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今夜こそ、抱いていただきます! 【 ♯7Feeling good ever! 〜お相手はポルノ依存症〜】

どんな男性も勃ちなおさせる祈祷師に会いに行き、汚部屋を片付け、無事タケシさんを部屋に入れることに成功した淑女研究家のわたくし。

手づくりと見せかけたお料理を振る舞い、準備は完璧でございます。

夕飯を食べ終えたタケシさんを無理矢理お風呂に入れると、わたくしはエプロンを脱ぎ捨てました。

殿方をその気にさせるフェロモン配合オーデコロンをうなじに吹きかけ、髪の乱れを整えます。

BGMとして洋楽のR&Bを流し、アロマキャンドルに火を灯し、照明を暗くすると、わたくしはベッドにもぐりこみました。

息を整え、タケシさんがお風呂から上がってくるのを待っていると、新しいアイディアが閃きます。

下着姿で待つ、っていうのは、いかがでしょうか。


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お風呂から出てきたタケシさんが、ベッドの上のセクシーなわたくしの下着姿を見たら、どんなリアクションをするかしら。

楽しみでございます。

わたくしはベッドから飛び起きると、勝負下着の墓場になりつつある引き出しを開けました。

洋服を脱ぎ捨て、レースの紐を指に引っ掛け取り出すと、ピンクのサテンから白のレース下着に着替えました。

ベッドサイドに置かれた手鏡を取り、うなじを見せるために髪を右肩にかきわけ、薄化粧風に施した化粧と小鼻の毛穴をチェックいたします。

これで完璧です。

安心してまたベッドに仰向けになったわたくしは、天井を見て息を呑みました。
照明に蜘蛛の巣がかかっております。
清掃業者の方は、見過ごしたのでしょうか。

今まで部屋全体が汚れていたので蜘蛛の巣なんて気になりませんでしたが、汚部屋の名残を発見したわたくしは再度ベッドから飛び起きました。

下着姿でフーフー言いながら蜘蛛の巣を取り払い終わると、照明に積もっていた埃が部屋に舞い散ってございます。

せっかくここまで完璧なのです。ここで粗を見せる訳にはいきません。

タケシさんがいつ来るか気にしながら、粘着シートをコロコロ回して埃を取っていると、また良からぬことを思い出します。

先ほど便、いや、自然がわたくしを呼んだ際、しっかり流しきれたのか、確認しておりません。
もし、便器に形跡が残っていたらと考えて、わたくしは青ざめました。
タケシさんがまだ一度もトイレを使っていないことを祈り、トイレへ走りました。

便器の中を覗くと、付着物は付いておりませんでした。
わたくしは一瞬胸を撫で下ろしましたが、次の瞬間、殿方が便座を上げて用を足すのを思い出しました。

「ヒィ!」

わたくしは便座の裏に飛び散った茶色の付着物を見て、思わず叫んでしまいました。
普段お掃除をしないので、便座の裏の汚れが、通常どの程度かわかりませんが、大変なことになっております。

とにかく、タケシさんに見られたら大変です。
ヒモパン姿のまま、必死に便座を擦り掃除を終えると、わたくしの体力はそろそろ限界を迎えようとしておりました。

プロの力を借りたとは言えタケシさんをお部屋に迎えるまで、かなりの時間と体力が必要でございました。

毎回こんなに大変だったら、身が持ちません。

ベッドに戻り鏡を見ると、髪の毛はボサボサ。額と小鼻に汗が浮かんでおります。
再び髪の毛の乱れと小鼻の汗を拭きとりベッドに横たわると、わたくしの意識はプツリと途絶えたのでございました。

「グガッ」


わたくしは、自分がイビキをかく音で目が覚めました。
一瞬、状況がわからなくなったわたくしは、よだれを拭うとアロマキャンドルに灯されたお部屋を見渡しました。
時計を見ると、タケシさんが浴室に行ってから一時間ほどが過ぎております。

思ったより時間は経っていなかったようですが、タケシさんはなにをしているのでしょう。
BGMの音量を落として耳を澄ましてみましたが、なんの音も聞こえてきません。

心配になったわたくしはベッドを抜け出すと、照明が落とされたダイニングに向かいました。

暗闇の中、携帯の液晶画面の光と、ソファに座るタケシさんのシルエットが浮かんで見えます。

お仕事先から連絡でも入ったのかしら。
でも、こんな時間に?
他の女性と連絡を取り合っていることがあれば、許せません。

タケシさんの背後に静かに近付いたわたくしは、携帯の画面を盗み見て、思わず手で口を押さえました。

裸体が画面いっぱいに映った携帯を左手に、股間辺りで右手が小刻みに動いております。

わたくしは息さえするのを忘れ後ずさりすると、その場を静かに離れました。

寝室に戻りBGMを止め、勝負下着の上にTシャツとスウェットを着ながら、食事中にタケシさんと交わした会話を思い出します。

金になるとか、オーバーな画がどうとか話していたのに、作り物に夢中なのは、タケシさんも同じじゃないですか。

ただ、敗北感が襲ってまいります。

キャンドルを吹き消し一人ベッドにもぐり込むと、夏なのに、シーツがひんやり冷たく感じました。


「バカみたい」

一人呟くと、当事者として笑えないオチに泣けてくるのでございました。




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「性、ジェンダーを通して自分を知る。世界を知る」をテーマに発信しています^^ 明るく、楽しく健康的に。 わたし達の性を語ろう〜✨