっかけは?

 政治への関心は学生の頃からずっとあったんです。大学生の時、第一次安倍政権下で教員免許更新制ができたり、教育基本法が変わったりしました。教員の仕事がハードになったと言われていますが、ちょうどこの頃からだったと思います。自分の身近にある教員の仕事や学校のあり方など、いろいろなことが、政治の方針によって大きく影響を受けていることを実感し、政治に関心を持つようになりました。

市政への挑戦を考えるようになったきっかけは?

 きっかけになったのは、現職の議員さんからの声かけでした。その方とは、2年前の町長選挙の時、投票率アップのために開催した「とどけフェス」というイベントの後に繋がったんです。私自身、そのイベントを企画してから定期的に議会に傍聴に行くようになりました。定期的にと言っても自分が関心のあるトピックだけなんですけど、年に4回ある議会の本当に短い時間だけでも観に行くようになったんです。誰に頼まれたわけでもなく、自分の意志で行き始めて、そこで出会った方々との繋がりから、声をかけていただくようになったと思っています。

「とどけフェス」の仲間たちと並ぶ西さん(2021年7月)

政治に挑戦することを決意するまでの困難だったことのハードルは?どうやって乗り越えたの?

 富士見町では、私が今回の挑戦を決める前に、すでに30代の女性が立候補する予定が決まっていました。この田舎で若い女性が2人挑戦するっていうことは本当にすごいことだと思うんです。ただ、彼女が先に出ることを決めていたことが1つのハードルでした。票が割れるのではないかと心配していたんです。
 しかし、昨年11月、FIFTYS PROJECT主催の予定候補者向けの準備キャンプに思い切って行ってみた時に、女性がもう1人出るということや、移住者で地縁血縁がないことがコンプレックスだと伝えたら、「今は、女性議員を一人でも増やすことが大事。だから出るんだよ」「移住者だから言いたいことを伝えられるんだよ」と他の参加者から言ってもらったんです。そこで励ましをもらったのが決め手になりました。
 あとは、組織のバックアップがないことも困難の一つでした。でも、どんどん話した人を巻き込んで、支援者になっていただいているんですよね。そうしたら私と同じような思いを持っている60、70代の女性が地域にいることを知りました。私の背中を押してくれて、一緒に走ってくれて、初めて辻立ちをしたときにもすぐ来て写真を撮ってくれて。そういった方の存在がものすごく心強いですね。

広いビジョンで実現したいこと/具体的にやりたいことは?

 子どもも大人もゆとりのある町にしたいです。具体的には、学校の統廃合を止めることと居場所作りが中心です。富士見町では、児童数の減少、学校の老朽化、経済的な理由などによって3つある小学校が1つに統合されようとしています。 
 私は、この3つの小学校のうち、一番規模の小さい小学校への転勤を機に富士見町にやってきました。今、その学校に魅力を感じてやってきている移住者がたくさんいて、昨年度は各学年のなかで1年生が一番児童数が多く、それだけ魅力があるんです。私自身も、この学校に来たことで富士見が大好きになり、今回の挑戦に繋がっています。親しくしている保護者の中には、教育委員会に学区外の小学校に入学する手続きを取ったという方もいます。その小学校に魅力を感じてそこに行きたいという親御さんや子どもがいて、「選べる」ことはこれから売りになっていくと思っています。そのためにもなんとか学校は残さなきゃいけないと思っています。
 ただ、その統廃合の議論は2025年から始まると言われていますが、遅いと思っています。1年間に生まれる子どもの数が、2010年代の半ばまでは100人だったのが、今の50人台になるまでのスピードがすごく早いんです。だからこそ、学校のことはいち早く議論しなければいけないと思っています。これまで、不登校に悩む子や保護者を目の当たりにしてきました。学校以外の選択肢がないばかりに、結局不登校しかないっていうことも、もう繰り返したくない。同じことが繰り返されているなってすごく思っていたので3つの小学校を残すことと学校以外の居場所を作っていくことを政策のメインにしています。

夏休みの「子どもの居場所」で一緒に宿題をやっているところ(2022年)

西さんだからこそできると思うこと/強みは?

