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金原ひとみ(2) リア充小説の名人芸=アタラクシア
前回の金原(1)では、金原小説の基本構造=リッチを下敷きにした「危機」の分割と回復、を書いた
金原ひとみの小説の主人公は基本的にリッチであり、東京23区のマンションに住んでいる
大体人に羨ましがられる仕事をしていて、金に困っておらず、良いものを食べている
しかしどういうわけか、金原小説を評する人は大抵、「救いのない荒野」、「優しさや愛に飢え」、「孤独の苦しみ」などと登場人物を形容する(ちなみに上
金原ひとみ(1) 今日稀有なリッチな登場人物
なんだかんだ金原ひとみが好きでずっと読んでいる
歳が近いせいもあって、結婚とか子どもができるとか、重大テーマの時間が自分の人生と被るのも、興味をそそられる
金原の作品の登場人物は、今時珍しく「リア充女性」ばかりが登場する
階級的にもリッチである
登場人物は平均的に東京23区のマンションに住んでいる
2000年代、10年代以降の女性作家の小説は、基本的に貧乏くさい話ばかりなので、全く異彩を放って