見出し画像

声なき声を掬いあげるために「小田原市民」が立ち上がる!【神奈川県・小田原市】稲永ともみさんが政治に挑戦する想いに迫ってみた!

こんにちは!FIFTYS PROJECTです。
『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー#12
「なぜ政治家を目指そうとと思ったの?」「政治家になってどんなことをしたいの?」小田原市の稲永ともみさんに気になることをインタビューしてきました。

稲永さんのポートレート写真

政治に関心をもったきっかけは?

 1つ目は、元々美容が好きで美容ライターの長田杏奈さんのSNSをフォローしていたことです。フェミニストでもある彼女の発信が、これまで当たり前と思ってきたことへ疑問を持つきっかけになりました。 
 2つ目は、脚本家の坂元裕二さんのドラマです。もともと坂元さんのドラマは大好きでしたが、「問題のあるレストラン」を通してはじめてフェミニズムに触れました。
 最後に、笛美さんの「#検察庁法改正に抗議します」というTwitterデモです。私もデモに参加していて、自分たちが声を上げることで社会が変わることもあるんだ、という成功体験を得られたことはすごく大きいですね。

 今まで日常生活で漠然と感じていたモヤモヤや生きづらさに言葉を与えてくれたのがフェミニズムでした。日本で父長制的な価値観にさらされ続けていると、なかなかそこに疑問を持つことは難しい気がします。けれど、今は従来の価値観を打ち破るようなコンテンツも増えてきて、違和感を持つきっかけが増えていくのはよいことだなと感じています。

「小田原ミモザPJ」の仲間と並ぶ稲永さん。 神奈川県議会議員佐々木ナオミさんを中心に、今回市政に挑戦する女性たちと連帯しながら活動をしています。

政治への挑戦を考えるようになったきっかけと決断理由は?

 この3年間は政治と向き合わざるを得ませんでした。私自身、もともと生活に余裕があるわけではなかったので、長引くコロナ禍や物価高騰でじわじわと追いつめられていく感じがして。若年女性の自殺が増えたこともまったく他人事とは思えませんでした。その一方で、政治はオリンピックや国葬、軍拡といった方向に進んでいき、命や暮らしが蔑ろにされている。いまの政治を担う人たちに私たちの痛みは見えていないと、強い危機感を覚えました。
 そんな中、森喜朗氏の女性蔑視発言があり、許せないと強い憤りを感じ、すぐさま署名にも参加しました。この問題の根底にはやはりジェンダー不平等があり、意思決定の場に女性を増やす必要があると改めて気づいたことが、政治の道へと歩き出すひとつの大きなきっかけにもなりました。

  そこから「私になにができるんだろう?」と考え、パリテ・アカデミーの女性政治リーダー合宿に参加しました。そこで今まで持っていた議員という仕事や選挙に対するイメージが変わったんです。活動を通じて出会った女性たちの多くは最初から政治家になろうと集まっているわけではなくて、それぞれの困難や問題意識を政治というツールを使って解決しようとしています。
  そんな想いを持った仲間が全国の議会に散らばっていくことで、社会が変わるかもしれないと、希望を感じて。私に何が出来るかわからないけど、ともに歩みたいという気持ちで今回の挑戦と至りました。

パリテ・アカデミーの女性政治リーダー合宿での1コマ。
市議選のシミュレーションで最優秀チームに選ばれた。

市政への挑戦を決意するまでのに困難だったことは?

 仕事のこと、家族への伝え方、資金のことなど不安は尽きませんでした。いざ立候補を決意して退職する旨を職場へ伝えたときに、「籍を置きながら活動していいよ。」と言っていただき、そんな言葉が返ってくるとは思っていなかったので、びっくりしました。職場のみなさんにご理解をいただいて、なるべく活動に専念できるように支援をしていただいていることは、本当にありがたいことだと思っています。
 また家族に納得してもらうことも大変でしたね。特に母は女性が意思決定の場に増えることは大切だと考えているものの、娘がやるとなると話は別。経験や後ろ盾もない中で挑戦するリスク、資金面や誹謗中傷などに対する不安から、私のためを思って止めてくれている母の気持ちは理解できるので、辛かったです。今は母も本当に献身的にサポートしてくれていて、家族や職場、周囲で支えてくださるたくさんの方々に助けられながら活動できています。

議員になったら実現したいことを教えてください。

 多様性に欠いた議会の中で、これまで取りこぼされてきた多くの声や痛みが存在していると感じます。声を聴かれてこなかった人たちの声をしっかりと届けていきたいです。
 私は今33歳で、同世代の友人たちもみんな子育てや仕事、自分の生活にいっぱいいっぱいで政治どころじゃない。でも、その余裕のなさを作り出しているのも政治や社会構造が原因だと思うので、今大変な思いをしている人にこそ、政治で生活は変えていけるんだよと伝えていきたいですね。

 具体的にはまず、豊かな地域コミュニティを作ることです。コロナの影響もあり、人とのつながりが希薄になっていて、子どもから大人まで「孤立」を深めている。普段から家庭や学校・職場以外につながりや居場所を持っておくことは、さまざまな問題の早期発見・解決にもつながると思っています。
 2つ目は、子どもを守ることです。貧困や虐待、ヤングケアラーなど子どもの困難は、その周りの大人の困難でもある。子どもを守ることは大人を守ることでもあると思います。私自身、奨学金を借りて大学進学し、今も返済をしている身として、家庭環境などに関わらず、子どもたちが安心して学べるための仕組みを考えていきたいです。また、学校・公共施設への生理用品の設置もぜひ実現させたいと思っています。

稲永さんの強みはどこですか?

