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Fieldism 必聴新曲リスト April 2023 (Part.2)

前回の新曲特集はこちらから↓


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 お久しぶりです、Ryotaです。

 皆様、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたでしょうか?筆者は前半の土日は福岡へEvilgloomのツアーファイナルへ遊びに行き(ライブレポはそのうち)、月曜仕事を挟んで残りは自宅でゆっくり過ごしていました。たまった記事を書こうか悩んでいたんですが、体調も良くなかったので療養に努めていました。

何が一番面白いかって、この時点で皆終電逃してること

 自宅で休日を謳歌していた間、ライブや執筆から離れて最近の状況について考えていましたが、(自分も含めて)皆ずっと何かといがみ合っている状況が続いていて精神的に疲れているなと痛感しました。パンデミックを乗り越えて制約が緩和されたライブ/フェスでのモッシュ・ダイブ論争やジャンル論争とかいろいろありますが、自分の中の考えなどゆっくりまとめていました。長くなりそうなのでここでは言及しませんが…。


前置きはこれくらいにして、今回も行きましょう。

リストアップの条件ですが、下記2点です。
1. 4/15~4/30にフィジカル/ストリーミング/DL販売/MVのいずれかが解禁された作品(基本的により多くの人にアクセスできる手段を優先します)。
2. フルアルバム or EPのリリース時期がある程度明確にアナウンスされている作品の先行シングル、および既存楽曲のリマスターやカバー等は選出対象外。


①DEVILOOF - DAMNED

EP (4/19)

 デスコア・スラミング・ブルデス・グラインドなどありとあらゆるエクストリームなサウンドを取り入れ、日本だけでなく海外でも注目を浴びているヴィジュアル系メタルバンドの最新ミニアルバム。クリーンボーカルを取り入れ始めた ''Devil's Proof''、和の要素を取り入れた '''' を経て、3rdアルバム ''Dystopia'' では本来の「最凶最速」というコンセプトをより深く掘り下げた作風でした。アンダーグランドのヘヴィな音楽を追求しきった彼らが次にどのように突き進むのか、ずっと動向が注目されていました。

 徳間ジャパンコミュニケーションズからメジャー・デビューを果たした彼らがドロップした最新作 ''DAMNED'' は、バンド史上最も多様なアプローチを見せている作品となっており、ハードコアやスラミングや電子音楽などキメラ的に配合したTr.1 ''Damn'' に始まり、80’sのスラッシュメタル+電子音楽の実験的なアプローチを試みた Tr.2''The Blackened Sun''、珍しくライブでのノリを意識したTr.3 ''Afterlife''、Gt. RayのギターインストTr.4 ''Terpsichore'' を経て、最後にはTr.1と対極の王道メタルコアTr.5 ''False Self''で締めくくられます。

 先月末に渋谷CLUB QUATTROで過去最大規模のワンマンかつデビューシングルのタイトルを冠した ''RUIN'' を完遂したDEVILOOF、実は筆者もコロナ禍前に一度ワンマン観に行ったことがあるのですが楽しかったのでまた行きたいです。


②Spiritbox - The Void

シングル (4/20)

 カナダ・バンクーバーを拠点に活動しているメタルコアバンドの最新シングル。ex-iwrestledabearonceのVo. Courtney LaPlante & Gt. Mike Stringerの最強夫婦を筆頭に自分たちのやりたい音楽を貫いているこのバンドですが、昨年には4人体制になってからバンドを支えていたBa. Bill Crookが脱退、後任として伝説的メタルコアバンドAs I Lay Dyingを長らく支えていたJosh Gilbertがサポートを経て加入、新体制になって初のリリースになるのが今作 ''The Void'' になります。

 Spiritboxの音楽性といえば、メタルコアを基軸にオルタナティブ・エクスペリメンタル・インダストリアルなど多種多様なジャンルを取り入れた複雑で多層的なサウンドスケープを提示してくれることに定評がありますが、今作は今までとはまた違った新しいサウンドを生み出している様子。夜の都会を高速で駆け抜けていくような疾走感と煌びやかなシンセアレンジ、そしてCourtneyのキャッチーで壮大なクリーンボーカルは聴くものを一気にその唯一無二の世界観に惹き込んでいきます。

 直近ではAfter The BurialIntervalsと北米を、夏にはLOATHEと後述のBrand of Sacrificeとイギリスを回るヘッドラインツアーを敢行しているSpiritbox、Realising Mediaが来日に向けて調整しているようですが果たして…?


