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お値段以上な日曜日の話。

日曜日、もともと仕事休みだった恋人タミオ君と
急遽休日出勤がなくなって休みになった私の
お値段以上なお話。

予期せぬ前日に入手した、二人のお休みかぶり。

先日決まった ふたりのおうち に必要な家具を、お値段以上 ニトリ に下見に行くことにした。


朝ご飯を食べた後、タミオ君が持ってきてくれた リンゴと梨(おばあちゃんのお供え)を持って実家を襲来した。
その日妹たち親子が揃って泊まっていたので、タミオ君が剝いてくれたリンゴと梨をみんなで食べた。

その後、みんなで近所の公園に行って
さんざん走り回って小一時間遊んだ。

私は大人しい甥っ子2号と手を繋いでゆっくり歩いたりボーッと立っていただけで、自由人甥っ子1号と走り回ってくれたのはタミオ君の方だった。


買い物に行きたいことを伝えて、公園から戻ってきた後はそのまま我々だけ解散したので、お昼はおうちで ねばねば素麺を食べてからニトリに向かった。


先日K'sで下見したのは冷蔵庫と洗濯機。炊飯器も候補には入れているものの 今の安物炊飯器でも全然使えるので優先順位は低め。

その日ニトリで下見したのは、ベッドと食器棚とソファ。

今はシングルのマットレスで寝ているが、転げ落ち防止と優雅な安眠を考慮し目指すはダブル。
私の部屋 兼 寝室として一部屋確保する予定なのと、布団を収納できるような押し入れはないので、もうベッドを常駐してしまう予定。

食器棚は今使っているものが小さすぎるので、追加で足りない分を収納できる棚があればいいかな~と個人的には思っていた。

タミオ君が選ぶ食器棚は、外国のどっかしゃん会社とコラボした引き出しが自動で閉まるオシャンなものだったり、レンジが中に収納できるタイプの大きな食器棚。
冷蔵庫と変わらないぐらいの値段。

こんな背の高い食器棚、私は上の段に手が届かないよ とか
うちの食器棚にもレンジは置けるし、同じ収納がついているんだから流用できるよ とか説明するものの
どうもタミオ君は台所のサイズや他の家電に合わせて大きいものを新調したい雰囲気だった。


炊飯器やケトルが収納できる棚なんて部屋に置いてどう使っていいかわからないし、そもそも私の部屋は寝室兼用の予定なんだから必要以上のものを置くつもりはない。

今のマンションに引っ越した時に買ったものなので、まだまだ綺麗だし、不満もない。あえて言えば 本体は白だけど天板表面の木がダークブラウンなので、白で統一したいという台所カラーとは少々外れはするものの、私は気にならない。そもそも台所をメインで使うのは私だ。
どうにか今の食器棚を台所で再活用してもらう方向で持っていかねば。


ソファについては正直娯楽のようなもんなので
なくても生活できるし、あれば嬉しいなとも思っているレベル。

あれば嬉しいレベルのソファだけど、タミオ君の中では割と重要度が高いようだった。それに加えて、ありとあらゆるソファを試用した結果、電動リクライニングの高級ソファに心を奪われていた。

ソファとコタツが欲しいそうだ。
コタツはいいよね。
絶対動きたくなくなるし、一人ならひざ掛けで十分だから我が家には置かなかったけど。


新しいおうちには、カウンターテーブルがある。
一人だったり、二人でも簡単に食事を済ませる程度なら、そこに合う椅子があればカウンターでご飯も食べれちゃうね なんて内覧時に話していたが

ダイニングテーブルも欲しいと言い出したので止めておいた。家の中をそんなにテーブルと椅子だらけにしてどうする。


憧れだそうだ。
タミオ君の実家では、ダイニングテーブルで家族みんなが食事やカフェタイムをしているが、我が家は(実家も含めて)基本地べた生活なので、椅子がない。

将来的に足腰が悪くなったら床はキツイと思う、テーブルと椅子はあった方がよいのでは とタミオ君は言った。
我々が年寄りになる日のことを妄想する前に、部屋の間取りと自分の荷物がどれだけあるのかを先に計算してもらおう。

私もダイニングテーブルの生活に憧れがないわけではない。
できれば食事は向かい合って座って食べたいから気持ちはわかるんだけど、何もかも揃えればいいって話ではない。

唯一の共有スペースであるリビングは、ゆとりを確保したい。

物が溢れかえってからでは遅いんだ、タミオ。
あなたが一番わかっているでしょうに。


ということで

せめて自分たちの荷物を運んで、必要最低限の家具家電を揃えた上で、空きスペースや懐事情で考えてからにしよう と説得した。



新しい家具を揃えてテンションを上げたり、綺麗を維持するモチベーションを保つことももちろん大事だ。

しかし、よっぽど景観を損ねたり壊れて修復したものや自作の家具や家電じゃない限り、まだ綺麗で使えるものは継続利用したいと私は思っている。



小さすぎる冷蔵庫や洗濯機を買い替えるのとはわけが違う。

なくても困らないけど あった方が・グレードアップした方が嬉しい家具家電について、どこまでが必須でどこからが贅沢なのか。

無駄遣いするのもな~でもこれって本当に無駄なのかな~私が根っからの貧乏性だからそう思っちゃうだけかな~みたいな葛藤を繰り返している。


その日は下見なので特別問題にはならなかったけど、そのあたりの感覚や価値観の差は、実際に購入するまでに話し合ってお互い歩み寄っておかないといけないな。


とりあえず
欲しいもの=本当に必要なものなのか、お金をかけるべき箇所なのか、を冷静に見直すために、全部買った場合にかかる費用をノートに書き出す等しているが、結果私が一人でビビッている。

