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離乳食を始める前に。子どもの食事で、管理栄養士が一番知ってほしいこと

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初めての離乳食…その前に。

この記事を読んでくださっている方の中には、初めての育児中の方や、プレママ・パパもいらっしゃるでしょうか。

無添加で手作りのごはんをお届けしているFIT FOOD HOMEのメンバーにも、育児中の者が多数在籍しています。
子どもを育てる中で、やはり頭を抱えちゃうのが食事関係!
特に、初めての離乳食では心配が尽きませんよね。

・アレルギーのチェックは何から始めるの?
・食べてくれなかったらどうしよう…
・ミルクや母乳が減ってきたのに、食べる量は全然増えない!
などなど。

自治体の乳幼児健診などでも、管理栄養士の指導を受けたり、相談できる場所はありますよね。
でも、管理栄養士でもある私が初めての子育てをしてきて、「知られているようで知られていないこと」があると気付きました。

ちょっぴり固い内容になってしまいますが、今日はそんなお話をしてみようと思います。飽きずに読めるよう、イラストも随所に入れていきますね。

と、その前に…

本題に入る前に、前回の記事でもお話していたことをもう一度。
離乳食や子どもの食事で私たちが伝えたいのは、

成長は子どもによってさまざま。他の子どもと比べたりして、マニュアル通りにいかないことを悩んだりしすぎないように。。

ということ。
確かに子どもがご飯を食べられるようになるプロセスはとっても大切だけど、ママ・パパが笑顔でいられることも欠かせないんです。

私自身も、超・小食で超・偏食だった自分の子どもに対して悩んで、イライラして…負のループに陥った経験があります。
ママやパパがそんな顔をしていたら、子どもも楽しくご飯を食べられないんだ。そう気が付くまでにずいぶん長い時間がかかってしまいました。

疲れたときは便利なものにも頼って、無理しないように!
それを踏まえた上で本題に入りたいと思います。

食べ物が原因の事故って、とっても多いんです。

今回一番伝えたいことはこれ!
食べ物が原因の事故って、実はとっても多いんです!

消費者庁の資料によると、

平成 22 年から平成 26 年までの5年間で、子供(14 歳以下)の窒息死事故
623 件
のうち、食品による窒息死事故は約 17%(103 件)を占めており、食品が、子供の窒息死事故を引き起こす大きな原因の一つであることが分かりました。

とのこと。
5年間で子どもの窒息死事故は623件。およそ3日に1回の頻度で子どもが窒息で亡くなっている…というデータになりますから、そう低い頻度だとは思えませんね。

そしてそのうちの約17%が食品によるもの。この事実は、知られているようでまだまだ知られていないのです。
実際、私がこれまでに子どもと参加した乳幼児健診や離乳食教室でも、こういった窒息への注意はほとんど行われなかったのです。
(※自治体などによって指導内容は異なります)

子どもが一人前にごはんを食べられるようになるには、びっくりするほどの個人差があります。
何グラム食べたらOKなのか…初めての育児ではそういったことが気になってしまうものだけれど、それよりも知っていてほしいのが窒息の危険性

今回は、どのような食品で事故が起こっているのかを詳しく解説しますね。

お菓子は月齢・年齢に応じたものを

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窒息死事故の原因となった食品のうち、最も多かったのがお菓子類です。
飴はイメージがしやすいですが、その他にもゼリーやシガレットのように棒状になっているお菓子、せんべいなどでも事故が起こっているんですよ。

こんにゃくゼリーでの事故は記憶に残っている人も多いのではないでしょうか。今ではパッケージに注意書きがされていますが、子どもに与えたことのある人は多いかもしれません。EUではこんにゃくを含んだゼリー菓子は禁止されているほどですから、注意が必要です。

特に乳幼児用のお菓子には目安となる月齢などが記載されていますので、それを参考にしたうえで大きさを調節するなどの工夫が欠かせません。

周りの人々にも注意を!

これを聞くと、多くのママ・パパは
さすがに飴なんて、小さい子にはあげないでしょー。
と思うかもしれません。私もそう思っていました!

でも、実は他人が知らぬ間に子どもに飴を与えていたりする事例もあるのです。私も子どもが1歳くらいのとき、通りすがりの方に飴を差し出されてしまいました。子どもは喜んで受け取ってしまうので、それを取り上げるのにも一苦労…。
私の場合は見ていたからよかったものの、気づかぬうちに子どもに渡して食べてしまうこともあるんだそうですよ。

また、帰省のときなどで、祖父母などの周囲の大人が勝手にお菓子を子どもに与えてしまう危険があるということも知っておきたいですね。
これはお菓子に限らず、乳幼児に生ものアレルゲンを含むものを与えてしまうなどの事故にもつながります。

また、上のきょうだいが、自分が食べているお菓子を分け与えてしまうという事故もありますよ。上の子が見ているから大丈夫、というのが実はとても危険なのです。
保護者は気を付けていても、その他の人によるリスクがあるということも忘れないようにしたいですね。

ゼリーの空き容器はすぐに捨てる!

