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ARR1億円達成までの最強FSチームの作り方(5,000字)

こんにちは!髙橋新平です。(自己紹介noteはこちら)

ourlyというWEB社内報CMSのSaaSの営業役員をしております。
ourlyのサービスについてはこちら↓↓


ARR1億円未満のフェーズではプロダクトも未熟だし、マーケティングも強いわけじゃない。そんな「ないないづくしでどうやって達成するんだ!?」って感じだと思います。
しかも、営業プロセスもマネージャーも不在だったりで、事業計画どおりにいかないことばかり!!!

でも、1億円まで順調にいければその後の成長のステップとして更に成長を加速させることが可能です。
本noteではourlyがリリースから約2年でARR1億円を達成見込みのため、そこっで実施してきたセールスイネーブルメントの実務をまとめました。
(けっこう長いです)

【 ourlyの導入社数の伸び 】
・リリース1年目:二桁社数
・リリース2年目:1年目の約6倍の新規契約

ざっくりourlyの伸び

1. プロセス型化と一言一句のレベルで徹底できるチーム作り

営業チームのコア・バリューの作成と浸透で勝てるチームに

僕がジョインしたときのourlyチームは営業メンバーが二人(一人はインターン生、もう一人は退職の相談が出ている正社員)というなんともな状況でした。
※ 退職相談の出ていた彼は今はバッキバキに活躍してくれています。

そんなときに一番営業チームに大事なのが、"勝てる状態"もしくは「少なくとも勝てるかも!?」と全員が希望を抱ける状態をつくること。それまでのourlyは幹部陣が個人技でどうにか十数社の契約を獲得してきた状態。これから伸ばしていくには営業プロセスを強くすることが不可欠でした。

ourlyセールスチームのnotionのトップページより引用

■ 営業チームのコア・バリューの策定と浸透

営業って何のためにやっているのか。何の目的でやっているのか?そもそもそこが明確じゃない会社がほとんどだと思います。しかもマネージャーレベルだったらビジネス経験で営業の目的も重要性も分かっていますが、新卒1〜2年生はたいてい”配属されたから営業やってる”状態だと思います。
そんなときに必要になのは

  • 営業チームはどんな存在なのか?

  • 営業チームは何を目的に活動をするのか?

  • 営業チームとして常にどうあるべきか?

上記のような自分たちの存在意義やコア・バリューと言われるものだと思います。
そしてこれらが言葉としてあるだけではなく、日々のマネージャーの言動や営業手法や提案方法に至るまで一貫している状態をつくる必要があります。

■ 実際に浸透に向けて行ったこと

  • バキバキ合宿の実施(後述)

  • 経営課題や組織課題とは何か?を理解するための社内研修

  • 他ツールの方が貢献できる場合には他ツールの提案(ourly提案しない)

  • ミスが起きた際に「どうやったら構造で防げるかな?」と問いかける

などなどバリューとなる価値基準を浸透するための構造とコミュニケーションの徹底が欠かせません。

顧客の心理ステップと営業フェーズを一致させる

多くの営業会社はなんとなくで営業を実施します。明確なプロセスが無く。でもそんなものはうまくいかないし、いつまでたっても再現性があるグロースを実現できません。

近年はセールスイネーブルメントという言葉が流行っているように、営業をプロセス整備して再現性ある形で伸ばしていくことが求められます。
下記は麻野耕司さんのNEW SALESを参考にしたセールスプロセスの設計方法の図解になります。

NEW SALESを参考につくったourly社の営業研修資料

最初はプロセスの解像度が荒くても良いので言語化することが大事です。
ourlyでは5つの心理ステップをクリアするために営業プロセスがあるという定義で当初進めました。

顧客の心理ステップとourly社の営業プロセス抜粋

営業の商談スクリプトの作成については下記のnoteに記載があるので、参照してください。


一言一句レベルでの型化と徹底せざるを得ないレビュー構造

多くの経営者やマネージャーが型やマニュアルをコンサル会社と作って満足します。

大事なことなので、もう一度言います。


多くの経営者やマネージャーはコンサルタントと型やマニュアルを作って満足します!!!!!!!!!!!