 学校現場を経験した30代というのは武器になると思ってます。地域には、お味噌をつくってる女性たちのグループや、学校給食に安心安全な野菜を提供してくれている農業生産者さんの団体があるんです。町内の小学校に勤めていた時に、栄養士さんが丁寧にそういう団体のことを紹介してくれたことで、こんなに行き届いてて、生産者の顔が思い浮かぶような活動をしてる団体があるんだって初めて知りました。だけど、その方たちは、高齢化や、跡継ぎをうまく作れてないという問題があって大変な思いをしています。挨拶回りをしていると、そういった団体の方から、政治家になったらやってほしいことや町への意見をいただきます。
 それまでは学校の中にいるだけであまり見えてなかったんですけど、今この年齢だからこそ、その橋渡しは絶対できると、話を聞く度に思っています。 

どんな活動をしていきたい?

 かつて「学力世界一」と言われたフィンランドの学校視察に2019年に行った際、教育の問題は政治にいきつく、と気がついて、北欧の対話型の選挙に憧れたんです。みんなの関係性がフラットで、候補者と市民が対話をする時間がしっかりあるんです。日本だと一方的にお願いします、という形になってしまいますよね。私自身は辻立ちしながらなんとか対話を生み出したいと思ってるけど、どうしても遠くなってしまうのが難しいですね。
 「対話」って、ただ口で言っても生まれなくて、環境を作らないと生まれないですよね。だからそれを生み出すための環境づくりを町としてなんとしてでもやっていきたいです。やっぱり、今、富士見町は勢いがあるなって思ってます。先日、役場に行った時、教育委員会の窓口にベンチが置かれていたり、子どももゆったりできる工夫があって、役場の中では唯一町の方との対話を生みやすい雰囲気になっていました。この勢いでどんどん行くぞっていう想いで、いろんな場所を変えていきたいですね。

意気込みをどうぞ!

 とにかく、西あきこらしく、自分らしくですね。日々情勢が変わって、そこについていくことだったり、振り回されそうにもなるんですけど、よく食べよく寝て、自分が元気でいられるように、自分が楽しめてる状態でいられるように、そこを大事にして、走り抜けたいと思ってます。

インタビューを終えて
 西さんの言葉から、富士見町への想いと人々の暖かさが伝わってきました。組織のバックアップがないことはハードルの1つだったとおっしゃっていましたが、対話を大事に活動している西さんだからこそ、支援者の方々が集まるんだなと思いました。子どもも大人もゆとりのある、今よりさらに素敵な富士見町になるよう、応援しております!
取材・執筆:かりん&あおい
取材日:2023年3月27日

西あきこ(基本情報)
1987年生まれ(36歳)/長野県小諸市出身/長野県諏訪郡富士見町在住
長野県内の小・中学校で教諭や講師などを10年ほど経験
町内のNPOが運営する子どもの居場所や自然学校でも活動中
2021年 富士見町長選に向けたイベント「とどけフェス」開催

西さんについてもっと知るには?✨
・Twitter:@akiko_nishi_
・Instagram:akiko_nishi_sakurai
・facebook:西明子
【活動報告】富士見町へ行ってきました!
8年ぶり選挙戦へ、町でフェス 町長選行こうよ!
「女性ひとり議会」に挑戦する30代の背中を押した北欧の政治

『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー#27、いかがでしたか?西さんを応援したい!と思った方は、ぜひ西さんの発信のフォローやシェアなど、身近なアクションから始めてみてください!
 ここまで2023年の統一地方選に向けてFIFTYS PROJECTが読者のみなさんと一緒に応援したい全国各地のみなさんを紹介してきました。これからも、頻度は下がりますがインタビュー記事を投稿していきますので、お楽しみに!✨

FIFTYS PROJECTとは?
私たちは政治分野のジェンダー不平等の解消を目指し、20代・30代の女性(トランス女性を含む)やノンバイナリー、Xジェンダー等の方に対して2023年4月統一地方選をはじめとした地方議会議員選挙への立候補を呼びかけ、一緒に支援するムーブメントをつくろうと活動しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?