Tamiko/ フィドラー

アイルランド、イギリス諸島、アメリカに広がるフィドル音楽について、音楽史から、学び方、…

Tamiko/ フィドラー

アイルランド、イギリス諸島、アメリカに広がるフィドル音楽について、音楽史から、学び方、楽譜まで幅広く紹介しています。レッスンや演奏のお問い合わせはHPから→https://fiddletamiko.com/

マガジン

  • 楽譜ピース販売

    これ弾いてみたい、というリクエストにお答えして制作したボウイング付きの楽譜を販売します。

  • 民俗音楽雑記

    幅広い民俗音楽のお話です。

  • フィドルとヴァイオリン

    民俗音楽のフィドルとクラシック音楽のヴァイオリンとはどこか違うの?というテーマで書いています。

  • フィドルを学びたい方へ

    Tamikoが主催するフィドルクラブ大阪やレッスン、音楽イベント、レッスン内容の記事など。

  • 「ケルト」と音楽の関係がよくわかるマガジン

    アイルランド音楽のことを、「ケルト音楽」と呼びかえることから生じるさまざまな疑問を解いていきます。

最近の記事

  • 固定された記事

日本語で読める初のフィドル教本『フィドルが弾きたい!』が発売されました

日本語で読める初のフィドル教本が、2022年2月に音楽之友社から出版されました。『Complete Irish Fiddle Player, Pete Cooper著 (1994年 MalBay出版)』 の翻訳版になります。僭越ながら、私が翻訳を手掛けました。原書は世界的ベストセラーで、初版から28年間、すでに、世界で多くの人に学ばれている良書です。なお、このたびの日本語版の出版を期に改訂されております。 (原著は、amazonで72個のレビュー、評価は4.6) 著者につ

    • アイリッシュジグ「Tom O‘Connor's Jig」~元音源と一緒に学ぶ楽譜ピース販売

      最後の巡回教師パードリック・オキーフ(1888-1963)にちなむ曲を習いましょう。フィドルクラブ大阪の2024年7月の課題曲です。 Tom O‘Connor's Jigの音源 レベル:初級~中級 ファーストポジション、シャープふたつ フィドルのボウイングと装飾音、コード伴奏付、アレンジのアイディア付き。ぜひ、弾いてみてくださいね♪ ご購入の流れ: ①この記事を購入してください。 ②すると、「ここから先は有料部分です」の先が見えるようになります。 ③楽譜の画像が貼って

      ¥800
      • アイリッシュジグ「Padraig’s Lark in the Morning」~元音源と一緒に学ぶ楽譜ピース販売

        最後の巡回教師パードリック・オキーフ(1888-1963)にちなむ曲を習いましょう。フィドルクラブ大阪の2024年6月の課題曲です。 Padraig’s Lark in the Morningの音源 レベル:初級~中級 ファーストポジション、シャープふたつ フィドルのボウイングと装飾音、コード伴奏付、アレンジのアイディア付き。ぜひ、弾いてみてくださいね♪ ご購入の流れ: ①この記事を購入してください。 ②すると、「ここから先は有料部分です」の先が見えるようになります。

        ¥800
        • アイリッシュポルカ「Knocknaboul Polka」~元音源と一緒に学ぶ楽譜ピース販売

          最後の巡回教師パードリック・オキーフ(1888-1963)にちなむ曲を習いましょう。フィドルクラブ大阪の2024年5月の課題曲です。 Knocknaboul Polkaの音源 1トラックの2曲目に、The Top of The Maolとセットにして収録されています。(1:28~) レベル:初級~中級 ファーストポジション、シャープひとつ フィドルのボウイングと装飾音、コード伴奏付き。ぜひ、弾いてみてくださいね。 ご購入の流れ: ①まず、この記事を購入してください。