③Better Lovers - 30 Under 13

シングル (4/17)

 Every Time I DieThe Dillinger Escape Planなどのメンバーが集結した新プロジェクトのデビューシングル。Jordan Buckley(Gt), Clayton “Goose” Holyoak(Dr), Stephen Micciche(Ba)が在籍していたEvery Time I Dieは、昨年Vo. Keith Buckleyとの断絶が原因で20年以上のキャリアに終止符を打ちました。その後、3人は新たなプロジェクトに携わっていたことがうわさされていましたが、ENDFit For An AutopsyのWill Putney (Gt)と伝説的なカオティックハードコアTDEPのフロントマンGreg Puciatoを加えた豪華なラインナップですね…。

 新たなスーパーグループが生み出したあいさつ代わりのシングル ''30 Under 13'' は、ハードコアパンクにサザンロック・カオティックハードコアなどメンバーのバックグラウンドを総括したエネルギーに満ち溢れた一曲となっており、注目は中盤以降のスラッシュメタル~ハードコアを行き来するスピーディーなパートで畳みかけていくかと思いきや、後半に大ぶりのビートダウンですべてをなぎ倒していく緩急のつけ方。Jordanが「私たち一人ひとりの次の進化」と語るのも納得です。Vo. Gregのブチギレボーカルも楽曲にマッチしています。

 7月に初ライブをEvery Time I Dieの地元バッファローで行うことが発表されているBetter Lovers、今後の動向に注目です。


④Brand of Sacrifice - Between Death and Dreams

EP (4/21)

 カナダ・オンタリオ州トロントを拠点に活動するデスコアバンドの最新EP。前身となるThe Afterimageで前面に押し出されていたテクニカルでプログレッシブな展開はそのままに、シンフォニックなアレンジを用いた壮大な世界観とブルータルなサウンドでリスナーを驚かせ続けていることで話題を集めているこのバンド、先行シングル ''Exodus'' ではクリーンボーカルを取り入れておりましたが、それで「売れ線に走った」「ナヨくなった」印象はなく、むしろバンドとしても喜怒哀楽が豊かになった印象です。

 2021年リリースアルバム ''Lifeblood'' 以来2年ぶりのまとまった音源となる今作 ''Between Death and Dreams'' は、Vo. Kyle Andersonが「絶望や怒りだけでなく、感情のスペクトルの異なる要素を音楽と歌詞に取り入れる」ことを意識した作品。前述のTr.2 ''Exodus'' でのクリーンもその一つですが、目玉はTr.3の ''Dynasty''。オリエンタルなシンセアレンジと節々で出てくる女性アンドロイドの謎の日本語「生き残るために戦います」はまさに目の前の恐怖に対して立ち向かうような力強さを感じます。

 それまでの「テクニカルでヘヴィなデスコア」から脱却を試み、コンセプトや楽曲一つ一つに挑戦的なアプローチをちりばめているBrand of Sacrifice、このスタイルを突き詰めた先がどうなるか目が離せませんね。


⑤As Everything Unfolds - Ultraviolet

アルバム (4/21)

 イギリス・バッキンガムシャーを拠点に活動しているポストハードコア/オルタナティブロックバンドの最新アルバム。Paramoreと比較されることが多いですが、モダンなポストハードコアサウンドをベースに華やかで叙情的なメロディを乗せた作風・クリーンとスクリームを使い分ける女性vo. Charlie Rolfeの存在感も相まって、デビューアルバム ''Within Each Lies The Other'' は高評価を受けました。ヨーロッパのフェスの舞台に立ち海外メディアでも台風の目として注目されているこのバンド、前作の高いハードルを乗り越えることができたのでしょうか?

