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田坂広志著(2022)『なぜ、我々はマネジメントの道を歩むのか[新版]』

独特の文章に込められた思いを感じる内容です

田坂さんの書籍はほぼ全冊読んでいるが、いずれの本も、詩集を読んでいるような短い文章で構成されているにも関わらず、その奥行きというかイメージで感じ取れるような不思議な雰囲気というものを読み進めながら感じ取ることができる。

社会人になると、誰もがいずれマネジメントと向き合うことになり、様々な壁に相対するが、それを俯瞰的にとらえて、何か道筋を示されているような感じがする。

本書で取り上げられている河合隼雄の言葉、「人間、自分に本当の自信がなければ、謙虚になれないのですよ」「そして、人間、本当の強さを身に着けていないと、感謝ができないのですよ」という内容、本当にそうであることを、わたしも社会人になって多くの時間を過ごしてようやく理解できるようになった。

それだけ社会人になりたての頃は誰しも粋がっているのかも知れない。まだまだ世の中が理解できていなかったのである。

そして「人間、感謝の行を続けていると、心が強くなってくる」。

確かにその通りだった。

そして後半に語られた、「経営者やマネジャーの責任は重いのです。自分の「器の大きさ」が、部下や社員の「器の大きさ」を定めてしまう」ことも、まさしくその通り。

なのでマネジャーとして不適格者は、自分以上の能力の人をそこに留めおくようにするし、できるマネジャーは、自分を越えて成長する部下を支援しようとする。

その違いを理解することは、自分のプライド等もあり、多くの人は上手く対処できないのではないだろうか?

田坂氏は「歳を重ねても、自分を磨き続ける」ことの大切さを説く。

確かにいつまでも自分を磨き続けることが重要だと素直に理解できる。

そしてマネジメントは自分の人生とともに部下の人生をも預かる「命懸け」の素晴らしい道と説いている。

自分の成長のためにも、本書のような叱咤激励が必要かも知れない。

多分、また田坂さんの新刊が出る度に購入して読み進めるのだろう。

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