最強のラポールが最強のケアになる〜理学療法士や介護士に大切なコト〜
こんばんは!
今日も疲れたな~と「疲労感」と「満足感」を感じている藤本です。
今日一つ印象に残ったことがあります。
それは、「ラポール形成は大切だ」ってことです。
当然ですよね。誰もが頭やイメージではわかっています。
ただその「分かっている」を今から「理解している」に変えましょう。
1、本当のラポール形成
自分はラポール形成とは、一言でいうとクライアントとの信頼の深さだと認識しています。
よく臨床現場などでも「患者さんとのラポール形成が上手くいくと色々な話をしてくれるようになり、そこから治療に役立つ色々な情報が手に入るよ。」といいますね。
これは紛れもない事実だと思います。
加えて、どうせ関わるのならば信頼関係を構築し、互いに気持ちよくリハビリを提供したいですよね。
そしてこのラポールにおいて大切な概念が一つあります。
今回の投稿で皆さんに最も伝えたいことは
「ラポールとは双方の関係性であり、一方的なモノではない」
ということです。
たったこれだけです。これだけ理解してください。
ラポールが出来上がると、有益な情報を患者さんから聞き出せる。
それで終わりの人多いと思います。
ラポールは双方の関係性です。自分も患者さんに有益な情報をたくさん伝えてください。
リハビリをして歩けるようになる。という有益な事実だけでは足りません。言語などによる有益な情報もです。
少し悪い表現かもしれませんが患者さんはお客さんのようなものです。
お客さんは神様精神は好きではありませんが、顧客を一番に考えない組織は淘汰されると思っています。
身体機能を向上させてあげるのは、プロとして出来て当然です。
機能の回復に+αを与えましょう。この+αが強い人ほどこれからの時代価値のある人材になっていくと思います。
確かに患者さんの為に患者さんから情報を引き出しているのかもしれませんが、こちらからもどんどんGiveしてください。最強のGiverになりましょう。
そして、ラポールがいわゆるリハビリを円滑に行うための手段として用いられているのがリアルなところです。
これは間違ってはいないでしょう。むしろ正しいと思います。
我々が患者さんにリハビリを提供する目的は何でしょうか?ここで大切ななことは、「Whyは何か」ということです。
我々PTの一般的なWhyは患者さんのQOLを向上させたいからですよね。
その手段として身体機能の向上というものが加わります。
そう、結局はQOLが上がればいいんです。
もちろん長期的なスパンで物事を考えることは非常に大切です。
ですが、僕は今その瞬間のQOLも上げたいと考えています。
廊下ですれ違った時、昼食を食べている時
それらの瞬間も最高に楽しい時間を提供し豊かさを感じてもらいたいと思っています。
今いる場所が病院や施設ということを一瞬忘れちゃうくらいに。
そう、豊かさを提供したいんです。
そして、その豊かさを感じてもらうためには、PT側は信頼されているのは当然の条件。
PTとして、病院や施設に勤めるスタッフとして、そして1人の人として。
僕は豊かさを感じてもらうためにはこちら側も患者さんを信頼する必要があると思います。
いきなり敵が攻めてきても背中を任せられるくらいの関係が最強ですね。
冗談はさて置き、これが本当のラポールだと僕は考えています。
患者さんに信頼されるのは、当然。PT側も患者さんを信頼しましょう。
そう、自分から日常会話をしたくなるくらいに。
2、ラポール形成の基準って
さて、ここまでラポール形成の意味とその大切さ、効果を説明しました。
皆さんは今担当している患者さんと、きちんとラポール形成できていますか?
こう聞かれると普段から物事をよく考えている方は
「ラポールが形成されているというのは何をもって断言できるのだろうか」と考えるはずです。
さて、皆さんは何をもってラポールが形成出来たと言いますか?
基準はどこにあると思いますか?
自分もこの答えは摸索中ですが、
2020年5月現在でのラポール形成が出来てると思っていい基準は次の2つです。
①患者さんが自己犠牲を払ってでも自分にGiveしてくれる
②一緒にいて、冗談抜きでガチの爆笑できる
この2つです。
それではひとつずつ
①患者さんが自己犠牲を払ってでも自分にGiveしてくれる。
みなさんは自分の恋人、友人、家族に対して自分に直接的な利益がないとわかっていながらも何かを与えることってありませんか?
プレゼントを渡す、仕事帰りにミスドを買っていく、皿洗いを手伝う
などなど。
要するに、人は自分の好感の持つ相手にはGiveしたくなります。
嫌いな人にはGiveしません。嫌いな人に対しては知らんぷりですよね。
これは患者さんや利用者さんにおいても同じです。
当然ですが、患者さんや利用者さんも我々と同じです。なにも違いはありません。
患者さんが自分にGiveする=あなたは患者さんにとって好感の持てる人
になっているという風にも言えます。
患者さんからGiveされるセラピストでいられていますか??