 前作から約2年のスパンを経てリリースされた今作 ''Ultraviolet'' は、バンドの強みであるキャッチーなメロディ、シンセアレンジとバンドサウンドの調和をさらに活かした作品になっており、Key/Syn.のJon Cassidyが彩る煌びやかなシンセアレンジは初期のHands Like Housesを彷彿とさせますが(自分だけ?)、特にキャッチーなサビが頭に残るTr.2 ''Felt Like Home'' & Charlieの怒りに満ちたシャウトが顔を出すTr.3 ''Slow Down''はその部分が強いです。ポップロックに傾倒したTr.4 ''Saint or Rogue'' やアルバムの最後を飾Tr.11 ''All I've Ever Known'' も捨てがたいですね。

 このバンドの優れている部分はギターとシンセワークがケンカしない具合に調和しているプロダクションなので、その点も注意深く聴いてもらえると魅力が伝わると思います。


⑥HOTOKE - CASTE SYSTEM

シングル (4/21)

 長崎を拠点に活動しているデスコアバンドの最新シングル。Thy Art Is MartyrDespised IconSlaughter To Prevailなど世界のデスコアバンドとも対等に渡り合い、「自分をオロチマルと信じて止まない一般男性」でおなじみのYoutuberのTokkun (Dr.)や、初期~中期Paleduskを支えたJohn (Ba) & Katchang (Gt)をサポートに携えている盤石の体制で昨年はシングル ''PRIVATE SANCTIONS'' をリリース。さらに盟友Victim of Deceptionと共にツアーを敢行しパンデミック明けからその活動を活発化させていましたが、ここにきて更なる作品をドロップしてきました。

 最新シングル ''CASTE SYSTEM'' はデスコアリスナーはもちろん、ハードコアリスナーにも刺さること請け合いもモッシーな作品に仕上がっており、Tr.1の表題曲はダンサブルな2ステップパートと苛烈なブラストビート、不協和音を交えた無慈悲なブレイクダウンとなだれ込んでいくキラートラック、Tr.2 ''Alienation'' は強烈なブルータリティをコンパクトにまとめた1分強のショートトラックになっており、2曲で3分半かからないとはいえリスナーへ与えるインパクトも抜群。Vo. REIGAの圧倒的な存在感を示すグロウルもそうですが、バンド名に反して仏の顔が一ミリも思い浮かびません。

 先月からDEXCOREを連れて今作のリリースツアーを敢行中のHOTOKE、大阪編となる5/21はUNMASK aLIVE企画と被っていますが気合で分身して遊びに行きます。


⑦Crown The Empire - DOGMA

アルバム (4/28)

 アメリカ・テキサス州ダラスを拠点に活動しているポストハードコアバンドの最新作。2010年代のメタルコア/ポストハードコアシーンを席巻したRise Recordsを長い間支えているバンドで、作品をリリースするごとにそのシアトリカルなストーリーテリングを用いた世界観を提示してきました。特に初期の ''The Fallout'' ''The Resistance''の2作ではフォーマル/ミリタリーをモチーフにした衣装でライブする姿が個人的に印象に残っていますが、 その世界観を彷彿とさせる作品がドロップされました。

 アルバムとしては2018年リリース ''Sudden Sky'' 以来5年ぶりとなる今作 ''DOGMA'' は、「最近やっていたことから何も取り去ることなく、クラシックな要素を取り戻した」とBa. Hayden Treeが語っている通り、バンドが持ち合わせていた「物語性」に回帰した作品。Tr.5 ''In another Life''やTr.7 ''Dancing with the Dead'' を聴けばわかる通り、ダウンチューンながらもこれまで以上にエネルギッシュでハイペースな曲調とキャッチーなメロディ、そしてシアトリカルに反してストレートなリリックこそが前作から5年のスパンを空けてメンバー個人・バンドという集団について考えた答えだと思います。

