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山本哲也著(2023)『まるわかりAI倫理』Kindle版

AI倫理をざっくり俯瞰で眺められる本

今後の趣味としてAI倫理について色々と調べて、論文作成まで持っていきたい願望があります。まずはKindle Unlimitedを使って、コストをかけずに読めそうな本から順次読破しようと思っています。

そこで目についた本書ですが、1時間で読めるというキャッチフレーズ通り、短い時間でサクッと読めてしまう丁度よい分量になっています。

AI倫理といっても、夜の中は生成AI関係のハルシネーション、組織のAI利用、利用者の心得、その他注視する観点が異なっており、ベンダーからコンサル、回線業者に至るまで様々なところでAI倫理という言葉は出てくるものの、未だ定義がはっきりしないままの状態だったりする。

丁度情報リテラシーという言葉が、情報を取り扱うことを意味したり、情報を読み解くことを意味したりで、同じ情報リテラシーという言葉でも、その意味することが違うように、AI倫理もまた、同様の意味するところや向いているベクトルが微妙に異なるところが散見される用語でもある。

本書はそのような背景の中にあっても、基本的なところをまず押さえるという点では、ざっとAI倫理とは何かを知る上では基礎となり得ると思われる。

本書の構成は、AIの台頭とその影響、AIと倫理的課題、AIの倫理的使用を促進するフレームワーク、AIの倫理的使用に向けた組織の役割、AIの倫理的使用への道、以上のような構成になっている。

データプライバシーや個人情報保護、ガイドラインや教育など、最低限触れられているので、これからAI倫理を学び注力していこうとする者にとっては、良いスタートラインを提示してくれる内容である。中身は簡潔で、専門用語も特に出てこないので、AI倫理に興味をもったら最初に読むには適した本かと思った次第である。

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