大阪から京都 宮津へ移住した夫婦がつくるのは、宮津での暮らしを映す陶器たち。 ー 京都府宮津市のまち自慢
みなさん、こんにちは。
京都の北部、海のある宮津を拠点として活動しています今村です。
現在、『前尾記念クロスワークセンターMIYAZU』というコワーキングスペースで働いています。
今回は宮津の自然の風景や素材をテーマに、シンプルで温かい器を制作している『AIKA CRAFT(アイカクラフト)』さんに取材に行きました!
『AIKA CRAFT(アイカクラフト)』とは
『AIKA CRAFT』は、宮津市にある陶芸工房。
土にこだわり、”自然の美しさを引き立てる”陶器、”触れた瞬間にぬくもりを感じる”陶器を職人の手で作り出しています。それは、宮津のような豊かな自然や、素朴さの残る町の何気ない美しさを器で表現し、お客様に日常の中であたたかな器を提供したいといった想いがあります。
『AIKA CRAFT』の名前の由来をお伺いすると、オーナーの本名「秋鹿(あいか)」から名付けたとのこと。名前に”鹿”があることから、鹿をシンボルとするマークも作品に添えられています。
宮津で陶芸を続ける理由とは
2017年の大阪から京都府宮津市への移住を機に工房を築き、夫婦で運営されています。
移住当初、陶芸を「仕事」として捉えられていましたが、宮津での新しい生活をスタートさせると、陶芸と日常生活の間にはっきりとした境界線がなくなっていったそうです。
四季折々で変化する里山の風景、気温、風の香りーーーー。
そして地元の海や山から採れた食材を味わうことで、宮津の素晴らしさを実感するようになったそうです。この宮津での生活から、秋鹿さんは宮津そのものを表現したいという思いを抱き、優しくて素朴な印象の陶器の制作にこだわりました。
私はこの話を伺って、秋鹿さんの作品の中には宮津の魅力が詰まっていると感じました。自然の環境、大切にしている考え方、全ては宮津の生活から影響を受け、陶芸作品が誕生しているからこそ、この地で制作し続けているということが分かりました。
「米の飯より思し召し」の器のこだわり
ーーーーー「米の飯より思し召し」
昔のことわざにこんな言葉があります。
”ご飯をご馳走してもらうことも嬉しいが、ご馳走してあげようという気持ちの方が、もっとありがたい”という意味です。日本人が古来より育んできたお米への感謝の気持ちをこめた、こだわりの一品。
ご飯茶碗の一般的な大きさは女性用で口径が10〜12cm、男性用で12〜14cmだそうで、飯碗サイズを12cmと男女兼用で使える大きさにしていることもポイントです。
ほっくりとした丸みで美味しいご飯を包むデザインが可愛らしく、お米の模様は秋鹿さんの想いを象徴しています。
荒さが残る土を用いたオリジナルの陶土を使用して制作しているため、土本来がもつ柔らかさがあり、サイズや色に多少の差が生まれ、作品の表情に違いがあるのが特徴だそうです。
一つひとつ丁寧に想いが込められて仕上げられた秋鹿さんの作品からは、その『器』だけがもつ表情に特別感があり、愛着が湧いてきます。
実際に陶芸体験もしてきました!
「AIKA CRAFT(アイカクラフト)」では、陶芸体験も行っております。
人生初めての陶芸を体験させていただきました。
ご自宅横に体験場所があり、たくさんの陶芸の作品が並べられていました。耳をすませると近くの線路を電車が通る音、木々や葉を揺らす風の音が聞こえてきます。窓から心地の良い風が入ってきて、自然を感じながら時間がゆっくりと流れる中で陶芸を体験することができます!それは普段の忙しない日常では感じられない、非日常のような不思議な感覚でした。
体験では『ろくろ体験』と『手びねり体験』と選択ができます。お話しを聞くと、どちらもシンプルで古典的な技法なんだそうです。シンプルな技法だからこそ、作り手の個性と手跡が感じられる器が焼き上がり、手作りの温もりが生まれる秘訣なのですね。私はろくろ体験、友人二人は手びねり体験をしました。
初心者におすすめなのが『手びねり体験』の中の”タタラ”の技法を使ったお皿づくりです。陶土を平らに叩きながら広げていきます。
他にも少し難易度が高い”ヒモ作り”に友人が挑戦していました。
細長いヒモを積み重ねていく作り方で作品を仕上げます。大切な点は、ヒモとヒモをしっかりと接着させることだそうで、丁寧に行っていました。
『ろくろ体験』では土の成分を混ぜ合わせるために何度も伸ばす工程が必要でした。力を入れすぎると器の厚さが薄くなりすぎたり、力が優しすぎると思ったほど器に窪みができなかったりと、この押し引きの力加減を繰り返しながらお椀の形に段々となっていく過程にワクワクしました。常に土が乾かないよう土に触りすぎず、でも思い通りの形にしていくために力を加えていく。この工程が何よりも難しかったです。なかなか、形が左右対称にならず修正していただきながら制作を進めました。
仕上げにサインやどんな色を塗るかを決め、約一時間ほどで友人と器の形まで完成させました!それぞれ作るものは違いましたが、素敵な時間になりました。
完成までには一、二ヶ月ほど。どんな器になって私の手元に届くのだろうか。
その時までの過程まで楽しむことができます。また体験してみたいです。
今回の取材から秋鹿さんの情熱と陶芸の魅力を感じ、陶芸体験を通じて自分の手で作品を仕上げる達成感を知ることができました。陶芸ってとても奥深い世界だと実感しました。
みなさんも是非、宮津の器を手に取ってみませんか。
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