お菓子本体だけではなく、実はその容器にも注意。
実際に1歳の子どもがカップゼリーの空き容器を喉に詰まらせた例もあります。

空き容器にはお菓子の匂いや味が残っていて、子どもはいつまでも舐めたりしたがるもの。目を離すことがないよう注意しましょうね。

子どもに人気の果物・野菜類でも

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お菓子の次に多いのが、ぶどうやりんごなどの果物類です。
特にぶどうは柔らかいため、窒息するというイメージを持っていない人も多いのではないでしょうか?
しかしながら、ぶどうをそのままの形で与えてしまったために子どもが亡くなるという事故は実際に起きているのです。

また、りんごも大人が食べるようなサイズでは上手に小さく噛み切れない場合があります。少しずつ上手にかじって食べられるような年齢になっても、大きな塊がスポッと口の中に入ってしまうことも珍しくありません。

家で与えるときもしっかり子どもの様子をみて、月齢などに応じて小さく切るなどするのがベターですよ。
保育園や幼稚園のお弁当に入れる際も、カットを忘れずに。切り口の変色が気になる時は、レモン汁を少しかけてあげるとキレイなまま食べられます。

盲点・ミニトマト

私が最も注意したいのがこれ、ミニトマトなんです!
お弁当にそのまま入れているというママ・パパも多く見かけますし、家でもそのまま与えているという声を多く聞きます。

もちろん大多数がそのままでも問題なく食べられているかと思いますが、まれにスポッと気道をふさいでしまうことがあるのです。嵌ってしまったトマトは、子どもの力ではうまく取り出せません。

カットして与えるように気を付け、お弁当で汁が出て困る場合はカップなどを活用するのがオススメですよ。また、切り方によっては汁が出にくくなります。

家庭菜園にも注意

また、家庭菜園でトマトを育てているというおうちも多いので、子どもが知らぬ間に摘んで食べてしまったりしないよう注意が必要です。
実際に、保育園で栽培しているミニトマトを保育者が見ていない間に食べ、子どもが亡くなった事例もありますよ。

パンは一人でも食べやすいけど…

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離乳食ではパン粥にしていた子どもも、少しずつそのままの形のパンを食べられるようになりますよね。
スティック状のパンや食パンなどは手で持って食べやすいため、子どもに持たせて好きに食べさせる場面は多いものです。

でもそんなパンも、窒息の危険がある食べ物だということを忘れないように!
実際に子どもが食べる様子を見ていると、まだ飲み込めていないのに次のひと口を詰め込んだりしています。大きくなるにつれ少しずつ上手になってはいきますが、やはり乳幼児にとっては「ちょうどいい量を口に入れる」というのは難しいもの。

パンを持たせたまま、ママ・パパは別室に行ってしまった…なんてことがないよう、気を付けたいですね。まだ上手に食べられないうちは、小さくちぎって。

ナッツは3歳を過ぎてから?

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消費者庁では、「豆やナッツ類は、3歳頃までは食べさせないようにしましょう!」と呼び掛けています。

奥歯が生えそろわず、かみ砕く力や飲み込む力が十分ではなく、気道も狭い子どもが豆やナッツ類を食べると、気道に入って気管支炎や肺炎を起こしたり、窒息したりするおそれがあります

とのこと。節分の豆による事故は後を絶たず、この記事を書いている今年も保育施設の豆まきで痛ましい死亡事故が発生しました。
現在では豆は使わず新聞紙を丸めたボールで代用したり、豆の入った小袋のままで持ち帰らせる…などの対応をとっている園も多いですが、家庭でも気を付けなくてはいけません。

乳幼児に限らず、小学生の大きいお子さんがアーモンドを詰まらせて亡くなった事例もあります。大きくなっても油断せず、ナッツを食べる際は注意が必要です。

ナッツは栄養が豊富で子どもにも与えたい食品の一つですが、必ず小さく砕くなどの工夫をし、3歳を過ぎて上手に噛める段階になってから、様子を見ながら与えるようにしましょう。

実際にのどに詰まったときはどうしたらいいの?

これだけ注意すべき項目を挙げても、思いもしないものをのどに詰まらせたりするのが子どもというもの。

・窒息するとどんな症状になるの?
・応急処置はどうしたらいいの?

分かりやすくまとめてある政府広報オンラインは、子育てをするママ・パパ必見ですよ。

応急処置法を知っている人が窒息の現場に偶然居合わせたために、一命をとりとめた…という事例も多くあります。
子ども以外でも、大人や高齢者の窒息事故も起こっています。周りの人をいち早く助けられるためにも、知っておいて損はないですよ。

【参考記事・URL】
消費者庁. 食品による子供の窒息事故に御注意ください!
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/170315kouhyou_1.pdf
消費者庁.  豆やナッツ類は、3歳頃までは食べさせないようにしましょう!https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/release/pdf/consumer_safety_release_180131_0001.pdf
消費者庁. 子どもを事故から守る!!子どもの事故防止ハンドブック
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_002/pdf/consumer_policy_cms205_191101_01.pdf

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