          ¥800
        • 固定された記事

        日本語で読める初のフィドル教本『フィドルが弾きたい!』が発売されました

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          6本

        記事

          英国コーンウオール「Come to Good」~元音源と一緒に学ぶ楽譜ピース販売

          MUJI BGMにも使われている、英国コーンウオールの音楽の楽譜の書き起こしをしました。中世の楽譜から発掘されたという、コンウオールの音楽を聴いて下さい。 レベル:初級~中級 ファーストポジション、フラットキーがひとつ出てきます。 フィドルのボウイング付きです。ぜひ、弾いてみてくださいね。 ご購入の流れ: ①まず、この記事を購入してください。 ②すると、「ここから先は有料部分です」の部分が見えるようになります。 ③楽譜の画像が貼ってあります。期間無制限で何度でもご覧に

          ¥750

          英国コーンウオール「Come to Good」~元音源と一緒に学ぶ楽譜ピース販売

          ¥750

          北欧フィンランド「Pikkulukkarin sotiisi」~元音源と一緒に学べる楽譜ピース販売

          MUJI BGMにも使われている、フィンランドのダンス曲の楽譜の書き起こしをしました。 このような音楽です。 レベル:初級~中級 ファーストポジション、フラットキーが2つ出てきます。 フィドルのボウイング付きです。ぜひ、弾いてみてくださいね。 ご購入の流れ: ①まず、この記事を購入してください。 ②すると、「ここから先は有料部分です」の部分が見えるようになります。 ③楽譜の画像が貼ってあります。期間無制限で何度でもご覧になれます。上に貼った音源に合わせて練習すると便

          ¥750

          北欧フィンランド「Pikkulukkarin sotiisi」~元音源と一緒に学べる楽譜ピース販売

          ¥750

          夏のセッション大会~presented by フィドルクラブ大阪

          こちらは、生徒さん向けのページです。 フィドルクラブ大阪では、受講者のみなさんで、共通のレパートリーを作りあげてきました。そうしたレパートリーを携えて、パブでセッションをしましょう♪ ギター、マンドリンの伴奏楽器も大歓迎。 夏のセッション大会概要 【日時】8月3日(土) 18:00開始 20:00完全撤収 【場所】HUBあべのキューズモール店(JR/地下鉄 天王寺駅より徒歩1分) 【参加費】大人一人1,500円 (税込み・お食事代のみの代金) 【参加者】現在と新旧の生徒

          夏のセッション大会~presented by フィドルクラブ大阪

          ロイヤルを冠しても、すなわち王立ではない英国事情 ~ヴァイオリンの音楽検定から 

          みなさんにご愛好いただいている『フィドルが弾きたい!』には、ヴァイオリンの音楽検定のことに触れ、それを主宰する「Royal Irish Academy of Music」という名が出てきます。私は、それを「王立アイルランド音楽院」とせずに、「ロイヤルアイリッシュ音楽院」としました。アイルランド共和国には王様がいないので、「王立」では、なんだか妙だからです。アイルランドにあるこの音楽学校の歩みを見ていきながら、英国ならではの、「ロイヤル」の称号の秘密に迫っていくことにします!

          ロイヤルを冠しても、すなわち王立ではない英国事情 ~ヴァイオリンの音楽検定から 

          John Ryan’s Polka にみる曲の流行

          John Ryan’s Polka という曲をご存じですか。ディカプリオ主演、1997年のハリウッド映画『タイタニック』で三等船室のダンスパーティーに使われた曲、といえばお分かりでしょうか。初心者にも取り組みやすい易しい曲として、日本でおそらく最も人気があるアイリッシュレパートリーのひとつといっても過言ではないでしょう。この曲が一躍人気を得た経緯をたどりながら、メディアの役割を見ていきましょう! アメリカ映画『タイタニック』の海外での受け止められ方 タイタニック海難事故の

          John Ryan’s Polka にみる曲の流行

          民俗音楽に息づくアマチュアリズム

          アマチュアというと、『広辞苑』には「職業としてでなしに趣味や余技として携わる人。愛好家。」とあり、”しろうとの手慰み””下手の横好き”といったように、一般的にプロに対して甘いというニュアンスが込められます。けれども、民俗音楽の世界では、プロ的な活動をしている著名な音楽家が別に本業を持っていたり、無名のアマチュアがプロのような演奏をしたりするので、そのような定義がかみあわないことに気が付きます。 プロとは、すなわちフルタイマーミュージシャンのこと 現在でも民俗音楽の世界では

