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星を隠したオクラの日

バナナに気をとられていたが、8月7日はオクラの日でもあったらしい。

岩手県盛岡市の青果業を営む「やおやささき」が制定。
オクラの切り口が星形をしており、オクラを食べると短冊に書いた願い事がより叶うのではとの思いから、「月遅れ七夕」の日を記念日とした。また、この時期に旬を迎えるオクラを食べて夏バテを防いでもらいたいとの願いも込められている。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録された。

記念日には、納得できるもの・無理があるもの・組織のおもわくを感じるものとさまざまだが、これは経緯におもむきがあるし、かわいい。

断面の特徴的なかたちに着目し、日本の伝統的な行事もまぶしているうえ、時期も旬に合っていてすてきだ。
願い事が、より叶うどうか、は別にして。

少し話がそれるが、最近話題になっていたこのツイートも、オクラのナチュラルカーブを巧みに操っていてグッときた。オクラフォント、いい。

一般的なオクラは、切るとたしかに断面が星型。星をかくした夏野菜。

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夏場、ちょっと食欲なくてお米食べるのきついなという時は、ゆがいたオクラを刻んで、めんつゆとともに豆腐にかけて食べる。
釜揚げシラスや、トマトを加えると彩りも鮮やかで、なお美味しい。

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(しらすに埋もれて豆腐が見えない)

旧暦の七夕がオクラの日なので、これで日本の生産量1位が仙台だったら完璧なのだが、アフリカ原産のオクラは寒さに弱いそうだ。

日本のおもな生産地は、鹿児島県を筆頭に高知県、沖縄県、熊本県、宮崎県と温暖な地域が続く。
ハイビスカスやムクゲと同じトロロアオイ科の仲間なので、花のかたちもなんとなくそれっぽい。

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オクラという名称になんとなくイタリア語っぽさを感じるが、英語のokraからきている外来語だという。パンナコッタとかパスタとか、馴染み深いイタリア語が「あ」で終わる陽気な響きの言葉が多いせいか。

最近暑かったし、部屋はほぼ外気温でオクラ茹でる以前に自分が茹で上がっているし、台風で気圧も低いし、オクラ食べたいな・・・と思っていたところ、コンビニでこれを見つけた。

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そらまめスナック「miino」は、一度食べて以来やみつきになってしまい、大容量パックも含め何度も購入している。

その横に、この「ざくオクラ」が同じ色合いでこじんまりと寄り添っていた。お、オクラがスナック菓子ゾーンにエントリーしてくるとは。

QRコードで販売者の株式会社ノースカラーズのホームページに飛べるようになっているのだが、商品情報で「ざくオクラ」と入れても「お探しのキーワードでは見つかりませんでした」とそっけなくされてしまう謎の商品。

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表示内容に責任をもつ販売者表記のほかに、原産国表記と加工者表記がある。個人的にいちばんややこしいパターン。どこが実際に作っているのかパッと見で分からない。

製造所または加工者の所在地を表記する際の「加工」とは、最終的に衛生状態を変化させる製造または加工をさす。
ざっくりいうと「出荷前、最後に食べる部分(=可食部)を直接さわったところ」というイメージだ。

ということは、「中国からバルクで輸入した揚げオクラを、加工者である愛知県で小分けにして袋詰め」したと考えられる。
ちなみに、「揚げる」行為は「製造」にあたるので、愛知県で揚げていたら、加工者ではなく製造者表記になるはずだ。

【製造】その原料として使用したものとは本質的に異なる新たな物を作り出すこと(加工以外の行為)。
【加工】あるものを材料としてその本質は保持させつつ、新しい属性を付加すること(切断、粉砕、混合、小分け、加塩、冷凍など)。
(食品表示検定認定テキスト・中級より抜粋)

原産国がまったく気にならないわけではないが、品質や残留農薬調査をしっかり行ったうえで輸入したり、現地に赴いて製造ラインの視察を定期的にしたりしている企業もある。

食品表示法の改正で、原産国や製造場所は裏面表示を見ればだいぶ情報を得られるようになったので、選ぶか選ばないかは消費者に委ねられているなと思う。もうすこし分かりやすくなるといいのだが。

読み解き始めるとキリがないから、さっさと食べた。

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カリッカリに素揚げしたオクラ、以外の表現が思いつかない。

塩味も何もついていない純粋な素揚げ。ただ、オクラのネバネバジュワジュワ感は、噛めば噛むほど復活する。
スナック菓子なのに、口の中が潤っていく不思議。
これで実際のオクラ4~5本分くらいだろうか。

実は一緒に買っていたそらまめスナックmiinoも一緒に食べると、塩気が程よくてちょうどいい。

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ところで、月遅れ七夕に行われる仙台七夕まつりは、2年ぶりに無事開催されたようだ。
7月に続き、関東は朝からてんぷらを揚げるような雨音が窓を鳴らす。

雨はカラッと上がって星空を見せてほしいが、星のオクラは揚げるより茹でるほうが好みだ。

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