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[PoleStar1] 月猫(完結)

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月面旅行が一般化した時代、写真家の飼い猫であるロックが飼い主と一緒に月に行くSF短編小説。 SFですが難しい単語は全部スルーなのでSF不慣れな方でも読めると思います。 Gith…
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#連載小説

[PoleStar1] 月猫-01

 ぼくは猫である。名前はロックだ。  一緒に住んでいる人間が、ぼくと遊んでほしいときやご…

酸化鉄
6年前
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[PoleStar1] 月猫-02

 そうして退屈な日常を送っていたある日、ぼくは人間が荷造りをしているのを見つけた。また彼…

酸化鉄
6年前
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[PoleStar1] 月猫-03

 人間はぼくの写真もたくさん撮っていた。  初めて山の上でキャンプした日。湖の水を飲んで…

酸化鉄
6年前
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[PoleStar1] 月猫-04

 飛行機に乗るためには、いつもとは違っていろいろな検査があった。ぼくはいつも嫌がらせをし…

酸化鉄
6年前
3

[PoleStar1] 月猫-05

 ぼくとウィルに与えられた部屋はいいところだった。木のにおいがする。床が木の板でできてい…

酸化鉄
6年前
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[PoleStar1] 月猫-06

 次の日起きると、ぼくはウィルと一緒にカフェというところに行った。人間がたくさんいたが、…

酸化鉄
6年前
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[PoleStar1] 月猫-07

 カフェを出るとウィルはぼくの頭を撫でた。 「一体どこでそんなものを見つけてきたんだ?おかげで大騒ぎだよ」  ぼくはそう言うウィルにネズミをあげた。ぼくが狩ったはじめてのネズミだ。はやくもとの家に帰りたいという気持ちの表れだったのだが、ウィルにそれが伝わったのかよくわからない。 「うぁあ。あ、ありがとね」  ウィルはそう言うとネズミの尻尾をそっとつまんで逡巡した挙げ句、ポケットから取り出したハンカチでそっとぼくの戦利品を包んだ。 「これどうしよう……」  ウィルがネズミの死骸

[PoleStar1] 月猫-08

 ぼくはこの空の上の家に滞在している間、なぜ人は外に出ないのか、外に出るドアがないのか考…

酸化鉄
6年前
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[PoleStar1] 月猫-09

 部屋のすみっこでうとうとしていると、ドアが開いてさっき外にいたドレスの人と、白い人が入…

酸化鉄
6年前
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[PoleStar1] 月猫-10

 そのあとも、ぼくはウィルと一緒にいろんな部屋へ行って、いろんな人と写真を撮った。そのほ…

酸化鉄
6年前
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[PoleStar1] 月猫-11

「もう帰るの?地球が満ちるまで待っているのかと思っていたわ」  次の日、家に帰るというウ…

酸化鉄
6年前
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[PoleStar1] 月猫-12

「どうするつもりなの?」  カルミアさんがヘレナに尋ねる。 「しばらく休暇をとって、地球に…

酸化鉄
6年前
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[PoleStar1] 月猫-13

 空港と呼ばれるところには大きな飛行機がたくさん並んでいた。ぼくはキャリーに入れられて、…

酸化鉄
6年前
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