 ただハイペースなだけでなく、Palaye RoyaleのRemington Leithをfeat.したTr.6 ''Superstar'' のようなソフトな側面も持ち合わせているのも面白い部分です。


⑧toro - HONNE

シングル (4/24)

 神奈川を拠点に始動したオルタナティブ・ニューウェイブバンドのデビューシングル。オルタナティブ/ポップパンクWinter Wakesで唯一無二のサウンドと存在感を発揮していたVo. 梅田シュウヤ、USインディーやパワーポップなどを飲み込んだオルタナティブロックNITRODAYのBa. 松島早紀、そして先月ALIOTHとのスプリットEPリリースツアーを完遂したメロディックメタルコアABLAZE IN VEINSのメンバーでもある(今月で脱退しますが…)Dr. 大西竜矢の3人が新しく結成したバンドというのもあって、個人的な注目度も高いです。

 そんな3人が集まった新バンドtoroのデビューシングル ''HONNE''は、グランジやニューメタルのエッセンスを感じるヘヴィなベースサウンドに、Winter Wakes時代でも独特のセンスを発揮していたシュウヤの世界観・リリック、そしてOasisのLiam Gallagherを彷彿とさせるどこか気だるげなボーカルスタイルが組み合わさって中毒性高いです。狙ってできることじゃないし、ボキャブラリーが乏しい自分ではこのバンドの世界観を形容することはできません。「ドッグフードは美味しい」とありますが、この間出張で言ったペットの展示会で試しに食べた時はあんまり味しなかったです(マジ)。

 早くも2ndシングル ''THE SICKO'' のリリース(5/23)や初ライブが控えており、シュウヤ本人も「3年以内にフジロックとサマソニ絶対出ます」と意気込んでいるこのバンド、今後の動向が楽しみで仕方ありません。

⑨Attila - Bite Your Tongue 

シングル (4/28)

 アメリカ・ジョージア州アトランタを拠点に活動しているメタルコアバンドの最新シングル。このバンドのイメージといえば、パーティー・酒・女三昧、過激で下品なリリックを織り交ぜたVo. Chris Fronzakのグロウル/ラップスタイル、MAメタルやニューメタルなどを吸収した陽キャなサウンドで破天荒すぎてメンバーが脱退するほどだったんですが、ここ最近は大人になったのかそういった部分はなりを潜めており、Fronzも「これ以上人を怒らせるために貶めたり斜に構えない」と明言している様子。

 そんな彼の宣言のもとリリースされた新曲 ''Bite Your Tongue'' では、2010年代のポストハードコア/メタルコア要素を醸し出したマイルドな作風に転向。Fronzの早口なグロウルラップは健在ながらも注目すべきはバンド史上初のクリーンボーカル。過去作にもメロディーをなぞったシャウトは取り入れていましたが、ここまで振り切ったことをやるとは思いませんでした。メロウなクリーンボーカルはBlessthefallPalisadesあたりにも共通する部分化とは思います。

 個人的にはまだ彼らにはピザの上のパイナップルにブチギレていたりセクシーな女性を侍らせていてほしいなって思っていますが、楽曲自体は変わらずかっこいいです。



⑩Hopes Die Last - Once and For All

アルバム (4/28)

 イタリア・ローマを拠点に活動しているポストハードコアバンドの最新アルバム。デビュー当初から日本でも人気があり、2009年と2012年には来日も果たしています。2017年には解散し当時のラインナップはALPHAWOLVESというオルタナティブロックバンドを立ち上げていましたが、昨年に結成時のメンバーでのカムバックを発表。2015年に脱退しソロ活動に専念していたBa. Marco "Becko" Calancaももちろんメンバーとして復帰しております。

 アルバムリリースとしては ''Trust No One'' 以来約10年ぶりになる今作 ''Once and for all'' は、先行シングルの哀愁感じるスクリーモと後期のエレクトロサウンドを組み合わせたバンドの歴史を体現したような印象を踏襲したような作風。Tr.1の表題曲~Tr.2 ''Heartless''は初期への回帰を感じる疾走感でリスナーをワクワクさせますが、所々顔を出すエモーショナルなエレクトロアレンジは2023年を生きていることを再認識させてくれます。エレクトロニコアスタイルに傾倒しているのはTr.3 ''Follow the Leader''、前髪が長くなっちゃいますね。

 バンドのTwitter公式アカウントでは、日本でツアーしたいとコメントしている様子で反応が大きければ実現する可能性も否定できないかも…?


