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Fieldism Live Report Vol.10 Sable Hills Pre. ''DUALITY'' Release Tour in Osaka (7-3-2022)

↑前回のライブレポはこちら


いつもお世話になっております、FieldismのRyotaです。

 早いものでライブレポートも10回目です。今回は東京から世界に飛躍していく日本の ''メタルの未来''、Sable Hillsの2ndアルバム ''DUALITY'' リリースツアー大阪編のライブレポートを備忘録として記していきます。

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 下半期1発目から熱いライブでしたが、その時の様子をなるべく具体的に書いていきますので、その場にいた人は「あ~こんなんあったな」とか思い出しながら、まだ観に行けていない or これから観に行く人は想像していただけると幸いです。僕らの ''魔法'' は誰にも負けない ''想像力'' ですので(「さくら、もゆ。」並感)。


※各出演者・関係者の名前は敬称略になること、予めご了承ください。


NUMBERNINE

 トップバッターはホーム大阪を拠点に活動しているハードコアバンドNUMBERNINEでした。国内でのコンスタントなライブ活動(海外バンドのツアーのサポートアクトも経験豊富)でハードコアリスナーはもちろん、他ジャンルの人間にも訴えかけていくグルーヴで魅了しています。2019年にはフルアルバム ''LIVIN' GROOVE'' をSANDのVo. Makotoが主催しているFurious Recordsからリリースしその年のBLOODAXE FESTIVALにも出演と、関西の若手~中堅のハードコアバンドで最も勢いに乗っている印象です。

 また、Vo. KAIはライブの撮影やハードコア・カルチャーのドキュメンタリーをYoutubeに公開している ''Human Cage Protocol'' として、Dr. Hidetaも国内外のハードコアバンドを招聘するBrightside Bookingとしても活動しており、関西のみならず国内のハードコア・カルチャーの最先端を走り続けています。


 個人的にはコロナ禍明けて初めて観ますが、アルバムから出た ''SAMSARA'' を始め90年代のニューヨークハードコア & 00's~現行のアメリカンハードコアをNUMBERNINEなりに解釈した ''ハードコアはダンスミュージック'' と言わんばかりの骨太メタリックなサウンドとうねるようなグルーヴは踊らざるを得ませんよね。最後の代表曲 ''WATCH YOUR STEP'' の軽快に駆け抜ける疾走パートとモッシュパートはいつ観ても最高ですが、オーディエンスがサークルピットしているところを観れるのは他ジャンルとの化学反応故かなとか思ってます。また、今回は制作中?の新譜リリース収録予定の新曲 ''UNDERTOW'' も披露。リリースされたら当noteでも取り上げるんで楽しみにしていてください。


 Sable Hillsがシングル ''FLOOD'' を引っ提げた時にもサポートアクトを務めた通りバンド同士も交流も深い彼ら、「ハードコアバンドを集めたピュアなイベントもええけど、こういうパンクとかメタルコアとかクロスオーバーなイベントでもええ感じに仕上がると思うんで」というVo. KAIのMC通り、あのサークルピットが示した通り多ジャンル目当てのオーディエンスも巻き込んだ力強いパフォーマンスで観ていて楽しかったです。

 あと、サポート期間含めて2年半以上下手ギターを務めてきたGt. Takahiro (Ex. WILL YOU REMEMBER)が台湾に行く前最後のライブになった今回、終わった後ハードコアキッズのみんなSNSでTakahiro呼びしてて面白かったですね。


 NUMBERNINEとしては来月に2本ライブ情報が公開されており、8/7にはポップパンクCASTAWAYのフルアルバム ''With Future Behind'' ツアー大阪編、8/20にはDr. HidetaのBrightside Booking主催イベント ''Today, Tomorrow, Forever Vol.2'' に出演が決まってます。また、NUMBERNINEは出演しませんが、来週末7/16にはBrightside Booking主催イベント''Brightside Summer 2022 Vol.1'' もあります。7/16は筆者も行きます(レポートも上げます)。先日新譜リリースしたHOSTILE EYESHORSEHEAD NEBULAのVo. KINがサポートギターを務めているBLINDSIDEや、元メンバーGt. Hirotoが現在活動しているMurakuMoも来るので楽しみです。

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waterweed

 2番手は同じく大阪からメロディックハードコア/パンクバンドwaterweed、個人としても5月のKEEP AND WALK 15th Anniversary Osaka Edition、6月のUNMASK aLIVE Pre. ONE & ONLY FESTIVALと3か月連続で観ているこのバンド、観るたびにそのまっすぐな感情をぶつけてくるパフォーマンスとメロディに惹かれています。ライブを観るたびにだんだん曲を覚えていってますが、今回も熱いライブでしたね。

 EP ''Ashes''から''Only for us'' から ''Monologue'' と、4~5分で両拳を握り締めたくなるストレートな疾走感と、胸が心底熱くなるメロディーの昂揚感で一気に前方へ行きましたね。''Monologue''が終わってBELVEDEREのSteve Rawlesのスポークン「音楽は音楽だ。言語が何であろうがそれは変わらない。」が流れた後に ''Music is Music'' に行く流れを把握したのは2回目ですが、今回は特にこの言葉が刺さった1日になりました(後述)。