時々患者さんからお礼にと言ってお金を渡されたり、飲み物をもらったり、お菓子をもらったりすることってある人にはありますよね。
ちなみにこれ、よく与えられる人と全くもらえない人に分かれる印象です。
もちろん患者さんが異なるという要因もありますが、自分はそこではないのではないかと思っています。
やはりラポール形成の上手な人と、大したことない人にハッキリと別れているだけだと思います。
自分の主観では病院や施設では患者さんからモノをもらうのは禁止とされているところが多い印象です。
おそらくはトラブルの原因になり得るからでしょう。
ただ、患者さんに「気持ちとして受け取って欲しい」と言われたら嬉しいですよね。ただ規則となので受け取れません。と皆さん断っていることと思います。
悔しいですよね、これ。なんとかなりませんかね、、、
少なくとも僕は180度くらい頭を下げる最強のお辞儀をかましたくなります。
社会福祉法人ゆうゆうの理事長である大原裕介さんは患者さんからのものをもらう行為に対して「もらっていいと思う。ただ、その分しっかり返せよ。」とお話しされていました。
いや〜、めちゃめちゃカッコいいですね。自分がずっと考えていたことが、すべてこの一言で消え去りました。
もうこの言葉に対して何も返せませんよね。
正におっしゃる通りだと思います。これが理想であり本来あるべき形なのでしょう。
現在の自分の考えはまるっきりこれと同じです。
患者さんがご厚意で「あげるよ」と言って差し出してくれたものをルールだからもらえません。と突き放す時って、結構複雑な気持ちですよね。
患者さんのご厚意が嬉しいという気持ちと、ルールは守らないといけないという気持ち。
そんな板挟み状態になっている思います。
もちろん自分もルールは守るべきだと思いますがやっぱり、ただ顧客第一に考えたいですよね。
一方でルールだからと、もらわないことも顧客を考えた上では適切な行動であるとも言えます。
難しいですね。
自分の勤め先では物はもらえない決まりですが、大原さんの言葉を聞いてからは、その行動をしてくれた意味を考えるようにしています。
それから、次に何を返すかに頭を悩ませます。
最後に、きちんと返します。
「あげるよ」と言葉をかけらえた時、それに対して何を返すことが出来るのかを考え、実行する。
これが終わった時に関係性は一歩前進しているはずです。
②一緒にいて本気の爆笑が出来る
「皆さん仕事中に本気の爆笑してますか?」
僕は「はい」と即答できます。
今日もあるおばあちゃんとボールを投げるふりをして投げないというくだらないイタズラをお互いにしあって爆笑してました。素に楽しかったです。
よく患者さんと関わっていく中で、場を明るい雰囲気にするために笑顔を作ったり、たいして面白くもない話に対して笑顔を振りまいたりしますよね。
まー僕もまったくやらないかと言ったらウソになります。
その場その場で柔軟に対応を変化させるのは事実です。
ただ、関わりの中で意識して作った戦術的な笑顔ではなく、心から溢れるような笑顔ってやっぱり素敵ですよね。
自分が大学時代に放課後等デイサービスセンターや障害領域のグループホームなどで何かイベントなどをする時に意識していたのが、「自分が楽しいことは利用者も楽しい、自分が楽しくないことは利用者も楽しく無い」ということです。
ちなみにこれは5年間お世話になった放デイの事業責任者をされていた方の言葉です。
良い言葉ですね。
確かに自分が楽しくなくても相手が楽しそうなら、雰囲気を合わせられるのがプロです。
ぶっちゃけ子供と全く楽しくない遊びをしてても、その場を盛り上げることはそれなりにはできます。
ただそれって、やっぱり面白くないんですよ。仕事と割り切ればいいという考えも否定しませんが、やっぱり楽しく仕事したいですよね。
むしろ楽しくない仕事なんて勿体ないです。
先日あるおばあちゃんにとても嬉しいことを言われました。それは、
「お兄さんとお話ししてると楽しいわ。嫌なことぜ~んぶ忘れる。わっははははっはっはは~~」です。笑笑
これを言ってくれた方はとても明るく陽気な方です。なのでわっはっはっは~と笑います。本当に笑笑
この笑っている様子を見てるとこっちまで笑えてくるんですよ。
その言葉をもらって嬉しかった心が、より明るくなりました。
「あ~豊かだなあ」と感じました。
きっとそのおばあちゃんも心から笑っておりとても楽しそうです。更に、自分も本気で笑っていました。
双方が本気で笑い合っています。
これって、良いラポールが築き始めているといっても良いのではないでしょうか。
もちろんその一瞬だけで判断するのは良くありません。
ただ、その一瞬の景色を創り出すのが我々の役割であると僕は思います。
恋人や友人関係でも同じことが言えますね。
やっぱり一緒に話をし笑い合える人って、十分ラポール形成できているからこそですよね??
3、復習
ここまで読んでいただきありがとうございます。最後に復讐です。
上手なラポール形成が出来ると、治療やケアをしていく上で有益な情報を手に入れられる確率が上がります。
加えて大切なのは、「ラポールとは双方の関係性であり、一方的なモノではない」というマインドセットはセラピストとして活動していく上では重要なものです。
そして、自分の考えるラポール形成が出来ている目安は
①患者さんが自己犠牲を払ってでも自分にGiveしてくれる
大切な人には損をしてでもGiveします。Giveされる人から、あなたもGiveする人になりましょう。そう「もらったなら、その分返せよ」の精神です。
②一緒にいて、冗談抜きでガチの爆笑できる
気の許せる人といる時、人は心から笑っています。戦術的な笑顔ではなく、心からの笑顔を引き出しましょう。
自分がやっていて楽しいことでなければ、相手も楽しめません。
確かに、ラポール形成というのは抽象的な言葉であり、自分が述べたことが全てだとも、正解だとも思いません。
あくまでとある新人の個人的な見解です。
ぜひ、あなたも自分なりのラポールとはなんなのか考えて見てください!
それでは!また次回!
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