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ミス・ハヤ~シを、誰もバカにできないんだぜ!

ミス・ハヤ~シとわたしは、フィリピンのマニラで出会いました。

七十歳を超えてから慈善活動に目覚め、マニラを第二の生活の拠点にしている林さん。

小柄な細い身体をピョンピョンさせ、フィリピンの貧困を救うのは、自分しかいない! と、八十歳とは思えぬパワーです。

ショートパンツを穿いた若い女性に「まったく、あんな恰好して。パンツ丸見えじゃない」と文句を言いながら、フィリピンの宗教、政治、文化について話すミス・ハヤ~シ。

わたしが彼女と出会った当時、ミス・ハヤ~シは「日本で培った美容師の技術をフィリピンの子どもたちに教える!」と息巻いていました。

ミス・ハヤ~シには行きつけ(?)の村があり、その近くの教会に彼女が立ち寄ると、「ミス・ハヤ~シ」と、若い子たちが沢山集まってきます。


「今度は誰の子供ができたの?」

「復讐なんか考えたら、地獄よ」

「アンタ、刑務所からいつ出所したのさ?」


と、結構ハードな会話が飛び交うのですが、始終穏やかムード。

「元気でやんなさいよ」と、別れ際、子供たちとハグを欠かさないミス・ハヤ〜シ。

そして、日本から集めた大量の古着を子どもたちにばら撒き、飴をあげるのですが、少し遅れて、一人の少年がこちらに向かって歩いてきました。

「美しさ」の定義がなにかわかりません。

しかし、小さな顔、長い手足を持つ彼からは「自信」という名の後神が射しているようでした。

「ミス・ハヤ~シ!」

彼は人懐っこい笑顔でそう言うと、小柄なミス•ハヤ〜シを包む込むようにハグしました。

それはそれは大切な、宝ものを包むこむような優しいハグです。

小柄なミス•ハヤ〜シの身体は、彼の身体にすっぽり埋もれています。

嬉しそうなミス•ハヤ〜シ。

孫と再会した、そんな喜びなのでしょうか。

なんだかホッコリ、じんわりする光景でした。


と、その時です。


男の子の身体に包み込まれていたミス・ハヤ~シの手が、男の子のお尻を、なぞるように触りました。

背中から下半身へと、艶かしい手つき。

そうして、男の子と身体をゆっくり離したミス・ハヤ~シの顔は、

十歳若返っているっ!!!


「はい、じゃぁこれね」

ツヤツヤになったミス・ハヤ〜シ、男の子の手にお駄賃を握らせておりました。

「サンキュー!」

御光を讃えた彼は白い歯を覗かせ、笑顔で去っていきました。

お祖母ちゃんと孫の再開を想起していたわたしは、ぶっ倒れそうになりました。

愛犬が発情した時の感覚とも違う。

一緒によく遊んでいた友達の弟がエロ本を持っていた感覚とも違う。

でも、それに似た、ある「べき」ものじゃない高齢女性のリビドーと初めて対面した私は、頭が混乱していたのかもしれません。

当時は性欲は恥だと思っていたので、男の子の尻を触って喜んでいる未来の自分を想像して、怖くなったのを覚えています。(怖れは、自分の偏見が生み出しているのかもしれませんね)

あの日以来、わたしの中でミス・ハヤ~シは、エロ林になったのですが、あれから数年の月日が経ちました。

わたしはついに性を肯定できるようになり、ミス・ハヤ~シどころじゃない、エロに進化。このようなカタチで性について発信する人間になりました。


そうして思うのは、エロを否定している過去の自分の方が、よっぽど今より、不自然にエロかったこと。



わたしには、何が良いとか悪いとか、他人をジャッジする権利はもちろんありません。

ただ、時々思い出すのです。

若返ったツヤツヤのミス・ハヤ~シと、小銭をもらって嬉しそうに笑う少年の白い歯が、マニラの青い空の下で輝いていた、あの日のこと。


***

noteに発信してきた「ポルノ依存症奮闘記」。予定通り、出版までたどり着いたのですが、上下巻を一冊にまとめて出版することにしました。(noteにて発信してきた14話分含む)

SNSやブログの良さは、短さや、わかりやすさだと思うのですが、小説は全体の作品を通して一つの世界を表現できます。

読むのに時間は掛かってしまいますが、だからこそ、自由に感じ、読むことができるのだなぁと、

フォローさせて頂いているhiroyukiさんからアドバイスを頂き、そのことに改めて気付きました。ありがとうございます!

kindle出版をやってみてわかったのは、出版するまでの手続きが簡単過ぎて、改稿するのが結構大変です。英語のサポート機能は充実しているのですが、kindle初心者のわたしには、わかりづらい点が沢山。時間がかかっております。

今週末、最終稿を改稿し、もう一度kindleに審査をしてもらう流れなので、すべて準備万端となりましたら、また告知させてください。

わたしにとって苦手なことが多いですが、新しいことに挑戦するって、楽しいです(^^)

大変だけれど、学びが沢山。

テーマが「性、ポルノ依存症」ですが、それ以外のことを伝えたくて書いた作品です。どうしたら、たくさんの方に読んで頂けるかな。

毎日考えています。

なにか良いアイディアがあれば、コメントなどで教えて頂けると嬉しいです!


それでは、健やかな三連休でありますように~(*´▽`*)

「性、ジェンダーを通して自分を知る。世界を知る」をテーマに発信しています^^ 明るく、楽しく健康的に。 わたし達の性を語ろう〜✨