 ずっと続けてきた事務の仕事はいわば裏方で、物事を円滑に進めるために調整する役割です。議員は表には出るものの、あくまで主役は市民のみなさんだと思っているので、一人ひとりがより心地よくこのまちで暮らしていくために、対話をしながら丁寧に調整を重ねていくことが必要だと考えています。そういう意味では、今までの仕事を活かせるのではないかと思っています。

小田原市のどんなところが好きですか?

 小田原の好きな所は、自然が豊かで温暖な気候なこと 、海産物や農産物がおいしいこと 、のどかで人があたたかいこと、伝統や文化が多く存在することです。 豊かな資源を大切に守りながら、より愛着が持てる、住み続けたくなる魅力的なまちにしていきたいです。 

なぜFIFTYS PROJECTに参加したのですか?

 パリテ・アカデミーの合宿に参加してから踏み出したいなと思いつつ、何から手をつけていいのかわかりませんでした。そんな中FIFTYS PROJECTが立ち上がり、具体的なアドバイスをいただいたことでアクションへとつながっていきました。
 FIFTYS PROJECTの魅力として、やはり候補者同士で横のつながりが持てるというのは非常に大きいと思います。同じ悩みを共有できる仲間の存在は心強いです。このタイミングでFIFTYS PROJECTが立ち上がっていなければ、立候補はできなかったのでは、と思います。

春に向けて、どんな活動をしていきたいですか?

 これまでの男性的なやり方は避けたいけれど、現実的にはそれをやらざるを得ない状況に葛藤はあります。また、実際活動を始めてみると若い世代へのアプローチがすごく難しいと感じていて、日々試行錯誤しながら活動していますね。
 あとは政治を語ることへのハードルを打破していきたいという思いがあります。私自身も自分の知識不足に後ろめたさを感じることもあります。でも政治はみんなのもので、正解はないはず。 分からないことを分からないまま、みんなで対話をしながら、一緒に考える場をつくっていきたいと考えています。 
 私が挑戦することをきっかけに、議員の仕事や選挙はどんなものか知ってもらい政治への不信感や嫌悪感を少しずつ薄めていきたいです。

 街頭でビラを配る稲永さん。

最後に読者に向けてメッセージをお願いします。

 私も今回チャレンジを決めてから女性が政治の世界に入っていくことの壁を改めて感じていますが、そんな政治風土も中から変えていきたいなと思っています。今回FIFTYS PROJECTでご一緒した候補者のみなさんは、バックグラウンドや活動のしかたも様々です。多様なロールモデルの中から自分に近い方をぜひ見つけてほしいし、私もロールモデルとなれるように頑張りたいです。
 私自身、これまで特に市民活動に取り組んできたわけではないし、肩書や経歴もありません。 市民のみなさんと同じように、このまちで暮らしてきたごくごく普通の人です。でも議員は恵まれた人や特別な人だけがなれる職業であってほしくない。私のような人がどんどん挑戦できるようになってほしいと心から願っています。

インタビューを終えて
私も、社会にモヤモヤすることが多い一方、心にとどめておくことが多かったです。今まで小田原市民として生活してきた稲永さんが一歩を踏み出したその勇気に元気づけられました!(ちな)
今回稲永さんから不安や踏み出すまでの葛藤をお話しいただき、私たち多くが感じているであろうその気持ちに共感してくださっている候補者さんであることに希望を感じました。ありがとうございました!(ななみ)
取材・執筆:ちな&ななみ
取材日:2023年2月6日

稲永ともみ(基本情報)
1989年2月27日生まれ/神奈川県小田原市出身
専修大学商学部卒業後、現在は地元企業にて事務職に従事。2023年、立憲民主党の推薦を受け、無所属で小田原市議会選挙に挑戦予定。

稲永さんについてもっと知るには?✨
・Instagram:tomomi_inenaga
・Twitter:@tomomi_inenaga
facebook

『推しを見つけて応援しよう!』FIFTYS PROJECTインタビュー#12、いかがだったでしょうか?
生活の中でのモヤモヤが募り政治への挑戦という決意に至った稲永さんの想いが伝わっていたら嬉しいです!
次回もお楽しみに!✨

FIFTYS PROJECTとは?
私たちは政治分野のジェンダー不平等の解消を目指し、20代・30代の女性(トランス女性を含む)やノンバイナリー、Xジェンダー等の方に対して2023年4月統一地方選をはじめとした地方議会議員選挙への立候補を呼びかけ、一緒に支援するムーブメントをつくろうと活動しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?