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実家に帰って頂きます。

いろいろやってくれてありがとうチョコマフィン の奇跡は、奇跡だった話をします。



最近、恋人タミオ君は毎日コタツで寝てしまう。
夜ご飯を食べた後、『ふ~おなかいっぱい』と倒れこんだらもう最後。
最近は布団に移行できず、そのままコタツで寝かせて私だけが片付けを済ませて布団に入る日が続いている。

ニトリでコタツを手に入れて以降、コタツで寝てしまわなかった日は 今のところ一日もない。

確かにコタツは最高だ。それは私もわかるし私も寝ちゃうことだってある。しかしコタツで寝るのは最高な反面危険だ。
時には汗かいて起きたり、リビング的にはふわふわでも布団的には薄すぎるマットで身体に痛みが生じることもある。

出張を控えて、体調を崩すわけにもいかない私は
最近コタツにタミオ君を残して寝るようになった。
それを我々は【別居】と呼んでいる。

一応これでも起こす努力はしている。
返事はしても起きないし、『御子ちゃんがいなくて寂しい』とはいうものの起き上がれない。寂しいなら来い。寝室はここじゃない。

昨日なんて、私がテレワークでタミオ君はお休み。
ふたりのお家でその組み合わせが発動するのは初めてだった。

前日の夜も当たり前のようにコタツで寝たタミオ君は、その日あえて私を起こさないように寝室に来なかったようだった。
朝起きるとリビングでタミオ君は起きていて、夜中起きれなくて来なかったよりも 起きてるのに来ない方が寂しかったのでそう伝えたところ
途中で私を起こさないように 兼 一週間離れる予定の出張予行練習だったそうだ。なんだそりゃ。

【あえて一緒に寝ない】という行為が、タミオ君にとっては想像以上に寂しかったようだった。
そうなりゃ昨日は一緒に寝ると思うよね。

タミオ君は朝までコタツで目覚めなかった。

びくともしないタミオ君の手に
【いっしょにねたい】と書いたマスキングテープを貼ってやった。朝どっか行ってた。


もう不思議でしかないな、テレワーク中のタミオ君は私の横で半日以上寝ていた。午後から思い立ったように自分の荷物の片付けを初めて、私も仕事をしながら全力で応援した。

しかしながら荷物は一旦リビングに出てきて、向きを変えて部屋に戻っただけで減りもしないし片付きもしなかった。

無意味に疲れただけのタミオ君は、その事実に心も疲れたのか
私が仕事を終えてご飯を作る間、コタツに倒れて寝ていた。
ご飯はかろうじて起きてくれたけど、一言もしゃべらずにご飯を食べ終わった後はそのままコタツで再び寝た。

どこにも出かけていないから汚れていないといって、お風呂にも入らなかった。
片付けは疲れる。わかる。わかるよ。
でもどっかおかしいんじゃないかなと思うぐらい疲れてるし果てしなく寝る。


最近ずっと別々だったお風呂にも一緒に入れるチャンスだったけど、『今日は無理だ』と正式に断られ、一人でシャワーで済ます。
夕飯の用意を片付けて、明日のお弁当を用意して、洗濯物を回す。


一緒にいるのが当たり前になった今、一週間離れ離れになるのが寂しいのは私も同じ。寝溜めって人間の仕組み的にできないらしいけど、触れ溜めしておきたい。触れたって触れなくなって一週間寂しいのは変わらないだろうけど、できるだけ一緒にいて可能であれば濃厚に接触して、たくさん話したり触れ合ったりしておきたかった。

タミオ君も、同じ気持ちでいてくれている と 思うは思うんだけど、たぶん身体がついてこないんだろうな。寂しいという言葉から本心が伝わってこないわけじゃない。でも実際のところは、夜正式に寝る時間以外も 起こしても目覚めないぐらい深い眠りの中にいて、声をかけても触れても返ってこない。


昨日の夜、コタツで目覚めないタミオ君は
寝ぼけ眼でこう言った。

一週間も御子ちゃんがいない間、俺は生きていけるかな。

タミオ(半分寝言)