''Diffuse'' 屈指のキラートラック ''Dreaming Deadでは、前回のONE & ONLY FESTIVALの時と同じく、UNMASK aLIVEのVo. KDがステージに上がってfeat.(動画)。


 Ba/Vo. Ohga Tomohiroの愚直な生き様が伺えるのはライブのパフォーマンスだけではなく、MCにも表れているのは今回も顕著に表れていました。「どこまでいっても俺がやってるのは音楽やから。年齢とか国籍とか性別とかいつからバンド始めたとかいつから観に行ったとかそんなん関係なく、音楽のすばらしさを共有していること、それって素晴らしくないですか?」と、20年近くのキャリアから来るその説得力には滾らざるを得ませんでしたね。最後は「Sable Hills愛してる!」という言葉で締めくくり、''Beyond the Ocean'' で全力疾走なセットリストを駆け抜けていきました(もし間違ってたらコメントでご指摘ください)。


 全国津々浦々コンスタントに回っているので何公演か抜粋する形になりますが、waterweedもCASTAWAYのアルバムリリースツアー大阪編にNUMBERNINEと一緒に出演(フライヤーは前述)。また、今月末7/31には新神楽でwaterweed主催イベント ''International Day You 16'' も開催、こちらは同じく大阪のハードコアバンドPALMとのロングセットツーマンイベントになります。新神楽こわれる。この日は行けませんが、年内にはwaterweedが主役のイベントに行きたいな~と機会を伺っています。

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A Ghost of Flare

 トリ前は東京を拠点に活動しているメタルコアバンドA Ghost of Flareです。日本語詞+叙情パート+メタルコアの三本柱を築いた日本人ならではのメタルコアで日本のメタル・ハードコアシーンを10年以上支え続けてきたその圧倒的なパフォーマンスには筆者もいつも魅了されています。近年はBa. Takuya a.k.a. UEDAが以前からサポートしていたSable Hillsに正式加入したり、Gt/Main ComposerのYu-taroがNOCTURNAL BLOODLUSTに加入したりで各メンバーの別バンドでの活動が活発になったこともあって活動ペースは緩やかになってますが、その中でも県外に来てくれるのはうれしいことですね。

 前回観た時はPromptsの国内ツアーで会場も同じPangea、あの時は主催者の意向で反社ムーブが起きたと同時に速攻で止められたこともあり不完全燃焼感ありましたが、今回は自分たちが望んでいたフロアがそこにあった様子で最高でした。1曲目からウォーキングリフとエモーショナルなサビパートが印象的なライブ定番曲''Aerials'' 収録の ''Smoke and Mirrors'' から拳を掲げるのは、もはやDNAレベルで学習されてる疑惑まであります。2曲目にはリリース当時叙情パートを排したこととニューメタル・ラップのノリを取り入れたことで話題になった反骨精神にあふれる ''S.P.I.T'' を披露。Ba. Takuyaもスピーカーや柵に上がってフロアを煽ってましたね。


 3曲目以降は初期の楽曲を連続で披露。''S.P.I.T'' 終わってからは初期のミニアルバム ''鼓動'' で聞き覚えのあるインストが...とか思ってたら大阪では数年ぶりになる(と聞いている)''Cocktail'' 、初期からずっとプレイされている定番曲 ''Rain Named Desire''、AGOF始まりの曲 ''Swollen Eyes''と、慈悲が一ミリも見受けられない暴虐的なメタルコアリフと悲壮感溢れる荘厳なオーケストレーションが組み合わさったAGOFサウンドはこのころから健在だったころを思い知らされます。そして ''Rain Named Desire'' の単音メタルコアリフは相変わらず滾らざるを得ないのと、ブレイクダウンでは反社ムーブが連発していて最高でしたね。


 ...と、そうこうしてたら25分あっという間に終わってしまいました。お願いだから次に大阪来ることがあったら ''Endless Demise'' をやってほしい、まだ一回もライブで観れてないです自分。


 AGOFの次の公演は決まっていないようですが、Gt. Yu-taroが並行で活動しているNOCTURNAL BLOODLUSTは8/6にPromptsのツアー神戸編でサポートアクトを務めます。また、この日は神戸の新鋭メタルコア/ポストハードコアバンドColor of Threadもオープニングアクトとして出演。筆者はこの日名古屋遠征で不在ですが、要チェック。

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 また、今回のサポートメンバーはC-GATEからSakura (Gt.) & Crystal Lakeから田浦楽 (Dr.) が参加、明日Graupel主催の ''Empty Vessels Tour''大阪編がありますが(筆者も行きます)、来週末もシオリ a.k.a. hksi Pre. ''AGERATUM'' として2週連続でC-GATEとして再び大阪に来ます(田浦楽はベーシストとしてサポート)。6月からONE & ONLY FESTIVAL、Victim of Deception & HOTOKEのツアー大阪編と三週連続で大阪に来ているSakura、「もう東名高速反復横跳びは嫌だ...」ってぼやいていた彼の運命はいかに。

