採用担当を始めて1年を振り返ってみたら「餅は餅屋」だと思った話
Hello, Note!アジャイル開発チームのA氏です。
チームの大半はエンジニアやデザイナーが占めるなか、「マネージメント」という名の何でも屋さんとして仕事をしており、その一環で人財採用も担当しています。
採用担当になったのが2019年春先なので、ちょうど1年を迎えようとしている今、自分自身の反省も兼ねて振り返ってみたいと思います。
採用担当になった経緯
FFGではデジタルトランスフォーメーションを中期経営計画にも明記して推進していますが、もともと銀行内にはデジタル領域の専門人財がいないため、育成と並行して即戦力をキャリア採用で確保する必要がありました。
3年ほど前から人事部を中心にデジタル人財のキャリア採用を進めてましたが、傍目から見るとうまく進んでないように見えました。
苦戦の原因は、その道の実務経験を持つ人が採用に関与していないことだと私は考え、上司に志願して2019年4月から採用担当をさせてもらうことになりました。
今思うと、十数年の社会人生活の中で人財採用を1度も経験したことがなかった私に任せてくれた会社と上司には本当に感謝してます。
ロール定義と募集要項の整備
まず最初に着手したのがロール(職種)の細分化です。
私が着任した時は、システム開発やデータ分析に関わる全ロールを「デジタルエンジニア」というたった1つの名称で募集していました。
業務範囲やスキル領域も異なるロールが1つに束ねられていたので、当然ながら薄く広い募集要項となってしまい、候補者が業務内容を想像できない状態でした。
そこで開発現場の実態に合わせてロールを5つに分け、1つずつ業務範囲・求める人物像・必要スキルを整理していきました。
整理が終わったら募集要綱として自社HPのキャリア採用ページはもちろんのこと、採用に関わるメディア・業者へ刷新してもらえるようにお願いして回りました。
数 vs 率
次に採用を推進するための戦略を立てました。
採用の成果は「候補者数」と「選考開始以降の内定決定率」のかけ算によってもたらせると考え、どちらがより大きなネックであるか分析しました。
内外の採用関係者から情報を集めたところ「内定決定率」は他社平均よりも良いくらいだとが分かり、「候補者数」が少ないことを優先して取り組むべきと判断しました。
採用チャネルの優先順位
「候補者数」を増やすために何をすべきか?
FFGが活用する採用チャネルを分類すると後述の通り6つあるのですが、担当者の数が限られる現状では、全てを同時並行で推進することは不可能です。
そこで「即効性」と「選考基準を満たす確率」の2軸で優先順位を決めることとしました。
「1.即効性」とは、母集団をそれなりに抱えていて、且つ一定の打ち手を施せば候補者が出てくることが想定できる状態を指します。
自分が担当になったからには、目に見える変化が欲しかったという点も即効性を重視した理由です。
「2.選考基準を満たす確率」とは、応募してきた候補者が書類選考を通過するであろう確率を指します。
スキル・経験がマッチしないような応募が増えすると、候補者・企業とも心身すり減ってしまうので、この率も重視しました。
主な採用チャネル6つを上記2軸で整理したところ、以下の優先順位で進めることとしました。
1.求人媒体(スカウト型)
2.キャリアエージェント
3.リファラル(社員紹介)
4.自社HP
5.イベント開催・講演
6.求人媒体(情報掲載のみ)
(筆者の偏見を含む採用チャネルマップ)
「餅は餅屋」を心がける
重視する指標とチャネルの優先順位を決めたら、あとは実行あるのみです。
効果的に採用活動を進めるため、本を読んだり他社の採用ブログを読んだりしながらいろいろ試してみましたが、最も効果的だったと思うのは「餅は餅屋」を心がけることでした。
ここでいう「餅屋」とは、求人媒体やキャリアエージェントの人たちを指します。
各媒体の担当者たちとコミュニケーションをとりながら、そのチャネルの効果的な活用方法を教えてもらうのです。
「餅屋」は成功している他社の施策(=ベストプラクティス)を知っているわけですから、「こんなふうにアプローチすると●%返信率が上がる」といったデータに基づく実用的な使い方を教えてくれます。
その方法を実際に試した結果を担当者に伝え、またフィードバックをもらう。
これを繰り返すと、自分たちでは思いもよらなかった活用術が少しずつ増えていきます。
特に「求人媒体(スカウト型)」は、自分たちの工夫次第で様々な角度から候補者にアプローチできるようになり、そのチャネルが成長していくような気持ちになります。
また担当者とコミュニケーションを取り続けた結果、採用イベントの共催といった声がかかる副産物も得られました。
現場エンジニアを採用に巻き込む
「餅は餅屋」と同じくらい意識して行ったのが、現場エンジニアを巻き込むことです。
採用に協力してくれる人を徐々に増やしていき、書類選考や面接に入ってもらうことで企業側にとっては見極め精度が上がりますし、候補者側にとっては業務内容や雰囲気といった現場感が伝わる効果があります。
しかし採用担当が増えると選考目線のズレが出てくることもあるので、そのようなアラートを察知したら全員が集まり、目線合わせ会を行っています。
やっぱリファラル最強!
1年ほど採用担当をやってみて感心したのは、6つの主要チャネルの中で「リファラルが最強!」ということです。(※ リファラルとは現役社員による知り合いの紹介)
リファラルは採用決定率が圧倒的に高く、しかも採用コストは相対的に少額で済みます。(おそらくどの企業でも同じだと思いますが)
また紹介した社員にとっては、採用に関与することで会社に対する愛着心が高まる効果も期待できます。
1つ注意点をあげると、万一リファラルの候補者が不採用になったり入社後に退職したりといった場合に、紹介した社員が辛い思いをしないよう十分なケアが必要となります。
正直なところ現時点ではリファラルの採用数が少ないので、上記のケアには注意しながら活性化するための仕掛けを作っていこうと検討し始めました。
まとめ
最後に今回の投稿をまとめると・・・
・ 必要人財のロール定義と募集要綱を整理する
・ 重視するKPIの決定
・ チャネルの優先順位付け
・ 餅は餅屋で実行、採用プロセスに現場エンジニアを巻き込む
・ 今後はリファラル!
以上、アジャイル開発チームの採用担当:A氏でした。
それでは!