『生きていけないと思うよ。だから実家に帰りな。毎日コタツで寝たら風邪引くよ。泊まるかどうかは任せるけどせめてご飯食べてお風呂入らせてもらって帰ってきなよ。お父さんもお母さんも寂しがってるからきっと喜ぶよ。御子ちゃんに実家に帰れって言われた って伝えていいから、健康維持のためにそうして欲しい。』


タミオ君からは力ない返事が時間差で返ってきただけ。

『聞いてないでしょ、明日もう一回言うからね。』



案の定、今朝仕事に行く前のタミオ君に話したところ、覚えてなかったけど思い出したと言っていた。

改めてお願いした。もう仕事みたいに頭下げてお願いした。


タミオ君は『長い間家を空けっぱなしにしておきたくない』と言ってくれていて、ご飯は実家で食べてもこっちに帰ってくる予定だ と、最初のうちは言っていた。

もはやそんなことはどうでもいい。
出張中に一人で自堕落な生活を送って、心も体も廃れていくタミオ君が想像できてしまって怯えた。
私がやっちゃうから二人でいるとやらないだけで掃除も洗濯もできるし、すぐに食べれる食料品も買ってあるし、心配することはないのかもしれない。


しかし
我が家には人をダメにするYOGIBOと、居心地の良すぎるコタツがある。

毎日欠かさずタミオ君がダメになっている。


私が仕事で心身ともにボロボロになったあの日、タミオ君はフル回転でいろいろ頑張ってくれたけど
ここ数日、布団に移動できないぐらいコタツから動けないタミオ君は、自分の疲労を『今週一週間の蓄積だ』と言った。

たぶんものすごく頑張ったんだろうな。


疲れているタミオ君をたたき起こすのは心苦しいけど
何もしない何もできない寝てばかりのタミオ君を見ているのもなんだか辛い。きっとこの状況を辛いと感じるのは、タミオ君がまるで両親が離婚する前の私の父のように見えるからだろうか。

私の記憶にある、家にいた頃の父は
ほとんど寝ている姿だ。

たった一日だからこそできたんだと 思いたくはないけれど、私もタミオ君には元気でいてもらいたいし、ご飯もちゃんと食べてお風呂にもちゃんと入って、布団で寝てほしい。

それが無理なら、実家に帰って欲しい。
実家の居心地がよくなっちゃってもいいから、健康的に過ごしていて欲しい。

コタツを片付ける頃にまた出張が入れば、その時にはタミオ君が一人で生活を回せるように、私がいない一人の空間や時間を楽しめるように、日々習慣づけて訓練を積み重ねて頑張りますので
今回はどうか一週間、タミオ君を実家で過ごさせてください。

と、お母様にお願いしたい。


タミオ君が初めて家を離れて、寂しい思いをしているお父様お母様の気持ちも先日顔合わせの時に聞いたところだし
私の出張を理由に数日間一緒に過ごすという口実にしてくれたらいい。

タミオ君だって実家が嫌なわけじゃないんだし
もし逆だったら私も(帰ってくるけど)実家や妹の家で一緒にご飯を食べたりはすると思う。

タミオ君は実家の方が職場にも近いんだし
一石二鳥三鳥四鳥なんだから。もう野鳥の会だよ。



嗚呼、コタツ。
・・・こうなることはわかっちゃいたけど想像を超えてきた。本気と書いてマジで買うんじゃなかったと心底思っている。

コタツはいいよ。
わかるよ。
私もすごく気に入っているよ。

暖かいし癒されるし眠くなっちゃうのもわかるよ。

時にはゆっくり寛ぐ時間も大事だし
せかせか生きていくのは私も嫌なんだ。


だけど、ちょっとダメになりすぎている気がするだけ。
お話する時間も、触れ合う時間も、無くなりすぎていて 悲しい。


皆様のご家庭では、居心地の良いコタツに人生をダメにされている方はいますか。


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