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Sable Hills

 大トリはもちろん今回の主役 ''メタルの未来'' Sable Hills、6月にリリースされた2ndフルアルバム ''DUALITY'' は、先述のA Ghost of Flareで活動し長らくSable HillsをサポートしてきたBa. UEDAが正式加入 / 先述の通り夏には独Wacken Open Air・チェコBRUTAL ASSAULT・DARKEST HOURヨーロッパツアー帯同が決定など、キャリア史上最大のターニングポイントを決定づけた作品であることは間違いありません。今回はそんな世界で戦うための作品を引っ提げて大阪にやってきました。

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Fieldismでも新譜取り上げてますので、未読の方は是非。


 実は先月UNMASK aLIVE主催のONE & ONLY FESTIVAL (1日目) & CASTAWAYの''With Future Behind''京都編と、関西には来ていたもののスケジュールが合わずに観に行けていないため、昨年10月にGraupel & Earthistsとのスプリット ''BIRTH EP'' リリースツアー以来観るわけですが、今作でネクストステージに行った印象。1曲目からキラートラック ''Recapture'' で高速メタルコアと異臭騒ぎ必須のクサメロリードが襲い掛かります。


 2曲目からは今作からリリースされた新曲陣を連続で披露。直近でMVがリリースされたサビで歌えて、「ギターリードで掲げて、ブレイクダウンで頭振れるヘヴィメタル三段活用を採用している(Gt. Rict談)」 ''The Envy''、先述の''BIRTH EP''から再録された漢の子ならみんな好きな ''Crisis''、シンプルかつ爽快の灼熱メタルコアナンバーながらキャリア史上最もチューニングの低いブレイクダウンが印象的な ''On My Own'' とフィジカルに訴えかけるグルーヴとサウナより熱いメロディを展開していきます。Vo. Takuya a.k.a. SAUNA KINGがブレイクダウンで扇風機を持ち出すところが印象的でしたね。

引用元は名古屋公演のものです。

 

 続いては2010年代のメタルコアをSable Hills流に落としこんだ重戦車の大振りなリフが刻まれていく ''Snake In The Glass''、アルバムで初めてMVが公開/今作で最もキャッチーでメロディアスなトラック ''Bringer'' と続いていきます。''Bringer''は最後の ''The Eternal'' と並んで気に入っている楽曲なので嬉しかったですね(''The Eternal''もやってほしかった)。バウンシーなイントロとPAメタルコアの高速テクニカルなリフ回しの組み合わせは、伝統と革新が調和したSable Hills流のハイブリッドなメタルコアというべきでしょう。


 後半戦にはSable Hillsがより王道のメタルコアを意識し始めた ''Elements EP'' からリードトラック ''The Chariot''、Gt. Rictのギターソロのイントロトラックから高速リフで駆け抜けていく1stフルアルバム ''Embers'' を披露。空調効いてないんかってくらいフロアが熱気に包まれていて脱水症状一歩手前まで行ってた気がします。サウナか。


 Vo. SAUNA KINGのMC「ヨーロッパに行く前にバイブスを高めていきたい」「ヨーロッパでオーディエンスがモッシュ・ライブをしている光景全て日本にもお届けするから!」と、日本のメタルシーンを背負っているからこその誇りと自信を持ったパフォーマンスは最後まで熱かったです。45分のセットリストの最後はSable Hillsの合言葉と同じアンセム ''The Chosen One'' で締めくくられました。完全燃焼。


 と、ヨーロッパに行く前に大阪のフロアを焼き尽くしたSable Hills、ヨーロッパのライブの様子もそうですが合間合間で現地のサウナも回るっぽいのでVlog待ってます。ライブ終わってからGt. Rictに聞きましたが、ガチで回るらしいです。ちなみに今回は大阪にサウナバスで来ていませんでした(そりゃそうだ)。


 ちなみに、皆様がVo. SAUNA KINGがサウナ愛を語っている動画をもう観ましたか? 彼はスパ・サウナのコンサル/設計/企画/施工を手掛ける「サウナを作るバンドマン」であり、未経験でその会社に採用され今は日本全国のスパ・サウナにも携わっているとか...。本来経験者しか採用しないらしく、サウナに対する愛だけで採用を勝ち取ったとのこと。ちなみにその会社、大阪だとスパ・ワールドとかも携わっており、ここでは言及しませんが調べるとすぐ出てきます。


 また、昨年くらいまではex. GraupelのGenがサポートGt.を務めておりましたが、現在はEversolitudeのGenが後任を務めております。メンバーが関東を離れたり各々のサポートが多忙化していることでライブ自体はあまりできていない状況ですが、年内をめどにEPを鋭意制作中。大阪でもライブ観たいですね。


末筆

 というわけで、下半期一発のライブはサウナより熱い音楽でメロイックサイン不可避な一日でした。下半期もFieldismでの音楽メディアとして情報発信していくのはもちろんのこと、久しぶりのイベント主催も控えているのでいいモチベーションになりました。

 くどいようですが、10月29日に心斎橋火影で開催する個人企画 ''Buried Alive II'' チェックハードでお願いしますね? 出演アクトももうすぐ解禁予定です。


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