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北海道移住生活50日目「おやすみなさい」

こんばんは、埼玉から十勝に移住してきた画家です。

私は町の銭湯(公衆浴場)をよく利用している。
そこでおばさま達の他愛もない話を聞くのが結構好きなのだ。

私は特に銭湯で誰か知人と会うこともないのだが、おばさま達は顔見知りのようで、・・・というか5000人ほどの町なので、しばらく住んでいればこんな感じになっていくのかもしれない。
そこで「こんばんは〜」からはじまり「今日は枝を切って××町まで運んだよ、あそこは並ぶよ」だとか「帯広の〇〇ってところは安くていいよ」みたいな日常を情報交換している。聞いたところでもの凄く役にたつとかでは無いのだが、同世代との会話では知り得ない情報を小耳に挟んだりするものだ。

私もぼんやりしていると話しかけられる時もある。
「今日のお湯とっても熱いわね、最高」みたいな感じ。笑


先ほども書いたが顔を合わせたらみんな挨拶から始まる。
それは、私にも同じだ。

最初は少し驚いた。まさか会話の輪に入ってない私に声をかけると思わなかったからだ。だけど、その時まだ町に来たばかりだった私はとても嬉しかったことを覚えている。

そして去り際は決まってお互いに「おやすみなさい」と声をかけるのだ。
「どうもお先に」「ごくろうさま」などもある。
だけど私は「おやすみなさい」がなんだかとっても素敵に感じたのだ。

今日、私は初めて自分から、去り際近くにいた老婦人に「おやすみなさい」と声をかけてみた。少し緊張して「お、おお、おやすみなさい!」という感じだったと思う。ドライヤーを家に忘れて半乾きの髪で吃った私に、老婦人はニコリと笑って「ごくろうさん、おやすみなさい」と言ってくれた。

町を歩いていると大人も子供もすれ違いざま「おはよう」「こんばんは」と声を掛け合っているのを見かける。小さい町で、お互い顔見知りだからというのもあるかもしれないが、まだ来たばかりの私にも道端で声をかけてくれる人もいる。
きっとそれが当たり前で習慣になっているからなのだろう。

私もそんな当たり前を身につけていきたい。




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