          民俗音楽に息づくアマチュアリズム

          「アイリッシュフィドル講師養成講座」開講

          フィドルを習いたい方が増えています。しかし、フィドルを教えられる講師の方がまだまだ少ない現状です。そのような現状に応えるべく、ヴァイオリン講師向けのアイリッシュフィドル講座が開講されます。フィドルをお教室に取り入れ、生徒さまのより幅の広いニーズに応えてみませんか。楽器を楽に構えファーストポジションで弾くフィドルの奏法は、身体に優しく、幅広い年齢層の方に喜ばれます。フィドルを装飾音やボウイングといった要素で理解していく内容となっているので、効率よく学ぶことができるコースとなって

          「アイリッシュフィドル講師養成講座」開講

          フィドルが上達する練習方法 ~基本編~

          時間を忘れて楽器を練習することは楽しいことですよね。そして、どんな人でも練習するからには上手くなりたいと望んでいます。そこで、大人から楽器を始めた独学者のほとんどが知らない、できていない練習ノウハウを一挙公開します。 限られた時間の中で効果を上げる具体的な練習方法とは? また、練習によって身体を壊さないことも大事な観点です。今回はその両方に適った練習方法を6箇条にして、「フィドルが上達する練習方法 ~基本編」としてお伝えします。 こうした楽器練習のノウハウは、本来、レッス

          ¥1,000

          フィドルが上達する練習方法 ~基本編~

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          音楽の歴史を狭めることで見えなくなるもの

          「民間伝承(folklore)は、三世代(一世代=約30年、つまり約90年)以上にわたって伝承されてきた有形無形の文化である。」という定義を拡大解釈して、民俗音楽の歴史を現在からたった三世代までしか遡らないとする人がいます。三世代以上と三世代までとでは全く意味が違いますし、伝統的な音楽の歴史がたったの90年!とは、いったいどういうことでしょう。何かの意図がないと、そうはなりません。それは、いったい、どんな意図なのでしょうか。 音楽の起源についてはすでに定説がある 20世紀

          音楽の歴史を狭めることで見えなくなるもの

          民俗音楽における「楽譜」の存在とその役割

          アイルランド音楽において、曲は聴き覚えで伝えられてきました。そもそも楽譜が読めない奏者もたくさんいます。だからといって、この音楽の世界に楽譜が全く存在しなかったか、というと決してそうではありません。もし、民俗音楽の音楽家が旋律を紙に記すことも、出版された楽譜を見ることも全くなかったら、音楽は今よりずっと内容の乏しいものになっていたでしょう。民俗音楽においては、クラシックとはまた違った楽譜の果たした大きな役割があったのです。 民俗音楽の「楽譜」はクラシックのとは種類が違う

          民俗音楽における「楽譜」の存在とその役割

          クラシックギター音楽と民俗音楽のクロスオーバーの新発見をしたかも!?というお話

          民俗音楽研究は、クロスオーバーの発見の歴史と言っても過言ではありません。研究者が範囲を広げて調べてみると、「その地で生まれた固有の音楽」と思われた歌や曲が他の地域でも見つかることがよくあるからです。そして、それぞれの曲の年代が推定できると、曲のたどってきた軌跡が分かり、人々の暮らしぶりまで想像できることもあるのです。 民俗音楽での地域間のクロスオーバー アイルランドとイギリス諸島のクロスオーバーの例は、枚挙にいとまがありません。例えば、アイルランドのリール曲の有名なものは

          クラシックギター音楽と民俗音楽のクロスオーバーの新発見をしたかも!?というお話

          セッションが伝統になるまで

          今日のアイルランド音楽は他のどの国よりも、パブでのセッションが音楽シーンの中心となっています。初心者から世界ツアーを行うプロまで、自分たちの楽しみのためにこの非公式な集まりに参加し、曲を交換します。こうした現状から、「アイルランドでは、ずっと昔からパブでセッションが行われていた」と思われたとしても仕方ありません。それでは、いったい、いつ頃からパブでのセッションがアイルランドの「伝統」に加わったのでしょうか?  18世紀から20世紀初頭までの音楽シーンと演奏形態 かつて、ダ

          セッションが伝統になるまで