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サイボウズの活用:EDC利用に関する考察(研究・治験)

はじめに

サイボウズOffice、先回は在庫管理について

記事を作成しました。

実は、研究業務で在庫管理に難渋することがあり

上記の記事を書いた経緯があります。

公的機関の研究は、

会社とは異なり経費を研究費でまかなうため

経費を適切に使用するために
・経費処理は月をまたいではいけない
・きちんと業者を通じて必要品を購入する

などの厳しい縛りがあります。

驚くほど窮屈なシステムで、

本来の仕事をする前に神経を削られることが多いと感じます。

そして肝心な臨床データを収集する場合、

(すでにシステムが構築されていれば何の問題もありませんが)

何も知らないスタッフには

色々なハードルが待ち構えています。

「何も知らなかったスタッフ=私」なのですが。

今回は、病院や研究所等の共同研究において

サイボウズOfficeがEDCとしてどこまで使えるのか

を考察したいと思います。

EDCとは

EDCとはElectronic Data Captureの略称で

インターネットを使って臨床データを収集すること、

あるいはそのシステムのことです。

研究での収集内容には次のものが挙げられます。

CRF(Case Report Form):症例報告書
臨床データ:被験者の基本情報、血液検査結果、画像検査結果、薬剤など
その他:同意書、有害事象、モニタリング、脱落理由などの特筆事項

サイボウズOfficeでは、次の機能を使って

登録内容・方法をカスタマイズすることが可能です。

・チェックボタン
・ラジオボタン
・日付入力
・データ入力(数字でも文字でも)
・PDFのアップロード

したがって、先ほど申し上げた

CRFをはじめとしたデータ登録は可能と考えます。

機微情報が含まれないテキストファイルや

画像を集める方法としては

Dropboxも便利でしょう。

無料の場合、2GBまで利用可。

EDCの設定

何名まで被験者を登録し、

いつの時点までデータを収集し、

どこまで症例を入力したか。

EDC上ではあらかじめ進捗ステータス

一目でわかるよう設定しておかなければなりません。

進捗管理が肝といっても過言ではないのです。

進捗は、ラジオボタンで手動設定ならできそうです。

未入力、入力途中、入力完了の3択で。

管理者のEDC使用内容

EDCの管理者が確認するのは主に以下の内容です。

・データ
・欠損
・整合性

EDCで進捗ステータスを確認する、

あるいはデータをダウンロードしてチェックします。

データをダウンロードするときに

登録済み情報をうっかり消してしまわないよう

注意する必要があります。

レコードを一括削除する、という

ボタンがあるので注意↓

クリアケース管理アプリ_-_サイボウズ_Office

入力担当者のEDC使用方法

収集したデータをサイボウズOfficeに打ち込みます。

画像や報告書などのファイルはアップロードします。

サイボウズOfficeの場合、PDF形式のものは

ブラウザ上で確認できるところが便利です。

ファイル形式がWordやExcelの場合、

ダウンロードしないとプレビューが見られません。

万が一のデータの流出を避けるため、

ブラウザ上で確認できるようにしておくべきでしょう。

管理者・入力担当者間の連絡

研究スタート時やEDC利用スタートの際は

入力者から管理者に向けて

もっとも問い合わせが増えます。

サイボウズOfficeでは、課題点の共有に

メッセージ機能やコメント機能を使うことも可能です。

仮に個別に連絡することがあっても概ねは

メールで完結すると思われます。

料金設定

契約は5人から。

年額5,880円/1人です。

利用者が10人ぐらいの規模であれば

年間6万円ほどで利用可能ですね。

入力が終わり次第、データをすべてダウンロードして

契約終了すればOK。

サーバーを契約して、改修などが発生すると

次々とメンテナンス費用がかさみ、

何百万円という出費になります。

この出費で別の人を雇って

管理者がサイボウズOfficeで頑張って

入力画面を作る方がかなり安価に済みます。

簡単な入力画面であれば

私ぐらいのレベルでもカスタマイズ出来そう。

さいごに

今回は、私がEDCの開発・運用・経費処理にかけた

苦労を成仏させるための記事でした。

データの管理で重要なことの1つに

データの信頼性が担保されているか

という点があります。

もしサイボウズOfficeの仕様に

入力内容の修正不可or修正履歴を残す

という仕組みがプラスされれば

データの信頼性を保つことができ、

安全なEDC運用が可能になると考えます。

現在の仕様のままでも、管理がしっかりされて

管理者が適時にダウンロード保存していれば

利用できるのではないでしょうか。

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最後までお読みいただきありがとうございました。


読んで下さりありがとうございます。読みやすいコラムを目指します。