彼が自分で買ってでも欲しいというものを止める必要はないかもしれないが、快適な生活と部屋の倉庫化は紙一重だ。

彼の長年のコレクター精神を呼び覚まさないように細心の注意を払いたい。



散々歩き回って、ソファのおかげで座ったり立ったりを繰り返し、その後ダイソーを2件ハシゴして、珍しく私の足も疲れてきた夕方。

今日は外食しようか とタミオ君が打診してくれたけれど
少しでも節約しよう、と話し合ってスーパーに寄った。


翌日お弁当が必要だったタミオ君は、おかず選びにも優柔不断っぷりを発揮してしまい ここでも時間のロス。苦笑

時間も遅くなったし私も疲れてしまったので
本当は帰ってから作るはずだった餃子を諦めて、焼くだけの餃子と、その他諸々の食材を買って帰った。

家についてから急いでご飯を炊いて、その間におかずと 約束していたコーヒーゼリーを作る。久々に頼まれたお弁当のおかずを詰めて、卵を焼いておにぎりを握る。

測ったかのように出来上がりとピッタリ同時にお米が炊けて 私は舞い上がって喜んだけど タミオ君も案の定疲れ果てていて、喜びの舞には大した反応もできないようだった。 口数少なく食べ終わった後はそのまま床に倒れて爆睡した。


餃子と一緒に飲みたいと言って、買い物の帰りに実家からもらってきた缶ビールを開けたのもある。絶対寝ることはわかっていたし、午前中甥っ子たちとも遊んでくれたから 毎度のことながら大人しく寝かせておいて 私もゆっくりお片付けをした。

ご飯の用意も手伝ってくれたし、しゃべりこそしなかったものの、ご飯を食べながら私の顔をニコニコ見たりなどしていた。嬉しそうにご飯を食べてくれるタミオ君の姿を見ていると、私も嬉しい気持ちになる。

向かい合ってご飯を食べることも、毎日当たり前になれば慣れてしまうことかもしれないけれど
それでも こんな日が続くなら幸せだな と思う。

寝言のように 一緒にお風呂に入る と言ったタミオ君の言葉に疑いを持ちながらもお湯を張って 安眠バスソルトも投入したけれど
案の定彼は起きなかった。

片付けが終わって、何度も呼びかけたり触れたりしてみたけれど、それでもやっぱり起きなかった。

料理中に暑くなった私が窓を開けたせいで、窓際で寝ているタミオ君が冷たくなっていたので、バスタオルをかけて、枕を頭の下に突っ込んで、冷えた顔を両手で包んであっためた。


普段は滅多に開かない口を半開きにして寝ていた。

寝息も小さくて、口を僅かに開いて、冷たくなった顔に触れていると、急に亡くなった友人を見送った時の光景が鮮明に蘇った。

フラッシュバックってこういう感じかな、と冷静に思いながらも
いろんな気持ちも冷静に思い出せてしまって、目の前で寝ているタミオ君に重ねてしまい、涙が出た。

タミオ君は寝ているだけだと頭では分かっているのに涙が出た。


これは気付かれない方がいいやつだ、と本能的に思って
「先に入ってるからね(お風呂)」と声をかけてタミオ君から離れた。

少し起き上がる気配はあったけれど、結局起きなかった。


頭を洗い終わったタイミングや、一人でお湯に浸かってあったまったタイミング、何度となくお風呂から呼んでみたけど、ビクともしなかったので、こりゃ本格的に来ないな と思って 湯船の中からお湯を使って掃除もして出てきた。普段はもう寝る時間。

結局タミオ君は起きず。

布団を敷くために転がしたところ目を覚ましはしたものの
ほとんど目を閉じたまま パンツとシャツだけ着替えてそのまま布団に飛び込んできた。


『お風呂入らないのは許すけど、それ(脱いだパンツ)あっち持ってって歯磨きだけしてきなさい。明日の朝チューしんぞ。』

と言ったら、子供みたいにニヤニヤしながら脱いだ服を洗濯機に入れに行って、歯を磨いて戻ってきた。


『よくできました』と布団に入れてあげたら
『全然よくできてないよね』と言って笑うので

『パンツも変えずに餃子食べたのに歯磨きもせずに寝るのと比べたら大変よくできました。』と言い直したところ

私にしがみつくようにして速攻寝た。

私も速攻寝た。

そのまま二人で目覚ましが鳴るまでフライングで目覚めもせずに寝た。




こういうお出かけの日に夜ご飯を作って食べるつもりなら、今後は17時には家に帰れるように時間配分を調整しようと約束した。

そして帰ってきたら、疲れているとわかっている日は特に
ご飯の用意を手伝ってくれなくてもいいから先にタミオ君をお風呂に入れてしまうことを、自ら誓った。


子供ができなくても、子育ての幕開けのような気がするな。

…という、独り言を残して終わります。


それでも楽しい、幸せだと思える日常、プライスレス。

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