⑪SIERRA - AXIS

EP (4/27)

 東京を拠点に活動している新生ピコリーモバンドのデビューEP。AMИESIA, TEZELLVEIN, PARAMENA (ex. BURN WOUND) と多くのメタルコア/Djentバンドでフロントマンまたはギタリストとして活躍している皇、皇と同じくPARAMENA(4人で30弦)で活動しているzima、メタルコアバンドAdamas AleのBa. SHO-RIN、そしてそのAdamas Aleにも在籍していた女性Vo. Kaoriなどが携わっていることから常に時代の最先端を行くジャンルをやってそうなラインナップですが、そんな彼らが時代に逆行したピコリーモをやるとどうなるのか気になります。

 イントロのTr.1 ''LimitBreak'' からFear, and Loathing in Las Vegasが国内ラウドシーンを席巻し始めていた2010年代前半にタイムスリップしたんじゃないかと錯覚してしまいますが、先行でMVがリリースされている表題曲でも加工された(俗にいう「ケロケロボイス」)皇 & kaoriのボーカルでそのコテコテ具合がわかると思います。個人的にはTr.3 ''Domination''、筆者はForeground EclipseDraw The Emotional聴いて育ったので東方アレンジと同じ和のエッセンスを感じましたね。

 ところで、MVや先日の初ライブでも皇はサイバーパンク調のマスクを被っていましたが、あれ調べてみると40,000円くらいするらしいですね(まったく同じ形なのかどうかは覚えてません)。

HONORABLE MENSIONS

LIKE A KID - SORRY
シングル (4/15)

 来月の筆者の企画 ''N.L.N.S'' にも出演が決まっている東京発オルタナティブロックバンドの最新シングル。当面は月1ペースで音源をリリースしていくことを表明しているLIKE A KIDですが、今回はKentoのクリーンボーカルのキャッチーなサビが頭から離れないキラートラック。中盤の熱いシャウトや大サビ前のエレクトロアレンジまで綿密に構成された楽曲はライブでも映えること間違いないので、6/24は友達誘ってみんなで心斎橋クラッパーに遊びに行きましょう。



トドメドリ. - エイプリルミスト
シングル (4/15)

 東京を拠点に活動しているマス/オルタナティブロックバンドの最新シングル。2月の''スカイブルー'', 3月の''アネモネ'' と3か月連続リリースの最後を飾る今作は、これまで公開された3曲で最もBPM早め。淡々と優しく語り掛けるように歌うVo. 相良心のボーカル、変拍子・タッピングを取り入れたテクニカルなフレーズや曲間の綿密なエディットなど聴けば聴くほど新しい発見がありそう。6/10には初ライブ兼自主企画も予定されていますが、個人的にも今一番観たいバンドの一つです。


Zepto in I - Farewell
シングル (4/20)

 東京を拠点に活動しているポストハードコア/メロディックハードコアバンドの最新シングル。シングル自体は2020年に ''Begonia'' がリリースされておりましたが、サブスクリプションサービスでの配信は今作が初。正規Vo. が不在のため今作ではSup Vo.としてBloom in the CrevasseのGroovy Asian Tiktokerが参加していますが、極悪なグロウルとはまた違った表情を見せるボーカルアプローチに注目です。もちろんインストもかっこいいので、さらなる音源リリースを切望します。


Life Itself - Bed of Roses
シングル (4/20)