前職時代にコンサルタントとして仕事をしておいて自戒の念を込めまくっているのですが、ほんとーーーーーーーーーーに多い!!
しかも作成にあたり現場社員の工数つかったのに、当のマニュアルは使われていないなんてことがめちゃくちゃ起きます。

大事なことはレビュー構造で型通りに商談が行われているか?その型は顧客に効果的に作用しているか?を常にチェックする必要があります。
型を導入した最初の3ヶ月間は全てのメンバーの商談をチェックしてレビューをしていました。(100商談以上)

notionに全商談動画を格納し、そのページに私のレビューを入れていました。実物が下記です。レビューは必ずGood/Moreを分けて記載

実際のレビュー
実際のレビュー

2. リードタイム短縮化の武器をつくり使い倒す

なんであんなにリードタイムって伸びちゃうの!?

営業プロセス型化だけで成果が出るほどプロダクトセールスは甘くないです。一番問題になるのは、営業パイプライン上では達成見込みだったのに月末になると「なんか伸びそうです!」という報告と共に未達・・・

こんなSaaSの会社めちゃくちゃあるんじゃないかなと思います。ourlyもそうでした。大事なことはクロージング用の”今買うべき理由”を作り、それを徹底することが大事です。

特にourlyのプロダクトのような事業への関連も小さく、どちらかというと緊急度も低いようなプロダクトは特にリードタイムが長くなる傾向があります。しかし、この緊急度の低いプロダクトの導入をどのようにして”今買うべき!”と緊急度を上げるかが営業チームの腕の見せどころなわけです。

ourly研修資料より「重要度を上げて、緊急度を上げる」のスライドより

”今買うべき理由”を武器化して徹底的に使い倒す

顧客にとっては今買う理由がなければ検討時期は伸びに伸びます。だって他のツールも見たいし、急かされたくないし、上司はどんな反応するか分からないからちゃんと準備したいし…。
大事なことは顧客が今買うためのサポートをするというスタンス。
よくメンバーに私が伝えているのは

顧客の経営課題が明らかになり、問題解決方法としてourlyも的確だと担当者とも合意できている。だとすると、導入が早ければ早いほど顧客の経営課題が解決され、経営が前進する。
一方でクロージングが一日遅れれば顧客の経営課題の解決が一日遅れる。だからこそなんとしても担当者を勇気づけ、導きながら、一日でも早い導入意思決定を引き出す必要がある!それが営業の仕事である!

僕がよく言うやつ

じゃあ具体的にどうやってourlyは”今買うべき理由”を作っているのか?ということですが、例えば下記のようなことを季節ごとに分けて行っています。

  • 今月意思決定してくれれば組織コンサル出身の髙橋がサポートする

  • 今月意思決定してくれればライティング研修を特別価格で提供する

  • 今月意思決定してくれたらプロライターの記事を特別価格で提供する

  • ロゴ提供、導入事例インタビューで初期費用特別価格にする

などなどです。
言うまでもないですが、大事なことはこちらの都合ではなく、”顧客にとって今意思決定するメリット”になっていることが大事です。
こういった意思決定は現場の営業メンバーではできない(勝手にやってはいけない)という場合が多く、営業マネージャーが積極的にクロージングの武器をつくり授けることが大事です。

3. 部活感, 文化祭感をつくり全員でお祭り騒ぎする

チーム全体を自己効力感を高める、常勝軍団マインドに!

