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文化は長い時間をかけて、人との関係性の中で生まれる

こんにちは。はのめぐみです。10月で約4年勤めたキッチハイクを退職し、11月から JX通信社に転職しました。前職と同じく、デザイナとして働いています。

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去年、トクバイ CTO の前田さんの「サービスを成長させる仮説検証文化の作り方」というスライドをみた時に「(振り返りで)会話される内容が文化に直結する」というフレーズがありました。

当時は実感を伴って理解できず、分かったような分からないような...そんな感覚でした。キッチハイクを退職して、少しゆっくりする時間ができたのですが、やっと実感を持って理解することができました。

そもそも文化とは何か

まず、文化の定義です。私はこんな風に考えています。


「意識しなくてもできる、習慣化された行為そのもの」


私は文化に関して学術的知識は一切ないので、あくまで自分の経験に基づく定義です。

無意識化での行為は、本人にとっては当たり前のことが多いです。そのため、その行為が文化に由来するものだと気づかない。その環境下にいるときはなおさらだと思うし、本人にとって比較対象になる参照元がないこともあります。

海外旅行や留学した時に初めて日本の良さや課題を認識するのは「文化の違い」を感じる典型例だと思います。

メンバーとの関係性の中で学んだもの

前職を離れて初めて、私は4年という長い時間をかけてキッチハイクという文化、そして共同代表であり元上司の影響を強く受けてきたんだなと感じたことがあります。

入社前に4年間の棚卸し

退職してから今の会社に入社するまで、少し時間ができたので昔のメモを見返したり、本を読んだりして学んできたことや知識の棚卸しみたいなことをしていました。人と会ってたくさん話したりもしました。

ある時、自分の思考体系や言語テクストに、祥見さんの考え方や思考のフレームみたいなものが取り込まれていると突然気付きました。時には祥見さんが使っていた言葉や表現をそのまま使っていることもあるし、「祥見さんだったら多分こう言うんだろうな」と半ば無意識に感じることがしょっちゅうあります。

後輩からもらったお手紙

退職のタイミングで後輩からもらったお手紙に、こんなことが書いてありました。


「めぐみさんが図や言葉にして伝えてくれたことは、私の中で地盤になっていくと思います」


はい、全私が泣きました。

ここで重要なのは、お手紙そのものではなく私が「図や言葉にして伝えたこと」です。私が後輩に「図や言葉にして伝えたこと」のメモが一部残っていたので見返してみたら、祥見さんっぽい思考の仕方をしていたとこの時初めて気づきました。

きっと祥見さんとの会話を通してミーム化した情報が、私から後輩へと伝わっていったのでしょう。ミームは社会的・文化的な情報ですが、会話や振る舞いを通して人から人へと伝わっていきます。

また、キッチハイクは自分の思考を言語化し、可視化する力に長けた人たちの集まりです。自分のアイデアを Miro やホワイトボード、紙とペン、テキストを通して積極的に共有する文化がありました。

もちろん共有するだけではありません。対話を繰り返しながら思考の密度を高めていくコミュニケーションは、共同代表の山本雅也が言っていた「他者を受け入れ、自分を伝える」文化だったと思います。

相手に寄り添い安心させるサービスの人格

キッチハイクのデザイン戦略部内で、デザインのトンマナを整理したことがあります。ちゃんと資料にして言語化・可視化したのは今年の3月頃。

形になるずっと前から、はっきり言葉にできなかったり表現が違っても、一人一人の中に「キッチハイクさんっぽい」人格が宿っていたと感じています。

それは「意識しなくてもできる、習慣化された」コミュニケーションスタイルになっていました。

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会話した内容が文化に直結する


文化は長い時間をかけて人との関係性を通して生まれるものです。

関係性はコミュニケーション、つまり会話を繰り返すことで構築されます。


私の思考体系や言語テクストの中に織り込まれたキッチハイクの文化は、再現性のある思考プロセスやパターン、コミュニケーションのスタイルとして、現職での仕事に生きています。

実は、アウトプットそのものは再現性がないので、あまり重要ではないと考えています。例えば、キッチハイクで作った UI が、私が現職で取り組んでいるプロジェクトにそのまま活かせるわけではありません。

アウトプットに至るまでにどのようなプロセスを辿ったのか、いかに再現性と普遍性のあるものに昇華できるかが大事だと思います。それが人を成長させる「学び」と呼ぶものではないでしょうか。

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