 アメリカ・ニュージャージーを拠点に活動しているメロディックハードコアバンドの最新シングル。過去作はStray From The PathのDrew YorkやCurrentsのBrian Willeがfeat.した楽曲がリリースされておりいずれもクオリティが高くて個人的にもチェックしているバンド。Counterparts直系の2ビートを伴った叙情的なコード/アルペジオを交えながらも、攻撃力の高いブレイクダウンも交えているタフな作風で今作も最高です。


Changeless - Shapeshifter
シングル (4/28)

 ex-「Story of Hope」のRyuto Ajima a.k.a AJを中心に、Dear Elegance, Elicity, CASPA, From the Abyssなどで活躍しているメンバー達が集結したスーパーグループの2ndシングル。直前に4曲入りのデモもリリースしていますが個人的にはこちらで。デビュー作とは違うデスコア調のイントロとハードコアよろしくモッシーなグルーヴで踊らずにはいられませんが、1:44のビートダウンでフロア破壊必至。先日末にSatylusレコ発での初ライブでもかなりの注目度を浴びていた彼ら、来月筆者もNicor in Punishment企画で観に行くので楽しみです。


Invert Hourglass - Leaving. And Beginning
EP (4/29)

 新潟を拠点に活動しているメタルコアバンドの現名義としてのデビューEP。過去に取り上げた''Nothing is Permanent'', 同郷のLaikaとのスプリットにも収録されている ''Berserker'' ''End of the Spiral'' を再録していますが、一番の目玉は前身のバンド名を冠したTr.6 ''Curse of my hands''。Composer/Ba. komaが「忌々しいモノ」と語るその名前をあえて付けたのは過去との決別を示しており、近年のシンプルな構成とは一線を画すプログレッシブなギターワークと透明感のあるサウンドスケープは前身で特徴的だった作風の名残を感じさせます。


Satylus - Better End
シングル (4/17)

 東京を拠点に活動しているポストハードコアバンドの最新シングル。先日Changelessや新体制Winter Wakesなどを招いてレコ発も行われたばかりですね。直近では壮大で近未来的なサウンドスケープとヘヴィなサウンドを下地にVo. Kyoheiのハイトーンクリーンを前面に押し出した作風が際立っていましたが、アートワークから察する通り今作もその路線は大きく変わりません。 しかし最後には大気圏突入系の激しいブレイクダウンで楽曲が締めくくられます。


YENFOR - Bedlam
シングル (4/28)

 東京を拠点に活動している新鋭ハードコアバンドのデビューシングル。まだ先月始動&初ライブが行われたばかりでそのポテンシャルは未知数。しかし、その2010年代のダウンチューニングモッシュコア(個人的にはDegraderあたりを思い浮かべました)を連想させながらも、ところどころメタルコアやカオティックハードコアの展開を織り交ぜたハイブリッドぶりには目を見張るものがあります。気に入っているのは2分を過ぎたところの疾走パート、あれは拳上がりますね。

VOMIT OUT RESTRICTION - Downfall
シングル (4/29)

 北海道・札幌を拠点に活動するメタルコアバンドの最新シングル。デスコア・メロディックメタルコア・プログレなど国内外のメタルコアを吸収したサウンドはリリースごとにその表情を変えていますが、今作は今までの楽曲で最もブルータルな作風。不協和音を交えたイントロやブレイクダウンのヘヴィさばかりに耳がいきがちですが、各楽器隊のテクニカルなフレーズ(Dr. シンノスケ曰く「一番叩きたくない」)にも注目。HIKAGECalls Name Againに続いて本土のシーンをかき回してほしいですね。

Roots of VENOM - Runaway
シングル (4/15)

 北海道・札幌市を拠点に活動しているメタルコアバンドの最新シングル。同じニューメタル要素を兼ね備えているバンドにはxatu(ex. Defections)がいますが、Alpha WolfDealerのようなモッシーな作風とは少し違い、こちらはタテノリ主体の00年代リバイバル系。インダストリアル〜ドラムンベース調のイントロや重厚なグルーヴ、何よりVo. Taigaの張り上げるようなメロディーをなぞったシャウトから低音グロウルまで多様にこなすボーカルスタイルは一聴の価値あり。

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