最近の私の流行りなんですが、マネジメントなんて熱狂状態の”部活感””文化祭感”を作れたら勝手にうまくいくってのが考えです。
文化祭を例にとると、誰しも学生のときに文化祭って経験していると思うんですが、準備段階では男女で熱量も違ったり、目的も違ったりでうまくいかないことがしばしば。
でも、文化祭前日、当日になると特段言語化もされていないのに、全員が共通の目的/目標に向かっている状態が醸成されます。しかもそれぞれが目的/目標を達成するために自分は今のシチュエーションでどう動けばよいか?を判断できるので、たいていのことは問題解決されてうまくいきます。
これってビジネスに持ち込めたら最強ですし、そもそもあの文化祭のときのチーム感って自立分散型のティール組織の状態にかなり近い状態じゃないかなと思っています。

新卒1年目が2ヶ月未満で受注したときのslack
受注したらエンジニアチームと壁に貼っている契約目標を記念撮影してアップロードしています
受注した営業とエンジニアメンバーと

上記の写真みたいなことをよくやっているわけですが、要は文化祭のような”お祭り感”をどうやってつくるか?だと思うんですね。そのためにやれることは何でもやる。

  • 新卒が初受注したときにコージーコーナーのシュークリームを買い占める

  • 壁に契約目標を貼って、全員でその数字を剥がして拍手喝采

  • 誰かが受注したら行きつけの立ち飲み屋(へそ)に行ってメガハイを飲む

  • 受注報告があったらマネージャーが一番でかい声で喜ぶ

  • ハイチュウを箱買いしてくる(結構大事)

なんか効果的に作用しているのか分からないような感じですが、とにかく“お祭り感””イケてる感””伸びてる感”が出れば何でも良いわけです。
そういった空気を醸成するのをマネジメントレイヤーが率先してやる。誰よりもマネジメントレイヤーがそれを一番体現する。ということが大事かなと。
なので、残念ながら僕はourlyの中では”わけのわからない陽キャおじさん”のポジションにおります笑

ARR1億円未満なんて吹けば飛ぶサイズなんだから、お祭り感つくれることは全部やる!!!

最後にお祭り感をつくるためだったら何でもやるの例をご紹介できたらと思います。せっかっく縁あってARR1億円未満の吹けば飛ぶようなサイズの会社にジョインしているわけです。だったらそこでしかできない体験をするってのも超大事だなと。
なので、ourlyでは展示会のたびにエアビーに宿泊しています笑
これは宿泊コストも浮くし、一体感もつくれるしマジでオススメです。

名古屋展示会のときのエアビーにて
大阪展示会のエアビーにて

僕がエアビーを使う理由としてメンバーに言っているのは

ビジネスホテルに泊まる出張なんていつでもできるよ!
そんな出張はビジネス人生これから先いくらでもチャンスがある。
でも、今のこのお祭り感のなかで今のスタートアップのフェーズだから今しかできないことやろうぜ!!!
だからエアビー泊まろうぜ!!!(コストも安くなるし)

という感じです。笑

4. 型化が結果として個人が評価され受注する強いチームをつくる

型化するとマニュアルっぽい営業になって成果でないんじゃないか?とかお客さまには評価されないんじゃないか?的な発想もあるとは思うんですが、僕は”型化することが営業個人が評価されることに繋がる”と信じています。

それぞれのourlyの営業を見てみると型に則りながらも、それぞれの個性や工夫を存分に発揮してくれています。僕のところにはお客さまから営業メンバーを評価いただく声がよく届きます。

「乗松さんの提案だから信じて早めに導入しちゃおう!」
「砂川さんの熱意に負けた感じですね・・・w」
「吉房さんがすごく丁寧に親身になりながら進めてくれたからです!」

という、全FSメンバーが個人としてお客さまから評価をされています。型という共通の価値観や思想やプロセスがありながらも、顧客のことを真にそれぞれが考えて提案をする、顧客に貢献をする。これができれば最強じゃないかと私は思っています。

まだまだこれからなので、チームをより強くして多くの企業の経営課題、組織課題に貢献できるよう精進します。

最後に・・・

ourlyはこの1年でチームメンバーは3倍くらいの規模になりました。
(全体でもセールスチームだけでも)
まだまだこれからプロセスもチームも強くしていける予感しかありません。

ourlyセールスチーム

全方位採用強化中です!!!!

営業に応募してくださる方はこちらも読んでくださると嬉しいです!!!!


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